2021年(令和3年) 6月4日(金)付紙面より
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新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた鶴岡市経済対策会議の第3回会合が2日、同市の庄内産業振興センターで開かれ、市内の経済団体の関係者らが、市が3、4月に実施した「ペイペイキャンペーン」をはじめ各種支援施策やその効果などについて情報交換した。
市が関係者と情報共有し、市の施策に生かそうと、昨年8月、今年2月に続いて開催。鶴岡商工会議所の加藤捷男会頭、出羽商工会の上野隆一会長、皆川治市長をはじめ、市金融協会、連合山形、鶴岡公共職業安定所の関係者と、オブザーバーの高橋正美県庄内総合支庁長ら、事務局を含め約20人が参加した。
市の報告では、今年4―5月に市内の飲食店を対象に実施したアンケート調査(送付704店、回答258店、回答率36・56%)によると、2019年と20年の事業収益を比較すると、「50%以上減」が29・90%、「20―50%減」が52・57%と20%以上減った店が8割以上に上るなど、厳しい状況が続いていることが示された。
また、ペイペイキャンペーン(キャッシュレス促進・消費喚起事業)は、独自の携帯アプリを使って市内の加盟店で買い物をすると、消費金額の20%相当をポイント還元するもの。市によると、還元分に充てる市の予算は当初の1億5400万円から約2倍の2億9000万円、経済効果は当初の7億5000万円から約2・4倍の18億2000万円となり、最終的な加盟店は1186店に上った。
市がアンケートで、同キャンペーンの消費促進への効果の有無を尋ねたところ、加盟店、利用者とも約9割が「効果があった」、今後もキャッシュレス決済を推進すべきかについては、加盟店の約6割、利用者の約7割が「推進すべき」と回答。一方で「高齢者やスマホを所持していない人に不公平」「現金収入の減少」などの指摘もあり、市は「キャッシュレス決済の普及にはさらなる課題解決が必要」との認識を示した。
この日は出席者から「各種支援制度の申請方法が分かりにくいものが多く、もっと手続きを簡略に」「宿泊や飲食業などは依然として厳しく、融資よりもっと助成を」「ペイペイキャンペーンの第2弾を」「一般のワクチン接種は産業医を活用し、職場でもできるように」などの意見が出ていた。
ペイペイについて市の佐藤正胤商工観光部長は「財源を伴うので、慎重に検討している。国の新たな交付金があれば可能かもしれないが…」と回答。現段階では「(市の貯金に当たる)基金を取り崩してまでやるべきものではない」との認識だ。また、65歳以上終了後の一般へのワクチン接種について皆川市長は「医師会と断続的に協議しており、職域や学校、大学を使った接種など、いろいろ検討したい」とした。