2019年(平成31年) 2月1日(金)付紙面より
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庄内各地の焼き鳥店でつくる庄内ミート親和会(佐藤僖芳会長)と、鶴岡市の食肉処理販売の庄内ミート(大瀧俊一社長)は30日、交通事故防止や飲酒運転撲滅に向けた活動費として、鶴岡地区安全運転管理者協議会(難波眞一会長)に40万円を寄贈した。
親和会は庄内ミートと取引している店舗で1979(昭和54)年に設立。現在、鶴岡市内を中心に庄内各地の焼き鳥店37店が加盟している。今年、設立40周年を迎えたのを記念し、飲食店として飲酒運転撲滅による安心・安全な地域社会づくりに貢献しよう、40周年にちなみ親和会15万円、庄内ミート25万円の計40万円を寄贈した。
この日、鶴岡警察署(西塚隆一署長)の署長室で贈呈式が行われ、西塚署長ら立ち会いの下、佐藤会長と大瀧社長が、難波安管会長に寄付金を手渡した。
佐藤会長は「交通事故防止に役立ててもらえれば」、大瀧社長は「今後も各店舗の協力で飲酒運転撲滅に協力していきたい」と話し、難波安管会長は「事業主会、交通安全協会、地域交通安全活動推進委員協議会を加えた交通安全関係4団体の活動に活用し、高齢者の事故防止などに役立てていきたい」とお礼を述べた。
2019年(平成31年) 2月1日(金)付紙面より
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出産に関わる人材が大規模医療機関に偏在する傾向が強まる中、酒田市の日本海総合病院を運営する県・酒田市病院機構(栗谷義樹理事長)は30日、県の助産師出向支援事業を活用し、同市ゆたか二丁目の産科・婦人科・小児科医院「いちごレディースクリニック」(太田聡院長)に2月1日から、助産師1人を出向させる協定を締結した。
県によると、庄内地方の分娩(ぶんべん)取り扱い施設は、2008年の10施設に対し、18年は5施設へと半減。分娩件数は07年の2572件に対し、17年は2056件と減少している。また、17年度の県全体の出生数を医療機関別に見ると、病院が5457件(64・4%)、診療所が3015件(35・6%)、就業助産師342人の就業先の内訳は病院78・6%、診療所12・2%と、出産に関わる人材が大規模医療機関に偏在。特に異常分娩の取り扱いは病院に集中し、診療所の助産師は経験を積む機会が少ないなど、地域で安全・安心に出産するためには、偏在の是正が課題となっている。
助産師出向支援事業はこうした情勢を受け、病院の助産師が診療所に出向する場合、給料の差額補填(ほてん)などを行うもので、13年度に県看護協会が厚生労働省の助成を受けて始め、15年度からは県が同協会に委託する形で実施している。これまで、14年3月から2年間、米沢市立病院から同市内の診療所に助産師延べ4人が出向したのに続き、今回が2例目となる。
日本海総合病院から出向するのは、1997年4月から同病院で助産師として勤務する主任看護師・上野美紀さん(44)。出向期間は当面、2月1日から3月末までの2カ月間だが、新年度も継続の方針で、県が予算要求しているという。
この日、日本海総合病院で行われた協定締結式では、栗谷理事長と太田院長、県看護協会の井上栄子会長の3人が協定書に調印。井上会長は「医師の業務の軽減と助産師の実践能力の強化、偏在の是正につながると期待」、太田院長は「人材不足で募集してもなかなか来ない。支援事業をぜひ成功させたい」、栗谷理事長は「お産施設の減少は単に人的な問題でなく、国や社会がどのような方向に進もうとしているかの要素が大きく、そのひずみが出ている。より良い事業にブラッシュアップしたい」とあいさつ。
上野さんは「病院に戻ってきた時に貢献できるものを学んできたい」と抱負を述べた。
両医療機関の助産師数は、日本海総合病院が36人(2018年1―12月の分娩数は523件)、いちごレディースクリニックは7人(同317件)となっている。
2019年(平成31年) 2月1日(金)付紙面より
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長く鶴岡市出身の絵本作家、土田義晴さんと交流し共同作品を多く発表している酒田市の県立酒田特別支援学校(早川隆校長)で学ぶ園児・児童・生徒の作品を集めた作品展「つちだよしはると子ども美術展」が、酒田市美術館(石川好館長)で開かれている。
同校の前身・酒田聾学校と土田さんの交流は1999年、当時の竹屋哲弘校長が「ぜひ会ってほしい子どもたちがいる」というメッセージを土田さんに送ったのをきっかけにスタートした。以来、土田さんは同校を訪問し絵画を指導しているほか、子どもたちが水彩絵の具やクレヨンを使用して動物や草花、人気キャラクターなど思い思いに筆を走らせた後、リクエストに応じ土田さんが絵の周囲におなじみの動物キャラクターを描くなど共同作品も多く制作している。
これらの交流を基にし土田さんは、同校をモチーフにした絵本「14の心をきいて」「ゴンタとカンタ」などを発表。いずれも障害の有無にかかわらず、人は誰でも同じ心を持ち、一人の人間として大切にされるべきということを土田さん特有の温かなタッチで描いている。
今回の作品展は、市美術館エントランスをフルに活用し、土田さんとの共同作品を含む在校生と卒業生による計34点を展示。知的障がい教育部小学部1―3年17人による大判絵「みんなで食べるとおいしいね」は館内に入って一番最初に目に飛び込んでくる作品。児童たちが貼り絵で製作したブドウやカキなどの果物を土田さんの動物キャラクターたちが「むしゃむしゃ」。また、聴覚障がい教育部の園児・児童・生徒によるステンドグラス4点は北側窓に展示。いずれも酒田の街並み、鳥海山などを「借景」に陽光を浴び、きらきらと輝いている。今回の作品展に際し、土田さんは「あの頃も、今もまっすぐに生きる子たちの日々を、感じてください」というメッセージを寄せている。
一方、同美術館市民ギャラリーでは酒田、遊佐両市町の園児・児童・生徒の作品を集めた「酒田飽海地区子ども美術展」が開かれており、絵画、立体、造形など計417点を展示している。
いずれの展示も入場無料で、2月11日(月・祝)まで=2月4日(月)休館。