2021年(令和3年) 11月12日(金)付紙面より
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鶴岡市大山の都沢湿地のアメリカザリガニを使った「ざりっ粉ラーメン」の試食会が10日、同市伊勢原町のラーメンダイニング「晴天の風」(加賀山欣也代表)で開かれた。市内の参加者から「誰でも食べやすく、おいしい」と好評で、16日から同店の限定メニューとして一般提供を始める。
都沢湿地の保全活動の一環で外来生物の駆除に取り組んでいる市自然学習交流館ほとりあ(富樫均館長)が企画した。
同館は2014年から、駆除したウシガエルやアメリカザリガニを市内の飲食店で料理として提供する事業を行っている。ざりっ粉はその一環で、ザリガニを粉末化したもの。「地元食材を使ったラーメンで環境保全に協力したい」という加賀山代表の思いから、昨年よりざりっ粉ラーメンの提供を始めた。
昨年と同じく、豚骨風にまろやかに仕上げた塩ラーメン。ざりっ粉は丼でスープと絡めてエビのような風味を出し、見栄えのあるザリガニの素揚げを添えた。値段は850円。そのうち50円が環境保全金としてほとりあへ募金される。
この日は、富樫館長や庄内自然博物園構想推進協議会の櫻井修治会長、駆除活動に協力している市内の大学生など16人が参加。ほとりあの上山剛司副館長が、アメリカザリガニが持ち込まれた背景や湿地での駆除状況について話した後、試食会が行われた。参加者からは「優しい味で食べやすい」と好評で、「素揚げを客の希望で増やせるようにしてほしい」「ざりっ粉を自由に追加できれば」などの意見も飛び交った。
山形大農学部3年の渡邉隆寛さん(21)は「自分でざりっ粉を使った料理を作ったことがあるが難しい。このラーメンは臭みがなくとてもおいしかった」、加賀山代表は「コロナ禍で貴重な意見を直接聞けたし、にぎやかな雰囲気で活気があって楽しかった。誰でも食べやすいラーメンを目指したので、ぜひ食べてみてください」と話した。