2022年(令和4年) 3月1日(火)付紙面より
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酒田市の酒田南高校(齋藤法明校長)のグローバル専攻1期生による卒業論文発表会が26日、同校南千日町キャンパスで行われ、女子生徒9人が3カ年の学びの成果を披露。会場の1、2年生や自他校の教諭らから大きな拍手を受けた。
教育者・言語学者として名をはせる横瀬和治さんを教育アドバイザーとして迎え、「新しい学びのカタチの追求」を目標に掲げ同校開校の翌年となる2019年4月に開設したのがグローバル専攻。同専攻独自の教科横断型学習「全員セッション」で、1期生は年間を通し「水」「言語」「貨幣」をテーマに文献を読み、映像を鑑賞し、多くの議論を交わしながら自らの研究課題に対する理解を深めてきた。
この日は全員セッションで理解を深めた学びを生かし、9人が▽Does language shapes how we think?▽こどもの発達に影響を及ぼすのは親だけなのか?▽価格は何を表しているのか?▽価値はどのように生まれ、人々に受け入れられるのか?―といった9テーマで発表した。
このうち「お金はどのようにして生まれたか?」と題して貨幣の起源に迫った生徒は、経済学者が主張する「物々交換説」、文化人類学者による「負債説」とは別に、7万―3万年前のホモ・サピエンスの「認知革命」を踏まえた上で、人類が持っている想像したことを伝える力「虚構」が関係すると持論を展開。「交換の手段として使うことができ、価値を図るための単位であり、価値を保存しているという虚構自体がお金。その虚構を閉じ込めているのが紙幣や硬貨という素材」とまとめた。
会場に集まった生徒・教員らは1期生の学びに関心しながら聴き入っていた。