2020年(令和2年) 4月4日(土)付紙面より
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鶴岡市は3日、鶴岡公園の桜(ソメイヨシノ)の開花を宣言した。市公園緑地係の職員が同日午前11時、同公園北広場にある基準木で数輪咲いているのを確認した。昨年より7日、1977(昭和52)年からの平均開花日より9日それぞれ早い開花となった。公園内に174本設置した花見ぼんぼりは3日夜から点灯。同係の担当者は「今後の天候にもよるが、1週間ほどで満開となり、来週末ごろには見頃となりそうだ」と話している。
「日本さくら名所100選」に選ばれている鶴岡公園には、ソメイヨシノを中心に約730本の桜があり、毎年県内外から大勢の花見客が訪れている。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止で、同公園への露天商による出店を中止。一方で市は、市内などで感染者が確認されない場合、花見や宴会の自粛要請は行わない。同公園で実施している「鶴岡桜まつり」を一部縮小して開催する。
3日午前は青空が広がる陽気となり、公園内を散歩する家族連れも多く、幼児と母親が「さくら、さくら」と歌を口ずさんでいた。夫婦で散策していた同市淀川町の佐々木敏明さん(65)は「天気も良く、そろそろ開花するかなと思って来てみたら、ちょうど開花宣言。市民として鶴岡公園の桜が開花すると、気分が明るくなる」と話した。
2020年(令和2年) 4月4日(土)付紙面より
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鶴岡市立藤沢周平記念館の開館10周年特別企画展「『橋ものがたり』の世界」が3日始まった。江戸の橋を舞台にした市井物10編で、昭和51―52(1976―77)年に集中的に市井小説を書き、自らのスタイルを確立できたと言われている。今回の展示の目玉は大型“ストーリーマップ”。記念館のホールに3・5メートル四方で大きな地図を置き、来館者が踏みしめながら作品の舞台を実感できる。
企画展の一番乗りは茨城県常総市から訪れた篠崎憲二さん、ミツ子さん夫妻。憲二さんは元社会科教師で藤沢作品を全て読んでいるファン。企画展示を興味深く見る一方で、常設展示で驚きの発見が。小説「白き瓶(かめ)」の主人公で歌人・長塚節(たかし)を調べるため、節の故郷(旧石下町(いしげまち)、現常総市)を訪れた際、憲二さんの母の実家だった旅館に滞在したことを、周平の残した取材メモを通じて知った。「びっくりしました。充実した記念館で思い出深い旅行になりました」と話した。
実は前日、井上ひさし記念館の「遅筆堂文庫」(川西町)を訪ねたが、置賜地方は米沢市でコロナウイルス感染者が出たため、急きょ閉館。こちらも閉館していないかと心配しながら来鶴したという。
特別展示は9月29日まで約半年間行われる。オリジナルグッズとしては「一筆箋(せん)」が新たに登場。挿画は藤沢作品でおなじみのイラストレーター蓬田やすひろさんが特別に描き下ろしたもので「蝉しぐれ」「橋ものがたり」の2種類が用意され、各550円。また企画展をより理解してもらうための展示解説会が18日午前10時半・午後2時の2回行われる。
同記念館は午前9時?午後4時半、水曜日休館。入館料大人320円、高校生・大学生200円、中学生以下無料。問い合わせは同記念館=電0235(29)1880=へ。