2022年(令和4年) 1月6日(木)付紙面より
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人の流れ回復することに期待
地元経済を回す仕組みづくりを
◇鶴 岡
鶴岡市賀詞交換会が4日、同市の東京第一ホテル鶴岡で開かれた。昨年は新型コロナの影響でオンライン開催し、参集での開催は2年ぶり。市内の企業を中心に福祉やまちづくりの団体代表ら約200人がコロナ禍に負けず地域の発展を進めていく決意を新たにした。
市の主催で、コロナ前は約500人が参加していた。今回は、一般参加は人数を限定して先着順で受け付け、従来の鏡開きや乾杯、立食パーティーは取りやめた。
国歌と市民歌の斉唱、市民憲章唱和に続き、新年のあいさつに立った皆川治市長は、引き続きコロナの感染対策と経済対策を両輪として進めることや、旧庄内藩酒井家の庄内入部400年記念事業など各種施策を示した上、「3つの日本遺産や豊かな自然、食文化に恵まれた創造と伝統のまちである本市には誰一人取り残さないSDGs未来都市をリードする役割が求められている。みんなが暮らしやすい城下のまちづくりを推進していく」とした。一方、冒頭には自身の政治資金100万円の受領に絡む問題について「法令に対する理解、認識の甘さにより皆さまの信頼を損なうことになり、おわびを申し上げる」と陳謝した。
加藤鮎子国土交通大臣政務官、芳賀道也参院議員、菅原一浩市議会議長、加藤捷男鶴岡商工会議所会頭、上野隆一出羽商工会長があいさつ。その後、参加者同士がお茶を飲みながら懇談、賀詞を交わした。
今年の展望に関する本紙の取材に対し、庄内交通の村紀明社長は「年末にかけて人出がやや増え、コロナ前の7、8割に戻ってきた。今年は、ワクチンや内服薬などでコロナがインフルエンザ並みになり、人の流れが回復することに期待」、山本組の山本斉社長は「一部資材の値上がりなどはあるが、コロナの影響はそれほどない。今年は大きく飛躍する年にしたい。そのため地元経済を回す仕組みづくりをより積極的に進めてほしい」、加茂水族館の奥泉和也館長は「入館者数は依然として低水準で推移。ただ、コロナで心まで暗くなる風潮は良くない。子どもたちがさまざまな体験をできる環境がいち早く戻ることを願っている」と話した。
新たな酒田の始まりの年 官民一体で
新しい生活様式が定着する一年
◇酒 田
酒田市と酒田商工会議所主催の新年賀詞交換会が4日、同市の酒田産業会館まちなかホールで行われ、地元の経済人らが新年を祝い、市勢発展への決意を新たにした。
新型コロナウイルス感染拡大のため昨年は中止となり、2年ぶりの開催。約300人が出席した。国歌清聴に続き丸山至市長、弦巻伸会頭が年頭あいさつを述べた。このうち弦巻会頭は「新しい産業会館建設には多くの皆さんから力添えを頂いた。今月中旬には満室となり、8団体約150人が働く会館となる」と述べた上で、「昨年はコロナ禍の影響が全ての業種に影を落とした。経済活動の回復にはまだ時間がかかりそうだが、国や県、市などの支援施策と連携を取って情報提供、各種支援を進めていきたい」と話した。
そして「明るい話題としては海と空の港。海では脱炭素社会実現に向けた酒田港の基地港湾指定を目指す運動の強化が進み、ビッグプロジェクト実現の期待が膨らむ。空では全日本空輸(ANA)が地域創生事業を展開中で、今後の活躍を期待したい。昔から言われてきたことだが、港が元気な時は酒田は元気。庄内地域が大きく発展する始まりの年になれば」と続けた。
今年の展望に関する本紙の取材に仮設機材工業の西村修社長は「新たな酒田の始まりの年。山居倉庫周辺エリア、酒田港で新たな施設の建設や計画が進み、旧マリーン5清水屋を含む中心市街地の活性化など、官民が一体となって着実に推進することが大事。何一つ手を抜けない。酒田の真価が問われる一年になりそうだ」。市内に移住したANAの客室乗務員「庄内ブルーアンバサダー」の2人と共に出席したANA庄内支店の前田誠支店長は「昨年は庄内空港開港、ANA就航30周年の節目を迎えることができた。地元の皆さんに支えてもらった結果で、心から感謝。この先30年の飛躍の礎として客室乗務員5人が酒田に移住した。地域と共に活動していきたい」と話した。
ブルーの齋藤健太郎社長は「新しい生活様式が定着する重要な一年。新型コロナ無利子融資の返済が始まる。業績が回復していないうちに始まるので淘汰(とうた)される企業も出てくるのでは」と話し、「コロナ禍でかなり疲弊した芸術文化活動の再興に向け、支えていきたい」と語った。