2019年(令和1年) 6月6日(木)付紙面より
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酒田市は4日、友好都市の中国河北省唐山市の京唐港と酒田港を結ぶ新規航路が開設されたと正式に発表した。丸山至市長は「日本酒や米などを売り込んでいきたい」と県産品の輸出拡大に期待を寄せている。
唐山市は人口約790万人で、鉱工業が盛んな港湾都市。天津市と約100キロ、北京市と約150キロの距離にあり、来年には北京―唐山間の高速鉄道が開通する。京唐港はここ10年ほどの間に急成長し、2017年のコンテナ貨物取扱量が約200万個(20フィートコンテナ換算)と、わが国5番目の大阪港(17年約230万個)に匹敵する。
酒田市とは、酒田大火があった1976年に大地震に見舞われ、共に大きな災害から復興した縁で交流が始まり、90年7月には友好都市の盟約を締結。中国で開かれる卓球大会に中学生を派遣するなど相互に行き来し交流している。市では友好の絆を経済交流に発展させようと昨年12月、東京都内で開かれた唐山市の商談会に出向くなど新規航路の開設を働き掛けてきた。
その結果、京唐港でコンテナ貨物を扱っている上海合徳国際物流公司と南星海運との協調運航で5月10日、京唐―釜山間の新規航路が開設された。酒田港からは週3便の定期コンテナ船のうち2便が南星海運の協調運航で釜山まで行っており、釜山経由で酒田―京唐が結ばれた。
丸山市長は4日の定例記者会見で、中国への市訪問団(先月24―29日)の成果として新規航路開設を正式に発表し、「一定の達成感はあるが、まだ航路ができたばかりで、今後はモノの確保が課題。現地でニーズが高い日本酒をはじめ、米や加工食品、菓子などを売り込んでいきたい」と抱負。県産米の酒田港からの輸出に向けては、酒田港の薫蒸上屋が昨年5月に中国政府の認可を得たものの、天童市内の精米施設は同政府の認可をまだ受けておらず、懸案になっている。これについては「習近平氏(国家主席)が来日するG20(今月28、29日、大阪府)に向け、新たな展開になるよう働き掛けを強めている」とした。
2019年(令和1年) 6月6日(木)付紙面より
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子どもたちが奏でる楽器の音を地域に響かせたい―。市民バンドの有志などをサポーターに、鶴岡市の小中学生を対象にした金管バンド「鶴岡ジュニアバンド」(渡辺久美代表)が4日、結成した。メンバーは羽黒地域の小学生男女8人。昨春に閉校した羽黒一小のスクールバンドの楽器を活用し、週1回の練習を行っていく。「一緒に演奏を楽しむ仲間をもっと増やしていきたい」と歩み出した活動に子どもも大人も目を輝かせている。
鶴岡市羽黒町手向地区の有志でつくり、渡辺代表も所属する市民バンド「ブラックウィングス」(土岐彰代表)や「鶴岡ウィンドオーケストラ」(加藤聡代表)、羽黒一小スクバンの楽器を管理している手向地区自治振興会が連携し、今冬から結成の準備を進めていた。渡辺代表は「スクバンがあった羽黒一小が閉校し、手向地区に子どもの声と楽器の音が聞こえなくなったのを寂しく感じていた。合奏の喜びを子どもたちに伝えたい」と結成への思いを語る。
楽器を初めて手にする子どもたちは、4月から加藤代表らの指導でコルネットやパーカッションの練習をスタート。4日夜に羽黒地区活動センターで行われた結団式で練習してきた「聖者の行進」を披露し、希望の音色が会場を温かく包んだ。
広瀬小6年の菅原翠玲さん(11)は「早くみんなと仲良くなってきれいな音が出せるように頑張りたい」、羽黒小6年の丸山優斗君(11)は「友達と楽しく仲良く楽器に触れていきたい」と話していた。今後は9月の手向地区敬老会での演奏披露や、11月に行われるジュニアバンドフェスティバルへの参加を目指していくという。
鶴岡ジュニアバンドは小学4年生から中学生が対象。毎週火曜日午後7―8時に、当面の間は同活動センターなど羽黒地区を練習会場に活動する。年会費6000円。問い合わせはバンド事務局の梅津さん=電090(4551)1279=へ。