2022年(令和4年) 11月29日(火)付紙面より
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鶴岡市中央公民館女性センターの開館40周年記念講演会が27日、市中央公民館で開かれ、昭和女子大理事長・総長の坂東眞理子さんが講演し、人生100年時代の中での女性の生き方について語った。
坂東さんは1946(昭和21)年、富山県生まれ。東京大を卒業後、総理府に入省しキャリア官僚として活躍。埼玉県副知事、内閣府の初代男女共同参画局長などを歴任した。「女性の品格」「日本の女性政策」など多くの著書があり、最新刊「女性の覚悟」が今年出版された。
「女性よ、大志をいだこう!」と題して講演した坂東さんは、社会性を背景に日本の女性には「どうせ女だから」といった無意識の思い込み「アンコンシャス・バイアス」が長くあったとして、「今や人生100年時代。アンコンシャス・バイアスの呪縛から解放されるには、女性たち自身が自覚して自らこれに気づき、自己改革にチャレンジするべき」と述べた。50歳からの人生後半期を新たなスタートと提案し、「人生前半期の成功や失敗を引きずらず、幼少期に夢見た本当に好きなこと、得意なことに改めて挑戦してほしい。若い人たちとは競争するのではなく応援する、ファンになって支えるといったことを意識してほしい」とアドバイスした。
「高齢者の品格」として、「かきくけこ」(感動・感謝、機嫌よく、工夫、健康、貢献・交流)が大切と指摘。その上で、1新しいことを始めることで人生後半の新たな友「新友」をつくる2何もしないよりはまし、といった感じで気楽に何事も実践し「ベスト」ではなく「ベター」を目指す3“今日用”事がある、“今日行く”ところがあるのが大事。「きょうよう」と「きょういく」を持つべし―の「人生後半の3カ条」を示し、「自分を縛ることなく励まし、心を成長させていきましょう」と参加者に語り掛けた。
市中央公民館そばにある女性センターは、1982(昭和57)年に鶴岡市働く婦人の家として開館。2003年に名称変更した。講演会には女性を中心に約400人が参加した。昭和女子大と鶴岡市は19年7月、人材育成などに関する包括協定を締結している。