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2020年(令和2年) 12月2日(水)付紙面より

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電動アシスト付スポーツ自転車「E―Bike」観光サービス 遊佐駅で貸し出し、来春スタート見込む

 電動アシストが付いたスタイリッシュなスポーツ自転車「E―Bike」を活用した新観光サービス「Rail&E―Bike」の提供が来春、遊佐町でスタートする。JR遊佐駅を起点・終点に有料で貸し出すアシスト付きスポーツ自転車で町内を巡って大自然を満喫するもの。駅到着後の「2次交通」が課題として挙げられる同町の観光振興に向け、大きな期待が寄せられる。

 町の協力を受け、サービスを提供するのはフーデライト庄内(鶴岡市白山、佐藤幸夫社長)。同駅構内で町特産のパプリカなど野菜を彩り豊かにトッピングした「遊佐カレー」を販売している同社は現在、庄内地域を代表する人気ラーメン店の店主が自ら製造する冷凍めん「庄内麺極」の企画・販売など、付加価値の高い商品・サービスを提供する「東北プレミアム&プライドプロジェクト」を展開している。

 コロナ禍を受けた「三密回避の新しいツーリズム―駅から始まる新しい旅のカタチ」をコンセプトにした、今回の観光サービスもプロジェクトの一環。鳥海山や日本海、いたるところにある湧水など大自然を中心に資源は充実しているものの、駅到着後の2次交通の在り方が課題となっている同町の観光振興に向け、自転車の貸し出しをメーンに「2次交通不要の着地型ガイドツーリズムサービス」として企画・運営していく。

 同社の佐藤社長、小林隆会長が26日、鳥海温泉「遊楽里」で発表会を行い、概要や今後の展望などを説明。それによると、用意する「E―Bike」は1台約40万円のマウンテンバイクタイプ。力強いアシストがあるため体力に自信のない人でも長距離・山道走破が可能という。来年2月の「鳥海山・飛島ジオパーク」の再認定を視野に、まずは環鳥海地域を中心に春のサクラ、夏の湧水、秋の紅葉など四季それぞれ、自転車の貸し出しに加え、ガイドや食事が付いた日帰りツアー、テント設営や食事準備といったわずらわしさがない快適な自然体験「グランピング」の1泊2日ツアーなどを造成する。

 子ども用を含め「E―Bike」7台を同駅前に配置。貸し出し料は半日2500円、終日4500円程度。自転車利用が盛んな欧州を中心とした外国人観光客をターゲットとして想定しているが、「コロナ禍で当面の間、外国人観光客は期待できないだろう。まずは日本人観光客から利用してもらいたい」(小林会長)とし、モニターツアーの展開などで全国に向けて発信していくという。

 佐藤社長、小林会長がガイドを務めるが、ゆくゆくは社内で育成したい考え。町企画課の佐藤修観光物産係長は「観光振興のアイデアが詰まったサービス。自転車保管場所の確保など全面的にサポートしたい」と。一足早く先月中旬、「E―Bike」で町内の大自然に触れ、この日の発表会に同席した同社イメージモデルを務める佐藤舞子さん(寒河江市)、庄司紗千さん(山形市)は「自動車に比べ景色がゆっくり流れ、楽しめる。すごく乗りやすく、自転車の楽しさを満喫することができた」と話した。

 同社は来年4月のサービス開始を見込んでおり今後、ツアー造成などを進める方針。

スタイリッシュな「E―Bike」を活用した観光サービスが来春、遊佐町でスタート=26日、遊楽里
スタイリッシュな「E―Bike」を活用した観光サービスが来春、遊佐町でスタート=26日、遊楽里


2020年(令和2年) 12月2日(水)付紙面より

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「松の勧進」ほら貝響き渡る

 師走の風物詩、出羽三山神社の「松の勧進」が1日、鶴岡市街地でも始まった。山伏たちがほら貝の音色とともに市街地を練り歩き、大みそかから元日にかけて羽黒山山頂で行われる大祭「松例祭」(国指定重要無形民俗文化財)に向けて浄財を集めている。

 松の勧進は大みそかを満願とする100日修行に励む2人の「松聖」などの山伏が、家々を回って無病息災や家内安全のお札を配る伝統行事。同神社のお膝元の羽黒町手向地区では先月15日に始まり、年末いっぱいかけて庄内一円を巡る。

 1日は市内の参籠の拠点となる山王日枝神社で祈祷した後、旧庄内藩主酒井家をはじめ、市役所や企業を訪問。今年の松聖「位上(いじょう)」の小林庸高(山伏名・良栄)さん(66)、「先途(せんど)」の芳賀耕作(同・月海)さん(72)の2人が小聖と呼ばれる山伏を従え、ほら貝の音色で城下町に師走の訪れを告げた。

松の勧進のほら貝の音色が師走の訪れを告げた
松の勧進のほら貝の音色が師走の訪れを告げた



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