2019年(令和1年) 12月24日(火)付紙面より
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アーチェリー女子の東京五輪代表候補・中村美樹選手(27)=鶴岡工業高出、ハードオフコーポレーション=に室内練習場が提供されることになり、21日、初練習が行われた。
鶴岡市櫛引地域田代にある工場がその現場。「無風で寒くなく、今までにない環境。感謝します」と中村選手は笑顔で話した。
渡会電気土木の固形木質燃料ペレットを製造する工場で、武田啓之社長(58)によると、実家がある鶴岡市を拠点にしている同選手が冬季間の練習で苦労していることが社内で話題になり、長さ61メートル、幅3メートルの工場内の通路提供を思い付いたという。土・日の休業日に提供される。暖房も備わっている。「地元で練習をして五輪を目指しているのは素晴らしいこと。協力したかった。好きな時間で使ってください」。国際交流を推し進める鶴岡ホストタウン企業協賛会長を務める武田社長は工場の鍵を手渡しした。
五輪の的までの距離は70メートル。9メートル短いが「フォーム固めが何より重要。長い距離を打てる環境ができたのは良かった」と同選手を中学から指導してきた野崎剛さん(55)=鶴岡南高教諭=もホッとした表情。今年最初は小真木原陸上競技場の室内トラック場を利用したり、屋外で練習したが、寒さのため不調だっただけに、最終調整に向け心強い。
今後、東京・ナショナルトレセンでの合同練習を交えながら、調子を上げていくプラン。五輪代表3枠は8人の候補選手の中から、来年3・4月、静岡県つま恋で行われる2次選考・最終選考で決定する。「気象状況に左右されないこの場所で練習に励みます」。代表入りに向け、同選手は自らに活を入れた。