2020年(令和2年) 12月6日(日)付紙面より
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観光庁の補助事業採択を受け、観光地などで休暇を楽しみながら働くワーケーションを取り込み、コロナ禍に対応した新たな滞在型観光地づくりを探る「ワーケーションリゾート・鶴岡」の実証事業が4日、鶴岡市内で始まった。初日は報道関係者向けの見学会が行われ、体験型観光プランの一つで庄内産長ネギの調理プログラムや、同事業の拠点となるショウナイホテルスイデンテラスでのアート作品展示、整備されているリモートワーク(遠隔勤務)の環境などが紹介された。
実証事業は、同市内の企業や団体で組織した実行委員会(委員長・山中大介ヤマガタデザインリゾート社長)が、「田園とアートの遭遇」をテーマに、20日まで展開する。体験型観光プランは有機野菜の収穫とランチ、湯野浜温泉での日帰り入浴とランチ、羽黒山参拝と精進料理などがあり、ナイトイベントとしてトークショーやヨガ、アートワークショップ、映画上映を設定。庄内の地でくつろぎながら感性を解放し、仕事にも生かしてもらう。
調理プログラムは同市松ケ岡の「ピノ・コッリーナ ファームガーデン&ワイナリー松ケ岡」で行われ、長ネギを使ったスペイン料理「カルソッツ」の内容を公開した。ワイン醸造用ブドウの剪定(せんてい)枝を燃やして長ネギを焼き、パプリカや松の実で作った特製のソースで楽しむもので、ブドウのほのかな香りとネギの甘さが特長。
スイデンテラスでは、現代アート作家の鬼頭健吾さん(群馬県)による約600本のフラフープを使った空間作品、夫婦ユニット「米谷健+ジュリア」(京都府)のオルゴールと妖精、チョウの羽を組み合わせた作品が展示された。
実行委によると、一連の実証事業には3日現在で県外や地元の延べ約200人から予約申し込みがあり、観光体験プログラムやナイトイベントなどへの参加は、専用サイトで引き続き受け付けている。実証期間に参加者へアンケート調査を行うなどして事業内容を検証。鶴岡でのワーケーションに必要な要素などを探り、今後に生かしていく。
山中委員長は「鶴岡には既に、ワーケーションとみられる人が訪れ、ツイッターでも発信されている。ワーケーションは、地方都市が新たな関係人口をつくる選択肢の一つでもあり、受け入れに適している鶴岡・庄内をその「聖地」にしていきたい」、実行委メンバーの稲岡研士ANA総合研究所副社長は「鶴岡の美しい田園風景は、それだけで都会に住む人にとって大きな魅力であり、リフレッシュしながら仕事ができるワーケーションの舞台になる」と話した。
2020年(令和2年) 12月6日(日)付紙面より
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オープンに先駆けて鶴岡市田麦俣の湯殿山スキー場で5日、安全祈願祭が行われた。今年は今のところ暖冬傾向にあり、参加者は無事にオープン日を迎えられることを願い、今シーズンの無事故を祈願した。
この日は来賓や施設関係者などおよそ60人が参列し、安全祈願祭を執り行った。神事では鶴岡市の山口朗副市長らが玉串をささげ、青空に映えた真っ白なゲレンデに向かって今シーズンの無事故を祈願した。
県内外から多くの客が訪れる湯殿山スキー場では、新型コロナ感染症対策として、チケット売り場などの窓口では来場者に対して検温を行い、施設屋内の各場所にはアルコール消毒液、飲食スペースには飛沫(ひまつ)防止のアクリル板を設置。混雑が予想されるリフト乗り場では、客同士が間隔をあけて並ぶようにスタッフが誘導するなどして対策を講じていくという。
支配人の小野寺学あさひむら観光協会事務局長は「感染症対策は万全にしているので、ぜひ安心してお越しいただきたい。スノーパークも充実しているので、あとは雪が降ってくれることを待つばかり」と話していた。
同スキー場は5日時点で滑走可能となる積雪量には達しておらず、滑走可能となった場合は随時、公式ホームページやSNSを通じて知らせるという。