2021年(令和3年) 1月31日(日)付紙面より
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鶴岡市羽黒町手向の国宝羽黒山五重塔で30日、出羽三山神社職員による雪下ろし作業が行われた。雪が降り積もった杉の木に囲まれ、静寂に包まれる中、屋根から落ちる雪の重たい音が辺り一面に響き渡った。
五重塔を管理する同神社では、杉の板を重ね上げたこけら葺(ぶ)きの屋根を積雪から保護する目的で、積雪のなかった年を除き例年この時期に雪下ろしをしている。昨年は積雪がなく実施しなかったが、今年は今月初旬の大雪などの影響を受け、屋根に降り積もった雪は最大で約1・2メートル。過去には1・6―7メートルに達した年もあったという。
この日は雪で時折視界が悪くなる中、午前9時前から職員5人で作業開始。今回は地上25メートルほどの最上階は危険と判断され、一つ下の階から順に雪を落としていった。ヘルメットや命綱を着けた職員はスノーダンプなどを使い、雪下ろしの際に屋根が傷まないようわずかに雪を残しながら手際よく作業していた。
同神社の森林技師の鈴木栄作さん(66)は「出羽三山神社は市街地にある神社と違って雪の多い場所にあり、建物の数も多いので雪下ろしする頻度が高い。手に負えず外部発注する年もあるが、職員でやりくりしています」と話していた。作業は半日ほど続けられた。