2020年(令和2年) 4月19日(日)付紙面より
ツイート
児童・生徒が学校に行けない状況の中、家庭内に引きこもってのゲーム依存が問題視されている。コロナ以前から言われてきたことだが、政府の緊急事態宣言に加え、ゼロが続いていた山形にも先月末感染者が出て、公立学校再開が5月7日以降になったことで、ほとんど家にいる子どもたちが“何もすることがない”と携帯ゲームに走っている状況が浮き彫りになった。
鶴岡市内の共働き夫婦で中3男子がいる家庭の40代母は「親が留守の間、携帯でゲームばかりをやっている。同級生と実際会うのを控えている分、オンラインゲームでつながっている。寝るのは深夜午前2時ごろ。翌朝遅刻の心配もないし、昼夜逆転してしまった」と嘆いた。「困ったな コロナ巣ごもり ゲーム依存」わが子の状況を自虐的に言う男親もいた。
庄内でも初めて感染者が明らかになった今月5日、県教育委員会の学校再開に向けたチェックリストが出された。9項目に分かれているが“学校をクラスターに絶対させない”ということに満ち、生徒たちが通学先の校庭にさえ近寄れないほどの厳しさがある。こうした状況は放課後デイサービス施設への過度の集中などのしわ寄せも生んでいる。
ゴールデンウイーク明けの学校再開まで何回か登校日が設けられ、学校関係者によると、その日は同級生と会えることで生徒たちもうれしそうにしているというが、学校側は、“3密”を避けることと、校内の換気、ドアノブの消毒など、職員をクラスター回避に集中させている。
ベテランの男性中学教師は「生徒会内でSNSは“1日何時間まで”など約束事をつくっているし、ゲームに関しては生徒たちがあらためて自覚するしかなさそうだ。先生たちも“コロナが出ないよう”だけで手いっぱいの日常だ」と学校の現況を説明する。
スマートフォンの発するブルーライトが長時間では目に悪影響をもたらすことも既に明らかになっている。香川県では県議会で「ゲーム依存防止条例」を決議し、今月1日に施行されたばかり。18歳未満を対象として、ゲームの利用時間を1日60分、休日は90分までとし、スマホは中学生以下が午後9時まで、それ以外は同10時までとする目安を設け、罰則がないものの家庭内でのルールづくりを促している。ゲームを何時間までとするかに議会が首を突っ込むことに賛否両論はあったが、“学校閉鎖”でゲームの時間に歯止めが利かなくなったのは事実だ。