2019年(令和1年) 12月10日(火)付紙面より
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JA庄内たがわ(黒井徳夫組合長)のつや姫コンテスト2019「つや姫名人戦」が8日、庄内町の同JA新余目支所で行われた。実食官能審査などで10人の「つや姫名人」に認定証が授与され、その中から市場関係者などによる食味審査で上位3人を選定。最高賞の金賞に鶴岡市羽黒町昼田の渡部公一さん(51)が輝いた。
組合員の高品質・良食味米の生産と営農意欲向上、「つや姫」のJA庄内たがわブランド確立を狙いに2012年に始め、8回目。今年はつや姫誕生10周年を迎え、記念の年の名人戦となった。管内のつや姫生産者約1200人が生産した米を、食味分析器などによる測定や実食審査など1―3次審査を行い、上位10人を「つや姫名人」に認定した。
最終審査の「名人戦」が行われたこの日、初めに黒井組合長が認定された10人へ認定証を授与。引き続き、10人の自慢の米が同一条件で炊飯され、市場関係者や管内市町、県の関係者、同JA役員など13人が審査員となり実食審査。上位3人の米で決勝を行い、審査員が最もおいしいと感じた米を選ぶ方式で判定。金、銀、銅の各賞を決めた。
銀賞には同市大半田の佐藤浩幸さん(56)、銅賞に同市幕野内の近藤勝さん(68)のいずれも藤島地域の2人が選ばれた。17年に続き2回目の名人認定で初の金賞に選ばれた渡部さんは「特別なことをしているわけではないが、水の管理は父親が担っている。素晴らしい賞を頂き、さまざまな関係者の方々に感謝したい」と喜びを語った。
審査員で米販売の山田屋本店(東京)の秋沢淳雄社長は「誕生して10年となったつや姫は今では日本人の誰もが知っているブランド米となり、その後に誕生した各地の話題の新品種は全てが成功したつや姫を目指して追い付こうと頑張っている。今後ともおいしいつや姫を丁寧に作って消費者に届けてほしい」と講評。
金、銀、銅賞以外のつや姫名人は次の通り。
遠藤守(櫛引・馬渡)上新田農事組合法人(藤島・上新田)難波定男(朝日・下本郷)五十嵐博幸(櫛引・板井川)佐藤博喜(櫛引・代)村田哲(櫛引・黒川中)上田智哉(藤島・宮東)
2019年(令和1年) 12月10日(火)付紙面より
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木に触れて、いっぱい遊んでね―。東北芸術工科大デザイン工学部建築・環境デザイン学科の学生20人が、鶴岡市苗津町の市中央児童館「ひろっぴあ」の児童遊園に製作していた2つのツリーハウスが完成し7日、お披露目会が行われた。同児童館に併設する学童保育所の“卒業生”で鶴岡市出身の同学科4年、庄司桃子さん(21)が橋渡し役となり、子どもたちの新たな遊び場が生まれた。
ツリーハウスは児童遊園の2本のケヤキの木に、杉材で組んだ低学年用と高学年用の2基。低学年用は高さ約2メートルに柵付きのデッキ(2・7メートル四方)を設け、はしごのほかにロープやボルダリング用グリップを使って登ることができる。暑い季節は日よけを枝に渡して、心地よい場所にする。高学年用は高さ約3メートルに屋根を掛けたやぐら風の外観(床2メートル四方)で、城下町・鶴岡の城をイメージしデザイン。ハウスの中にケヤキの幹や枝が通る。中ほどに踊り場を設け、はしごを渡している。学生たちが週末や休日に通い、3カ月ほどかけて完成させた。また、安全に使ってもらうためのルールも考え、掲示した。
朝暘二小卒の庄司さんは小学生の6年間、ひろっぴあの学童保育所に通った。「みんなと大きな木製アスレチックでいっぱい遊んだ楽しい思い出がある。その遊具がなくなったことを知っていたので、木の温もりがあるツリーハウスがあったら」と、管理運営する市社会福祉協議会に掛け合い、調整役を務めた。「後輩たちが安全面にも配慮したすてきなものを造ってくれた」と、完成したツリーハウスに登り感触を確かめ、「この遊園で遊んだ懐かしい思いがよみがえってきた」と笑みを浮かべた。
お披露目会はツリーハウス製作プロジェクトに参加した学生たちと同学科の山畑信博教授が訪問し、子どもたちを交えて行われた。テープカットや学生たちへの記念品贈呈などが行われ、同プロジェクト代表で3年の長利(おさり)咲代子さん(21)は「2つのツリーハウスにはまだ名前がない。ぜひ子どもたちに付けてもらい、親しんでもらえたら」と子どもたちに呼び掛けていた。
この日、学生たちによってツリーハウスは雪囲いされ、本格的な活用は来春から。早速、ツリーハウスで遊んだという朝暘二小3年の菅原莉緒さん(9)は「突起に手足を掛けて登ったり、ロープで降りたり、楽しかった。春になったらまた遊びたい」と喜んでいた。
同学科の学生たちが中心となった同プロジェクトは2011年にスタート。学生たちが現地調査やツリーハウスの設計、製作、メンテナンスを担い、これまでに県内の白鷹町や西川町、金山町などに設置。今年の鶴岡市で12基目となる。