2023年(令和5年) 1月13日(金)付紙面より
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鶴岡市西目で発生した土砂災害現場で11日、山の斜面の一部にブルーシートを設置する作業が進められた。雪解け水などが土に浸透するのを防ぎ、二次災害防止を図る県の措置。現場では県職員が、赤土が露出した箇所をシートで覆う様子が見られた。
土砂災害の現場は民家を含む17棟が巻き込まれ、高齢夫婦2人が犠牲になった。その後の専門家の調査で山の西側斜面に複数の亀裂が確認されるなど、被害拡大の可能性も指摘されている。
こうした状況を踏まえ県は11日、崩壊箇所からやや西側の山上部で、赤土が露出した箇所にシートを張った。山肌があらわになった箇所は幅50メートル、縦10メートルに及ぶという。麓には避難指示世帯の住宅があり、6日から雑木の伐採など準備が進められていた。
県は今後、崩壊箇所にもブルーシートを設置する予定。このほか、崩れた土砂が田んぼなどに流入するのを防ぐため、傾いた建物近くの県道に土のうを設置した。また、地滑りや亀裂の拡大など地表の動きを観測する「伸縮計」について、3基のうち1基は設置済みで、残り2基の設置を進めている。12日中の機器設定作業を経て、13日から運用を開始するという。
2023年(令和5年) 1月13日(金)付紙面より
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鶴岡市家中新町の致道博物館にある多層民家・旧渋谷家住宅(国指定重要文化財)で12日、冬恒例の「いぶりだし」が始まった。囲炉裏(いろり)にまきをくべていぶし、かやぶき屋根の害虫を退治する作業を進めている。
渋谷家は1822(文政5)年に旧朝日村田麦俣に建てられた。貴重な多層民家を保存するため1965年、致道博物館の敷地に移築された。害虫退治のほかに、すすで茅(かや)と垂木を結ぶ縄を丈夫にする効果もあるという。観光客に人気の冬の風物詩として知られる。
初日は午前9時から、いずれもこの道4年目の太谷淳子さん(67)と工藤喜美さん(67)が囲炉裏の前に座り庭園の剪定(せんてい)で切った木材をくべる作業を始めた。
太谷さんは「観光客が囲炉裏の前に一緒に座ってよく話をするが、特に年配の人は『懐かしいね』『幼少の頃を思い出す』と喜んでくれる。自分自身も穏やかな時間が流れ、心が洗われるというか、とても癒やされる」と話していた。
「いぶりだし」は3月上旬まで。毎週木曜日と日曜日に行われる。時間は午前9時から午後3時。