2020年(令和2年) 6月14日(日)付紙面より
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世界で新型コロナウイルス感染症が拡大する中、鶴岡市の出羽三山神社(羽黒町手向)、善寳寺(下川)、荘内神社(馬場町)の三寺社が「つるおか三寺社祈りプロジェクト」を立ち上げた。疫病よけを起源とする「和菓子の日」の16日、三寺社でそれぞれ「アマビエ」のお菓子を供えて疫病鎮静を祈願する「祈りのリレー」を行うほか、同日から三寺社の御朱印をセットにした「三寺社特別御朱印紙」の頒布を受け付け、病魔退散と健康招福の祈りを発信していく。
三寺社は2018年、JRの大型観光キャンペーンに合わせ、寺社参拝と温泉地での精進落としという伝統の旅を今日的に復活させた企画「詣でる つかる 頂きます」で連携。今回はその時の絆をベースに5月初旬、DEGAM鶴岡ツーリズムビューローと連携してプロジェクトを立ち上げ、「コロナ禍の中、求められていることは何か」と寺社の役割を模索してきた。
16日の「和菓子の日」は、平安時代の承和15(848)年、仁明天皇が菓子や餅を供え、疫病よけや健康招福を祈願、嘉祥に改元した故事に基づき、全国和菓子協会が制定した。三寺社ではこれに合わせ同日午前10時から善寳寺、正午から荘内神社、午後2時から出羽三山神社とリレー方式で、それぞれ疫病鎮静を祈願する。善寳寺には遠州屋(本町三丁目)、荘内神社には住吉屋菓子舗(上畑町)、出羽三山神社には木村屋(山王町)と、市内の菓子店3店がそれぞれ、病魔退散の御利益があるといわれる妖怪「アマビエ」をかたどった練り切りを供える。
三寺社の祈りのリレーは、同プロジェクトのインスタグラム公式アカウントでライブ配信するほか、後日、編集したものをYouTubeでも配信する。
一方、三寺社特別御朱印紙は、一般的な御朱印帳の見開き2ページ分(A5判)の紙に、三寺社の御朱印をセットにして押す。各寺社にはこれまでも全国から「今はコロナ禍で参拝に行けないが、終息すれば必ず行く」など励ましの手紙を添えた御朱印の郵送依頼が増えている。そうした現状を踏まえ、「終息したらこの御朱印を持って鶴岡を訪れ、三寺社を巡って」という思いを込めて頒布する。日付は入れず、来訪時に重ね印とともに入れるという。16日から受け付け、2週間以内に順次発送する。善寳寺の僧侶と荘内神社の神職が描いたアマビエのイラストしおりも同封する。頒布価格は送料込みで2000円。
プロジェクト事務局の石原和香子荘内神社権禰宜は「神社と寺が連携した御朱印は恐らく全国初で、この土地ならではのもの。コロナ禍の中、自宅に居ながら詣でてもらい、終息後に鶴岡に来るきっかけづくりや観光振興にもつながれば」としている。
特別御朱印紙は、コロナゼロの語呂合わせで限定5670枚を発行。9月末まで三寺社のホームページから専用フォームで受け付ける。受け渡しはコロナ対応で、地元の人でも郵送のみ。問い合わせはプロジェクト事務局(荘内神社内)=電0235(22)8100=へ。