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2019年(令和1年) 6月5日(水)付紙面より

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8月1日庄内―成田間新規就航のLCC 低調な予約率に危機感

 県政運営に関する説明会が3日、三川町の県庄内総合支庁で行われた。吉村美栄子知事と庄内地域の各産業界、自治体の代表らが意見を交換するものだったが、吉村知事は庄内―成田間に8月1日新規就航の格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンの予約率の低さに危機感をあらわにした。

 吉村県政では庄内における初の県政運営説明会。約1時間50分にわたって、県側から各分野の説明が行われ、質疑応答が繰り返されたが、同知事の心配の種は新規就航便の予約の低調さにあった。「仙台空港の関係者から“先を越された”と嘆かれたほどだったのに、こんなに低調ではすごく困る。庄内の人が一生懸命になって乗ってくれないと困る」。会場内の壁には新規就航のポスターが9枚も貼られるなど宣伝に努めたが、嘆き節は止まらなかった。

 知事自らトップセールスし、就航にこぎ着けた庄内―成田便(1日1往復)。しかし4月18日の受け付け開始以来、約1カ月半が経過しても予約率は1―2割台で低迷。特に庄内発が不振だ。「最初が肝心。今のままではすぐ撤退される。のんびりなんかしていられない。一度、航空会社から“駄目だ”とされたら二度と来てくれない」と各方面にくぎを刺した。

 この言葉を受けて沼澤好徳庄内総合支庁長は「庄内の人は慎重だし、新規就航がまだ知られていない面がある。6月に入って会社の会合や学校などの集まりに努めて参加して、利用を呼び掛けたい」という。到着する成田は羽田と比較すると都心まで遠いだけに、そうした先入観も邪魔しているのではと推測した。

 成田と都心を結ぶ交通の便は整備され、バスも電車も本数が多く、平均約55分。何より最安の場合片道運賃4870円はANA(2万2190円)のわずか約4分の1ほど。「一度使ってもらったら、利便性が高いことが分かってもらえる。口コミで評判が伝われば、確実に利用拡大につながるはず」と沼澤支庁長は力を込めた。

 吉村知事は「8月1日の初就航は私も乗る。この就航はぜひとも成功させなければならない。よろしくお願いしたい」。庄内地域の活性化、発展への起爆剤として確信しているだけに最後まで油断しない構えだ。

 ◆庄内―成田線 成田発午後1時―庄内着同2時5分、折り返し庄内発同2時50分―成田着同3時50分。使用機材は180席のエアバスA320型機。航空券はジェットスター・ジャパンホームページ、コンタクトセンター=電0570(550)538、コンビニなどで販売中。

庄内―成田便初就航の予約低調に吉村知事は厳しい表情を崩さなかった
庄内―成田便初就航の予約低調に吉村知事は厳しい表情を崩さなかった


2019年(令和1年) 6月5日(水)付紙面より

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「高校生のための年金ディベート道場」活用を紹介 You Tubeにアップ

 東北公益文科大学(酒田市、吉村昇学長)の阿部公一教授(社会保障論、公的年金論、年金教育)が担当する専門演習(ゼミ)を履修する4年生8人がこのほど、阿部教授が作成した年金学習教材「高校生のための年金ディベート道場」の活用法を広く紹介する動画を制作し、動画共有サイト「You Tube」にアップした。自由に閲覧できるほか、教材と動画は今後、オープンキャンパスなどでの活用も想定している。

 阿部教授のゼミ生たちは2016年度から「国民年金加入行動啓発プロジェクト」と銘打ち、若年層、特に大学生の国民年金未加入・保険料未納問題を共通の社会問題と捉え、学生の視点で加入・納付を呼び掛ける動画を多く発表。これまで5本をアップし、いずれも「You Tube」で閲覧できる。

 阿部教授は今年2月、日本教育公務員弘済会による日教弘本部奨励金助成を受け、高校生をはじめとしたさらに若い世代から国民年金への理解を深めてもらおうと、「―ディベート道場」を作成した。「国民年金の保険料なんて払ったら損だ」という論題で討論を交わすディベートゲームを通し、公的年金が存在しない社会、保険料を支払わない場合を想像させることで、その意義や必要性について理解を深める内容になっている。

 これを受けてゼミ履修の4年生が企画・構成・出演を分担し、「―ディベート道場」の活用法を分かりやすく解説する8分半の動画を制作した。先月下旬に完成した動画は、ゼミ生が道場の「師範」となり「損だ」を肯定するものの、否定する高校生ら若者たちの「道場破り」に論破されるのを待つという中身になっている。最後は「皆さんの道場破りを待っている」と呼び掛けている。

 動画は「You Tube」内の公益大サイト=https://www.youtube.com/user/koekiuniversity=にある。いずれもゼミ長の伊藤綺羅さん(21)と前司美南さん(21)は「まずは分かりやすい動画を心掛けた。出来には満足、こん身の一本になったと自負している。ぜひ活用してもらいたい」と話した。

動画を紹介する伊藤さん(左)と前司さん
動画を紹介する伊藤さん(左)と前司さん



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