2023年(令和5年) 3月31日(金)付紙面より
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酒田市平田地域にそびえる胎蔵山(標高729メートル)で26日、登山イベント「早春譜ツアー」が行われ、参加した市民らが春山の芽吹きを感じながら歩を進めた。
地域活性化を目的にさまざまな活動を展開している「胎蔵ロマンの会」(岩間政幸会長)の主催。岩間会長によると、同山は約1200年前に弘法大師が開山したと伝えられている。薬師如来を祭っており、健康と子宝に恵まれる山「女神の山」として地元民らの信仰を集めてきた。樹木周囲の雪解けが始まると、その層が「ト音記号」のように見えることからツアー名を「早春『譜』」とした。
この日はあいにくの降雨の中、30―70代の6人が参加し同会スタッフと共に午前8時ごろ、元田沢集落の登山口を出発した。日当たりの良い箇所では早くもヤマザクラやキブシが開花していたほか、ミスミソウ群生地ではかれんな白い花に春の訪れを実感。参加者は盛んにカメラのシャッターを切っていた。登っていくにつれ残雪が増え、標高524メートルにある薬師神社中の宮でスノーシューを装着、眺望ポイントの「赤剥(あかはげ)」を経て正午前に山頂の同神社奥の院に到着した。
岩間会長は「悪天候で非常に残念。天気が良ければやぶが伸びてくる前の美しい鳥海山を望むことができる。また来年に期待したい」と話した。
胎蔵山では毎年5月3日に薬師如来御神体を背負い、山頂の薬師神社奥の院へ運ぶ「胎蔵山春まつり」が行われ、1日限定のご開帳に登山愛好家から人気を集めている。