2020年(令和2年) 4月19日(日)付紙面より
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新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に、県域を越えて県内に移動する人たちを対象にした検温が今月25日から実施されるのを前に、酒田市の庄内空港で18日、周知を図るための啓発活動がスタートした。
啓発活動と検温の実施は、今月末からの大型連休中における感染拡大防止対策の一環として16日に県庁で開かれた県の新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部第8回本部員会議で公表した。対象は高速道が山形自動車道山形蔵王パーキングエリア、鉄道がJR山形、米沢両駅、空港が山形、庄内両空港。いずれも「試行期間」と「本格実施」があり、本格実施は25日―5月10日。
需要減退のため庄内空港の18日の運航は、羽田発庄内行き全日空395便と折り返しの398便1往復のみ。午前11時55分に到着した395便の搭乗者に対し、県庄内空港事務所職員は▽県外との往来を控えて▽不急不要の外出はできる限り控えて▽小まめな手洗いを―などと書かれたチラシを配布し、「協力をお願いします」と呼び掛けた。
本社のある佐賀県での研修を終え空路、地元に戻ってきた会社員男性(19)は「飛行機の中は密室なのでちょっと心配した。仕事以外の外出は控えたい」と話し、空港備え付けの非接触型体温計で自らの体温を確認していた。
同空港の試行期間は24日まで。25日からは到着ロビーにサーモカメラを設置し本格実施に移行する。同事務所の佐藤孝喜所長は「搭乗者全員からチラシを受け取ってもらい、まずは関心を持っていただいたと思う。一連の取り組みを通して感染拡大防止を図っていきたい」と話した。
2020年(令和2年) 4月19日(日)付紙面より
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児童・生徒が学校に行けない状況の中、家庭内に引きこもってのゲーム依存が問題視されている。コロナ以前から言われてきたことだが、政府の緊急事態宣言に加え、ゼロが続いていた山形にも先月末感染者が出て、公立学校再開が5月7日以降になったことで、ほとんど家にいる子どもたちが“何もすることがない”と携帯ゲームに走っている状況が浮き彫りになった。
鶴岡市内の共働き夫婦で中3男子がいる家庭の40代母は「親が留守の間、携帯でゲームばかりをやっている。同級生と実際会うのを控えている分、オンラインゲームでつながっている。寝るのは深夜午前2時ごろ。翌朝遅刻の心配もないし、昼夜逆転してしまった」と嘆いた。「困ったな コロナ巣ごもり ゲーム依存」わが子の状況を自虐的に言う男親もいた。
庄内でも初めて感染者が明らかになった今月5日、県教育委員会の学校再開に向けたチェックリストが出された。9項目に分かれているが“学校をクラスターに絶対させない”ということに満ち、生徒たちが通学先の校庭にさえ近寄れないほどの厳しさがある。こうした状況は放課後デイサービス施設への過度の集中などのしわ寄せも生んでいる。
ゴールデンウイーク明けの学校再開まで何回か登校日が設けられ、学校関係者によると、その日は同級生と会えることで生徒たちもうれしそうにしているというが、学校側は、“3密”を避けることと、校内の換気、ドアノブの消毒など、職員をクラスター回避に集中させている。
ベテランの男性中学教師は「生徒会内でSNSは“1日何時間まで”など約束事をつくっているし、ゲームに関しては生徒たちがあらためて自覚するしかなさそうだ。先生たちも“コロナが出ないよう”だけで手いっぱいの日常だ」と学校の現況を説明する。
スマートフォンの発するブルーライトが長時間では目に悪影響をもたらすことも既に明らかになっている。香川県では県議会で「ゲーム依存防止条例」を決議し、今月1日に施行されたばかり。18歳未満を対象として、ゲームの利用時間を1日60分、休日は90分までとし、スマホは中学生以下が午後9時まで、それ以外は同10時までとする目安を設け、罰則がないものの家庭内でのルールづくりを促している。ゲームを何時間までとするかに議会が首を突っ込むことに賛否両論はあったが、“学校閉鎖”でゲームの時間に歯止めが利かなくなったのは事実だ。