2018年(平成30年) 7月6日(金)付紙面より
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酒田市の鳥海八幡中学校の生徒が4日、職場体験の一環で学んだ同市八幡地域の大地の成り立ちに関する知識を生かし、市役所に「石器作り体験コーナー」を設置し、来庁者らに地域の魅力を解説しながら石器作りを指導した。
職場体験は同校の2年生が3、4の2日間、八幡地域を中心にした事業所で実施。このうち毎年体験を受け入れている市八幡総合支所では従来、道路など公共インフラの現場見学が中心だったが、今回は、2016年9月に日本ジオパークに認定された「鳥海山・飛島ジオパーク」で八幡地域が中心的なエリアの一つであることから、初めて同支所地域振興課が「ジオパーク職場体験」を企画した。
参加したのは男女2人ずつの4人。3日は市職員の案内で青沢地区に行き、荒瀬川沿いの高台から縄文時代の石器類がたくさん出土していることや、長い年月をかけて川が地層を削り今の地形になったことなどを学んだ。また、縄文人が石器を作ったのと同じ「頁岩(けつがん)」を採取した。4日は市役所1階に体験コーナーを設置し、来庁者に石器作りを指導した。生徒たちは「頁岩は1000年ぐらい前にプランクトンなどが堆積したもの。この頁岩は私たちが荒瀬川沿いで拾ったものです」などと説明しながら、頁岩をやすりで削りナイフのようにする方法を指導。来庁者は完成した石器で、段ボールの上に載せた紙を切り、「すごーい」と感心していた。
仲川大輝君(13)は「職場体験で石器作りができて面白い。自分が住んでいる地域は刈屋梨など食べ物がおいしく、水がきれいで、いろんな生き物がいて好き」、齋藤寧月君(14)は「八幡にはあまり興味がなかったが、今回の職場体験で縄文時代の遺跡がたくさんあることなどを知り、興味が湧いた」と話した。