2021年(令和3年) 5月15日(土)付紙面より
ツイート
今年2月に日本ジオパーク委員会(JGC)の再認定を受けた「鳥海山・飛島ジオパーク」について学びを深めるオンライン授業が14日、遊佐町の遊佐、高瀬両小学校で行われ、秋田大教育文化学部の林信太郎教授(火山地質学など)の指導で、両校の6年生が身近にあるものを活用した溶岩流の再現実験などに取り組んだ。
ジオパークは、地球の活動がよく分かる地質や景観が大切に守られ、教育や持続可能な開発に活用されている地域。日本ジオパークは現在、43地域が認定されている。
4年ごとに再認定審査があり、2016年に県内で初めて加盟認定された鳥海山・飛島ジオパークは昨年10月、JGCの調査員が訪れてジオパークの見どころ「ジオサイト」を視察するとともに、関係者から聞き取り調査を実施。教育活動や認定品制度の創出などの事業が高く評価され、再認定された。
再認定を受け酒田市、遊佐町、秋田県にかほ市、由利本荘市の4市町で構成する鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会(会長・市川雄次にかほ市長)は早速、4年後の再々認定、世界ジオパーク入りを目指し活動を活発化。この授業はジオパーク普及活動の一環として、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から林教授と両校をそれぞれオンラインで結び実施した。
このうち遊佐小では6年生35人が参加した。林教授は「鳥海山の成り立ち」と題して画面越しに講話。「マグマは地下にあるもの。溶岩は地面に出てきたもの」とマグマと溶岩の違いについて解説し、「溶岩のうちガサガサした箇所は水が通りやすい。鳥海山は溶岩だらけの山。遊佐の湧水がおいしいのは鳥海山のおかげ」と述べた。
溶岩流の実験では、林教授が練乳を溶岩、ココアパウダーを溶岩を覆う岩石に見立てて流れ出る様子を紙皿の上で再現。児童たちも取り組み、「流れるよ」と声を上げていた。実験終了後には質問コーナーが設けられ、児童たちは積極的に林教授に問い掛け、鳥海山への理解を深めていた。