2020年(令和2年) 9月2日(水)付紙面より
ツイート
庄内産ワイン振興プロジェクト会議(高橋幸司会長)の視察が31日行われた。県庄内総合支庁に事務局を置く同会議が主催したもので、酒田市黒森・楯の川酒造ワイナリー、同じ地区内の日向エステート・ワイナリーと鶴岡市下川の窪畑ファームの3カ所を回った。
そのうちロケーションの良さで注目を集めたのが窪畑ファームだった。15アールのヤマ・ソービニオン種のブドウは実も大きくなって、収穫を待つが、湯野浜温泉街に近く、リゾートマンションが隣接している場所にある。「建設会社の下部組織としてのワイン参入で、試行錯誤の最中です」と山本学農場長は話したが、小関敏彦特別顧問(県酒造組合)は「立地条件がいいですね。温泉の観光と一体化したワインツーリズムは相乗効果が望めるわけだし、大きな可能性がある」と話した。
ただその後のミーティングで特別顧問は注意点も語った。今年4年目を迎える振興会議だが「夢も大きくなるが、行き当たりばったりではダメ。利幅、卸、生き残りを懸けて、しっかりした計算が必要。庄内ではどんな品種が合うのかなど、互いに協力し合い、悩む面を互いに少なくする努力を」と話した。3事業者に加え月山ワイン山ぶどう研究所、エルサンワイナリー松ケ岡の計5カ所の会員同士の共同作業も促していた。
前回の会合では小規模新規参入者のハードルを下げるため、ワイン特区申請の可能性が協議されたが、5事業者は中規模以上のため、先送りされることになった。今後「食の都庄内」ブランド推進協議会の事業として、庄内産ワインのさらなるPRを実施していくことも申し合わされた。
高橋会長(鶴岡高専校長) 今週はエルサンワイナリーの発表会もあるし、今後も5事業者が横の連携を取りながら、庄内産ワインの品質を高めてほしい。もちろん小規模参入者も待っている。いろんな取り組み方があっていいと思う。