2019年(令和1年) 10月23日(水)付紙面より
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5代目となる県漁業試験調査船「最上丸」の竣工(しゅんこう)式が21日、酒田市の酒田港東埠頭(ふとう)水産第1岸壁で行われ、県・漁業関係者ら約80人が就航を祝った。新最上丸は既に運用が始まっており、23日には庄内沖の明石礁で海底地形探査などを行う予定。
1992年1月に就航した先代の老朽化、多様化する漁業関係者のニーズに対応するための更新。新たな最上丸は全長44・3メートル、幅7・6メートル。先代の約2培となる198総トンと大型化を図った。速力は約13ノット。LED(発光ダイオード)集魚灯、海底地形探査装置、計量魚群探知機、水中ソナー、自走式水中テレビなどを装備し、より高度な調査研究業務に対応できるようにした。
一方、船体の大型化、居住設備の充実で最大40人の乗船が可能で、水産高校生や漁業就業希望者の操業見学実習、県民向け乗船体験航海、災害発生時の救援物資運搬など試験研究以外にもさまざまな用途での活用を想定している。
式典では県立鶴岡中央高太鼓部メンバーによる記念演奏に続き、吉村美栄子県知事が「多様化する漁業者のニーズに応えるための更新。的確な情報を随時提供し、皆さんの役に立てるよう運用していく」とあいさつ。秋野亨船長ら船員・調査員が紹介された後、吉村知事らがテープカットを行い、就航を祝った。出席者は早速、新最上丸に乗り込んで港内を体験航海した。