2018年(平成30年) 4月21日(土)付紙面より
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鶴岡市の羽黒山中にたたずむ国宝羽黒山五重塔の特別拝観が28日(土)から11月4日(日)まで行われる。内部は「秘中の秘」とされ、明治以降では初の一般公開。山頂の出羽三山神社儀式殿では、第75代覚諄(かくじゅん)別当が山麓修験者に託した羽黒三所大権現の秘仏も同時に初公開される。19日に現地で内覧会が行われた。
出羽三山神社(宮野直生宮司)が天皇陛下御在位30年、同神社三神合祭殿再建200年を記念し、来年の同時期と合わせ2年限定で行う。
五重塔特別拝観は、初重(1階)に入り、須弥壇(しゅみだん)に祭られている大国主命(おおくにぬしのみこと)を参拝できる。五重塔の東西南北に配置されていた「報身」「応身」の額は、平安中期の書家・小野道風の筆と伝えられ、解説文や内部構造の写真資料などとともに展示する。東側の外部に仮設設階段を設け、地上から5―6メートルの二重(2階)の屋根の上へ渡り、小窓から八角柱の「心柱」や、くぎを使わず藤のつるで巻き支えている総杉材の建築構造なども見学できる。
儀式殿の羽黒三所大権現は、羽黒山本社に見立てた社に大日如来、阿弥陀如来、観音菩薩の仏像3体を安置した秘仏。1811(文化8)年の大火災からの早期再建を願い、田畑を売り献納した山麓(旧手向村)の天羽又兵衛が覚諄別当から託されたと伝えられている。天羽家に伝わる不動明王、弁財天の仏像と合わせて公開する。
いずれも午前8時半から午後4時半まで。五重塔特別拝観料は500円、羽黒三所大権現拝観料は300円。共通券700円。