2018年(平成30年) 7月5日(木)付紙面より
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海水浴シーズンを前にした2日、大規模地震を想定した津波避難訓練が酒田市浜中地区で行われ、浜中小学校(出嶋幸校長、児童60人)の児童や地区住民が、海岸から内陸部の高台などに避難する訓練を行った。
2011年の東日本大震災を教訓に、県と庄内5市町などでつくる「庄内地域地震・津波対策連絡協議会」が12年度から海水浴シーズン前、「沿岸地域津波避難訓練」として各沿岸市町で実施している。今回は浜中小の全児童と教職員が浜中海岸のごみを拾うクリーンアップ作戦を行った後、酒田警察署や地区住民らと合わせて約150人で訓練に臨んだ。
想定は午前11時45分、本県沖を震源とするマグニチュード(M)7・8の地震が発生し、酒田市では震度6強を観測。発生から3分後に本県沿岸全域に「大津波警報」が発令されたというもの。
海岸で参加者は、市危機管理課職員から「県の想定では地震発生から11分で津波が来ることになっているが、もっと早く来る可能性もある。揺れが収まったらすぐ避難し、想定で浸水の可能性がない所まで来たから安心ということでなく、少しでも遠くに逃げて」と注意事項を聞いた。
市の防災行政無線を通じてサイレンが鳴り、地震情報が流されると、浜中小の子どもたちは異学年の班単位で一列になり、緊張した表情で海岸から砂山を越え、集落内の学校に向かった。6年生の菅原快斗君(11)は「焦らず冷静にという指示通りに、うまく避難できた。下級生の面倒も見られたと思う」と話した。
県が2016年3月に公表した県津波浸水想定によると、浜中地区の海岸線に高さ20センチ以上の津波が到達する時間は地震発生から11分後、津波最高水位は10・4メートルとなっている。
酒田市は9月30日に三中学区を主会場に行う市総合防災訓練の時も、沿岸地域で避難訓練を行う予定。