2022年(令和4年) 3月24日(木)付紙面より
ツイート
酒田東高校(大山慎一校長)理数探究科と鶴岡南高校(坂尾聡校長)理数科の2年生による合同セミナーが22日、鶴岡市のグランドエル・サンで開かれ、両校の生徒たちが1年間の探究学習の成果を発表し合った。
文部科学省が指定するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の一環。学校交流や理数分野への関心を高めることを目的に昨年から始めた。新型コロナウイルスの影響で茨城県つくば市での研修に代わり、地元の企業研修や普段の研究を発表し合うセミナーを行っている。18日には両校の生徒が海洋、農業、工業、バイオの4グループに分かれ、地元企業を見学した。
この日は酒田東高から48人、鶴岡南高から40人が参加。発表会に先立ち、JAXA宇宙教育センターの野村健太さんがオンラインで「宇宙飛行士になるための力」と題して講演した。
その後、両校の計40グループが▽AIを使った天気予想▽生花とドライフラワーの成分の違い▽接地の意識による足の速さの変化―などの研究成果をポスターで発表し合った。
このうち、鶴岡市街地で天の川を見られるスポットについて研究したグループは、各観測地点の光害を調査。事業所数と空の暗さに相関関係があることが分かり「事業所から漏れ出る光を抑えたり終業時間を早めることで光害を抑えることができるのでは」とまとめた。生徒たちはメモを取りながら他校の発表に熱心に耳を傾け、積極的に質問。互いに学びを共有する様子が見られた。
酒田東高の青木淑乃さん(16)は「日常の中で感じたことをテーマにした着眼点がすごいと感じた」、鶴岡南高の佐藤壮真さん(17)は「普段の勉強でも参考になる研究があった。自分たちとは違った視点で研究していて、貴重な体験だった」と相手校の研究を評価した。