2018年(平成30年) 7月17日(火)付紙面より
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日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の整備促進などを求める建設促進加速化大会が14日、酒田市のガーデンパレスみずほで開かれた。新潟、山形、秋田の沿線地域から約1000人が参加し、前国土交通大臣の太田昭宏衆院議員が特別講演、「必要な予算の措置により、一日も早い全線開通を求める」とする大会宣言を採択し、庄内を挟む新潟、秋田両県境区間など事業中の区間の建設促進を強く訴えた。
日沿道の新潟県境区間の朝日まほろば―あつみ温泉間40・8キロ、秋田県境区間の遊佐鳥海―象潟間17・9キロは、いずれも2013年の事業化決定から5年経過したものの、ともに進捗(しんちょく)率が1割ほどで、「事業化からおおむね10年以内」とされる開通時期は見通せない状況にある。09年に事業化された酒田みなと―遊佐鳥海間12・0キロも本線建設が本格化しているが、開通時期は定まっていない。
庄内開発協議会は今年4月、会長の丸山至酒田市長、最高顧問の新田嘉一平田牧場グループ会長らが石井啓一国交大臣と面談し、整備促進を要望。石井大臣は「地元の皆さんの一層の協力をお願いしたい」と述べた。県内の東北中央自動車道が次々と部分開通する中で危機感を強め、同協議会などで実行委員会を組織し、「加速化」の大会を開いた。
大会には庄内地域と沿線の新潟県村上市、秋田県にかほ市、由利本荘市の各首長をはじめ、国会議員や県議、各界の代表、市民らが詰め掛けた。委員長の丸山酒田市長が「一日も早い開通へ向け、アクセルを踏んで加速度を上げ弾みをつける大会にしたい」とあいさつ。歓迎のあいさつで庄内開発協の新田最高顧問は「沿線3県の思いは同じ。日沿道が開通しなければ、この地域はなくなってしまう。それだけ重要な道路だ」と訴えた。吉村美栄子知事がメッセージを寄せ、加藤鮎子衆院議員、若松謙維参院議員が来賓あいさつした。
太田前国交大臣は「安全・安心の勢いのある国へ」と題して特別講演。災害時の物流機能の代替性、沿線地域の活性化のためにも高速道路などの必要なインフラを整備する必要性を強調。「日沿道は地元だけでなく日本全体の動脈でもある。人口減少でこれからは一つの地域だけでは生きられない。各地域の特徴を磨き上げ、つなぎ、連携する対流型の国土建設を目指さなければならない。実現に向け力を合わせよう」と呼び掛けた。
講演後、ともに実行委副委員長の市川雄次にかほ市長が謝辞を述べ、高橋邦芳村上市長が日沿道の早期全線開通を求める大会宣言を読み上げた。
加速化大会では、日本青年会議所山形ブロック協議会による交通インフラ整備を求める署名活動も展開され、多くの参加者が署名していた。