2022年(令和4年) 12月15日(木)付紙面より
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鶴岡市のバイオベンチャー「サリバテック」(砂村眞琴社長)は13日、同市宝田三丁目のユニオンダイキャスティング山形工場(本社・東京都、合田龍夫社長)で唾液によるがんリスク検査を行った。従業員を集めて一斉に検査する企業はまだ少なく、サリバテックは「始業前や業務中のわずかな時間で検体を採取でき、検査した人を把握しやすいなど企業側のメリットは大きい。地元庄内ならどこでも訪問できるので、ぜひ声を掛けてもらいたい」と話している。
この日、サリバテックの営業担当者2人が同工場を訪問。検査を希望した従業員13人に唾液1滴でがんのリスクを判定する検査キット「サリバチェッカー」を渡し、「水を飲んで5分ほど経ったら唾液を採取します」と説明し、検体を採取した。
検査にかかる時間は1人5?10分弱。検体採取後は担当者がサリバテックへ持ち帰り、唾液に含まれる代謝物の濃度を調べAI(人工知能)などで解析、がん患者で異常値を示す臨床研究データと照らし合わせ、がんリスクを判定する。1回の検査で男性は膵臓(すいぞう)がん、肺がん、胃がん、大腸がん、口腔がんの5種、女性は乳がんを加えた6種を調べられる。検査結果は後日、企業へ送られる。検査の様子を見守った同工場の社員は「福利厚生の一環として、がんリスクの早期発見を促すため一斉の検査を実施した。検査時間は短時間で効率的。今後も継続して取り組みたい」と話した。
サリバテックの担当者は「企業単位での検査申し込みは、従業員がそれぞれキットを持ち帰り自宅で検査することが多い。検査の時間などは自由度が高いが、検査しない人もいる。社内での一斉検査は時間や場所が決められるため、検査漏れがなく、郵送の手間もはぶけるなどメリットも多い」と話すとともに「検査キットを販売することが目的ではなく、検査によるがんの早期発見が当社の目的。地元ならどこでも訪問するので活用してもらえれば」と呼び掛けた。
サリバテックによると昨年の県内実績は250社1822件。2020年9月から鶴岡市ふるさと納税返礼品、昨年12月から県ふるさと納税返礼品にそれぞれ登録し、今年7月現在で713件の寄付実績があるなど検査の活用方法が広がっている。
2022年(令和4年) 12月15日(木)付紙面より
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鶴岡市芸術文化協会(東山昭子会長)は、9月に開幕した第17回鶴岡市芸術祭の受賞公演を発表した。最高賞の芸術祭大賞には鶴岡放送児童合唱団(伴和香子代表)の定期演奏会「みんなの音楽会」が輝いた。授賞式は24日(土)午後3時から東京第一ホテル鶴岡で開かれる「芸術祭閉幕のつどい」の席上で行う。
市芸術祭は新市発足を機に、2006年度に旧6市町村の各芸術文化団体と市教委の主催で新たにスタートした。17回目の本年度は9月4日に開幕し今月3日まで、44団体が参加し35公演・展示が行われた。
大賞に選ばれた「みんなの音楽会」は11月3日に市中央公民館で行われた。作曲家・信長貴富さんの委嘱作品で4曲編成の組曲を初めて披露。子どもたちの生き生きとした歌声がホールに響き渡り、平和を願うオリジナル音楽劇を熱演するとともに、レベルの高い合唱とコロナ禍の中で一生懸命練習に取り組んだ団員の熱意が高く評価された。鶴岡放送児童合唱団の大賞受賞は新市となってから初めて。
このほかの受賞公演は、準大賞に鶴岡市合同短歌会実行委員会の「第60回鶴岡市合同短歌会」、優秀賞に▽如月会水墨画展(如月会)▽ステンドグラス“光彩”作品展(ステンドグラス“光彩”)▽宝生流観世流合同謡曲大会(宝生流鶴岡五雲会、庄内謡曲愛好会)―の3公演がそれぞれ選ばれた。