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2020年(令和2年) 4月5日(日)付紙面より

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山口さんアマゾン展開幕 収集2万点の中から貴重な200点披露

 鶴岡市在住で文化人類学研究者の山口吉彦さん(78)が、ブラジル・アマゾンの先住民らと交流しながら収集した資料の展覧会が3日、同市の致道博物館で開幕した。

 初日から山口さん本人が観覧者を出迎え「自然と共生した彼らの生き方を感じてほしい」と解説するなどにぎわった。 

 「Sonhos de Amazonia(ソーニョス・ジ・アマゾニア=アマゾンの夢)―ともに生きる森」と題され、これまで収集した2万点の中から貴重な約200点が展示された。

 資料を管理運営する一般社団法人アマゾン資料館の代表理事を務める長男・考彦(なすひこ)さん(43)が案内したのは鳥の羽根の装飾品。「アマゾンの人たちにとって、鳥は天と自分たちを結ぶ存在。自由に羽ばたくものとして尊重されていました」といい、帽子などを陳列ケースに入れず、会場の中につり下げて展示することで、生の雰囲気をより表したかったという。また仮面や装束、装飾品、動物の剥製、昆虫の標本など貴重な資料が展示されている。

 会期は5月13日(水)まで。

楽器体験イベントやギャラリーツアーも

 期間中は楽器を体験するワークショップ=5月2日(土)、小学生以上、要予約=、山口さん親子が展示品を紹介するギャラリーツアー=5月3(日)―6日(水)=などのイベントが企画されている。

鳥は自由に羽ばたく存在として尊重されたと語る考彦さん
鳥は自由に羽ばたく存在として尊重されたと語る考彦さん


2020年(令和2年) 4月5日(日)付紙面より

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山里の春「人形見 来たー」 鶴岡・大網地区の桃の節句風習

 鶴岡市の大網地区では旧暦に合わせて3日、桃の節句を迎えた。おひなさまにちなんだ展示や子ども行事も行われ、山里に春の訪れを告げている。

 大網地区地域交流センター「よれっちゃ」では、同地区の各家庭でひな人形とともに飾られていた木版画「絵紙(えがみ)」を展示する「大網絵紙の世界」が開かれている。

 近年の住宅環境の変化や高齢化によって飾ることができなくなった家庭が増えたことを受け、地元有志が展示を企画。収集した絵紙は江戸―明治時代のものとみられ、およそ半紙サイズの和紙に歌舞伎の役者絵や戦争絵などが描かれている。絵紙は不明な部分が多いが、古くから住む地元住民によると、お伊勢参りの際に買い付けたものや薬売りから買ったものとみられる。

 時間は午前9時から午後5時まで、会期中無休。会期は10日(金)まで延長する。

 3日、同地区では子ども行事「人形見(にんぎょうみ)」が行われた。起源は定かでないが大網地区に古くから伝わる風習で、子どもたちがひな人形や絵紙などを飾る家を1軒ずつ訪問し、家人に振る舞われるお菓子や飲み物などをもらって回るもの。以前は同地区で広く行われていたが、他地区へ引っ越す家庭や少子化の現状を受け、現在は一部で子ども会が主体となって実施している。

 午後になるとお菓子を入れるための袋を持った小学生の男女6人が集まり、約1時間半かけて10軒余りを訪問。玄関先で「人形見、来たー!」と大きな声を上げ、「どうぞ」「待ってたよ」の声に招かれて中へと入って行った。子どもたちはひな壇の前に正座をしてひな人形を眺め、各家庭が用意した袋菓子やジュースなどを袋に詰め込み足早に次の家へと向かって行った。

 今野志げさん(77)方では、先祖が趣味で買い集めたという美人画などの絵紙とひな人形を彼岸明けから飾り付けた。今野さんは「毎年この時期を楽しみに待ち構えている。子どもたちのにぎやかな声も聞こえ、子どもたちに来てもらうとやっぱりうれしいものだ」と目を細め、子どもたちの姿を見守っていた。

色鮮やかな絵紙約190枚がずらりと並ぶ
色鮮やかな絵紙約190枚がずらりと並ぶ

ひな壇の前に正座して人形を眺める子どもたち
ひな壇の前に正座して人形を眺める子どもたち



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