2021年(令和3年) 11月17日(水)付紙面より
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鶴岡商工会議所青年部(金野隆行会長、会員55人)の「ポストコロナ時代に挑戦する鶴岡元気企業育成セミナー」が15日、鶴岡市のグランドエル・サンで開かれ、地元内外の企業経営者らが専門家の講演を通じ、「ポストコロナ」を見据えたマーケティングやブランディング、広告などの在り方を学んだ。
日本商工会議所の助成を受けた経営強化育成事業として、女性部(齋藤浩子会長)と共催。オンラインの約70人を含め、県内外の延べ約200人が参加した。
講演は、いろは(千葉県)の竹内謙礼代表取締役が「広告」、フリーパレット(東京都)主宰の藤村正宏さんが「マーケティング」、イワサキ経営(静岡県)の吉川正明代表取締役が「ブランディング」、川村中小企業診断士事務所(東京都)の川村浩司代表が「財務」、野村総合研究所(東京都)システムコンサルティング事業本部の阿部秀晴さんが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」をそれぞれ主要なテーマに行った。
このうち竹内さんは「逆境を活かす店 消える店」と題してオンラインで講演。来年の日本経済の見通しについては「コロナ支援をいきなり切ることはないが、デルタ株の流行などで3月末までは不安定。しかし、行けそうだったら、採用などアクセルをすぐ踏める準備をしておいて」とした。
消費トレンドとしては▽費用対効果から時間対効果(お金より時間優先)▽SDGs・サステナブル重視▽両利きの経営(深掘りと探索の双方を見据える)などを挙げ、販促については「今はネットよりも折り込みなどの方が効果が高いというデータもある。特に地域密着型ならチラシやポスティングなど紙媒体によるアナログの活用を」とした。
具体的な消費トレンドとして「男性メイク」「無人店」「冷凍食品」「ホテルの女性専用フロア」「プロポーズ需要」など、人材確保については「副業の活用」「辞めさせない工夫」などを指摘。広告については、ウェブサイトの閲覧情報を保存しマーケティング解析にも使われる「クッキー」が2023年で廃止されることを挙げ、「ネット広告は分岐点に来ている。SEO(検索エンジン最適化)で上位に入るのはより難しくなっていくので、ネット広告からでなく、リアル広告から集客するのが効果的」と、チラシや各地域で普及しているSNSを活用した地道な宣伝の重要性を訴えた。