2022年(令和4年) 9月3日(土)付紙面より
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慶應義塾大教養研究センター主催の「庄内セミナー」の山伏修験体験が1日、鶴岡市のいでは文化記念館を拠点に行われた。参加した同大の学生たちが滝行や火渡りなどを通じて擬死再生の行に触れた。
同セミナーは2008年度に始まった「鶴岡セミナー」を前身に、庄内地域の自然や文化、歴史を体感しながら「生命」をテーマに学ぶ。昨年、一昨年はコロナ禍で中止となったため今回は3年ぶりの開催。11回目の今回は学生12人が参加し、8月30日から9月2日まで3泊4日の合宿形式で行われた。
1日はいでは文化記念館で峰入り式が行われ、羽黒山伏から出羽三山で行われている擬死再生の修行について学んだ後、湯殿山神社にバスで移動。山や沢を駆け巡る「御沢駆け」や滝打ちを体験した。
その後、同記念館に戻り修験体験の締めくくりとして、燃え上がる薪を飛び越える「火渡り」の行に挑んだ。雨が降りしきる中、学生たちは「えいっ!」と掛け声を上げながら次々と炎の上を飛んでいた。
修験体験を終えた同大経済学部4年の福田健浩さん(21)は「滝行では雨で水量が増しているため肩を打つ水滴が痛く、余計なことを考える余裕がなくなり無に近い状態だった。厳しい自然の中でちっぽけな存在の自分は、他の人がいるから生きていられることを強く感じた。非常に貴重な経験だった」と話していた。
学生たちは最終日の2日、致道館での庄内論語素読を体験した後、セミナー全体のリポートをまとめグループ発表する。