2022年(令和4年) 1月13日(木)付紙面より
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鶴岡市を中心に観光・送迎の貸し切りバス事業を行う「いでは観光バス」(同市高坂、佐々木眞里代表)は、新型コロナウイルスの感染リスクを抑える低濃度オゾン発生装置を全車両に完備した。
塩素の約6倍の除菌力を持つオゾンガスは、新型コロナウイルスのタンパク質を分解し、ウイルスを不活化するとされている。人体に影響がない低濃度オゾンでも効果が確認されている。
同社は市内の小・中学校や高校の地域行事、部活動の遠征、修学旅行などの送迎を中心に事業を展開。2020年に初めて庄内地域で新型コロナの感染が確認されると、利用数はコロナ禍前と比べて9割ほど減少した。昨年は感染状況が落ち着き回復の兆しが見えたが、今月に約3カ月ぶりに庄内で感染を確認。予約の中止が相次ぎ、現在はスクールバスの運行に留まっている。
今回、生徒の保護者などから車内の密を懸念する声が上がったことから、バス専用低濃度オゾン発生装置「SK―10BUS」を設置した。環境基準(0・05ppm)以下の低濃度オゾンをエアコンの吸入口から各客席へ送り、換気をしながら車内の雑菌やウイルスを除去。ウイルスを死滅させることはできないが、「感染しにくい環境」をつくり上げる。大型4台、中型1台、マイクロバス2台の全車両に設置した。
佐々木代表は「利用者の皆さんに少しでも安心してもらえるよう設置した。そのほかにも、ドライバーの体調管理や座席の除菌など感染予防を徹底している。オミクロン株が流行し、先が見えない状況だが、落ち着いた時にぜひ利用してもらえたら」と話している。