2022年(令和4年) 4月23日(土)付紙面より
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庄内地域の医療・福祉など計11法人が参画する地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」(代表理事、栗谷義樹県・酒田市病院機構代表理事)は21日、兵庫県但馬地域で医療・介護の連携を目指しているNPO法人「但馬を結んで育つ会」(兵庫県豊岡市、千葉義幸代表理事)と連携協定を締結した。同ネットが県外法人と協定を結ぶのは初めて。双方が持つ情報やノウハウを共有し、それぞれの地域で医療・福祉の充実を図っていく。
地域医療連携推進法人は、地域の医療法人などが独立した運営を維持しながら連携を強め、機能分担や業務の連携によって効率的で質の高い医療の提供を目指すもの。人口減少や医療人材確保の困難さが深刻化する状況を踏まえ、2015年9月の医療法改正に基づき、17年4月に制度がスタートした。
同ネットは、酒田市の日本海総合病院を運営する県・酒田市病院機構を中心に医療・福祉・介護9法人によって18年2月に設立、同4月に県知事の認定を受けスタートした。その後、2法人が加わり現在、11法人が参画。▽人事交流・派遣体制の整備、職員の共同研修▽電子カルテなどの共有▽地域包括ケアシステムの構築▽薬品や診療材料、委託業務などの共同交渉▽高額医療機器の共同利用▽病床調整―といった連携事業に取り組んでいる。
医師会、歯科医師会、薬剤師会の「3師会」がそろったのも、精神科専門病院が入ったのも全国で初めて。少子高齢化や過疎化が進む地方における医療介護提供体制のモデルとして高く評価され、昨年3月には古川医療福祉設備振興財団から顕彰された。
一方、但馬を結んで育つ会は20年に結成。「この地で これからもずっと暮らしていくために いま 医療・福祉に必要なことを。」をテーマに掲げ、医療・福祉など関係機関が連携し、包括的・継続的な提供体制の構築を目指している。
庄内、但馬両地域とも高齢化率が3割を超え、人口増減率もマイナス続き。共通の課題も多い中、千葉代表理事が地域医療連携推進法人の先進事例として同ネットの栗谷代表理事に注目し、19年に開催された育つ会主催シンポジウムでの講演を依頼。快諾して以降、交流を深めており、昨年11月に育つ会メンバーが来庄、日本海総合病院などを視察し見識を深めた。
協定書では、地域の医療・福祉に係る情報、地域のまちづくりに係る情報を共有・発信し、それぞれの地域でより良い医療・福祉の提供を図る。締結式は酒田市役所で行われ、栗谷理事長、千葉代表理事が協定書に署名した。栗谷代表理事は「新たな展開が出てきそうな予感。育つ会の皆さんからは、自分たちで地域を変えていくという熱意を感じる。庄内地域はこの熱意が少し不足している。今回の連携締結は良い刺激になる」、千葉代表理事は「但馬の医療・福祉体制はいまだ昭和、平成の状況。同ネットの取り組みはわれわれの目標であり、手本。教えを乞い、但馬の人の生活を守っていきたい」とそれぞれ話した。
2022年(令和4年) 4月23日(土)付紙面より
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鳥海山の中腹を通り遊佐町と秋田県にかほ市を結ぶ山岳観光道路「鳥海ブルーライン」(延長約35キロ)で、大型連休前の開通に向け除雪作業が急ピッチで進められている。21日現在、秋田県境まで約800メートルの地点まで終わっており、あと3日間ほどで除雪は完了する見込み。その後、ガードロープの設置など交通安全対策を施し、28日午前10時の一般開放に備える。
県から作業委託を受けた丸高(本社・酒田市)によると、今冬は積雪が多いため例年より3日ほど早い3月28日に、ロータリー車、ブルドーザーなど重機5台を使って除雪開始。好天が続き、作業は順調という。
21日は同町の観光関係職員が視察。きれいな青空が広がる下、ロータリー除雪車が大きなアーチを描いて純白の雪を吹き上げる光景を見つめた。渡会和裕企画課長は「ゴールデンウイークにはにぎわいが戻り、全国の皆さんに鳥海山を満喫していただきたい」と話した。