2023年(令和5年) 8月25日(金)付紙面より
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インターネット通販などの「電子商取引(EC)」の運用方法について学ぶ事業者を対象に「実践者から学ぶEC運用セミナー」が22日、酒田市産業振興まちづくりセンター「サンロク」で開かれ、参加者が運用体制や工夫について理解を深めた。
自社商品のネット販売を検討する事業者増加に伴い、立ち上げ、運用、人材といった相談が増えたことを受け、サンロクが企画。実際にECサイトを運用している「イグゼあまるめ」(庄内町余目)の通信販売担当・土門菜緒さん(29)とサポートとして携わったサンロクのシニアスタッフでOffice Kuroko&Co.(東京都渋谷区道玄坂一丁目)の伊藤文恵さん(38)を講師に、イグゼあまるめのECサイト・山形特産品市場「庄内なんでも屋」の事例を交えながら講話した。この日は市内の企業を中心に約15人が参加。伊藤さんがECのメリット・デメリット、運用に向けて▽デザイン、コンセプト、商品の撮影▽消費者のプライバシーポリシー▽配送のルール決め▽問い合わせ対応―など多くの知識や準備が必要なことを解説。土門さんは「『庄内なんでも屋』は立ち上げ直後、年末に餅商品の需要があり一次的に売り上げが伸びたが、年明け以降は低迷し発注が来ない日もあった」と待つだけでは売れなかった経験を話し、「SNSを中心にほぼ毎日情報発信をしたり、Youtuberとのコラボ商品販売や地元自治体イベントとの連携企画を考えたりなど促進活動を積み重ね、徐々にユーザーが増えていった」と紹介した。
伊藤さんから「情報の多いネット世界では▽販売目的▽ターゲットの設定▽商品価値の差別化―などマーケティングの視点がとても重要」といった説明がされると、参加者たちはメモを取りながら興味深く聞いていた。