2023年(令和5年) 1月28日(土)付紙面より
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酒田市教育委員会は25日、学習塾運営、教育コンテンツ提供のスプリックス(東京都、常石博之社長)と教育振興に関する連携協定を締結した。新年度から市内の全小・中学校で同社が開発・運営する教育関連ウェブサービス「CBT for school」を導入、児童・生徒の「学びの習慣化」を図っていく。
同社は、いずれも学習塾の「森塾」「自立学習RED」「湘南ゼミナール」を全国で展開している他、学習コンテンツ教材を多く開発している。CBTは「Computer Based Testing」の頭文字を取ったもの。国のGIGAスクール構想に基づく1人1台端末の整備が進む中、ウェブ上のテストを解くことで児童・生徒は個別に最適な学びを進めることができ、教員にとっても自動採点・成績分析機能があることから負担の軽減につながる。
市教委は2021年度から、「学びの習慣化」を軸に、子どもたちから身に付けてもらいたい力を独自にまとめた「まなびの樹」の取り組みを推進。その一環で市教委は昨年1月、「CBT for school」を構成するプロダクトの一つ「国際基礎学力検定(TOFAS)」を試験導入、「コツコツ学ぶことができる」と生徒から好評を得たことから本格導入を決めた。
協定書によると、内容は▽児童生徒の学力保障・個別最適な学びの推進▽教員の作業負担軽減の推進▽市内外の教育事情に関する情報共有―など。同市役所内で行われた締結式には、市教委の鈴木和仁教育長、同社の梅田修平常務執行役員が出席、協定書にそれぞれ署名した。
鈴木教育長は「推進している小中一環教育で、子どもの自己効力感の醸成、学習習慣・目的意識の形成による非認知能力の向上に取り組んでいる。今回の導入は取り組みをさらに充実するために欠かすことができないものを考える。連携で新たな授業デザインの研究を進めたい」、梅田常務は「酒田の児童・生徒、教員に貢献する機会を得たことは大変光栄。酒田との連携をさらに深化させ、公教育の現場に寄り添った教育コンテンツの提供につなげたい」と話した。
市教委と同社は本年度中に導入に向けた準備を終え、新年度から実際に児童・生徒から活用してもらう方針。
2023年(令和5年) 1月28日(土)付紙面より
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もうすぐ迎える桃の節句を前に「ひな人形の手入れと保存方法」講座が25日、酒田市総合文化センターで行われ、参加者6人がひな人形の正しい飾り方などを学んだ。
同市教育委員会の主催。ひな人形は毎年の出し入れや経年劣化などで傷みが出てくるため、正しい保存・清拭方法を学ぶことで、きれいな状態で飾ってもらおうと、生涯学習市民企画講座の一つとして実施。
同センターで活動を行っている人形作りの愛好団体「赤い実の会」(酒田市)の代表で、人形美術協会認定「一級人形師範」の成澤つるみさん(同市錦町五丁目)の指導で、参加者は消しゴムやはけ、洗濯のりなどの道具を使ってそれぞれ持参した人形の手入れや補修を行った。
成澤さんは「顔の汚れは消しゴムで、手は素材が違うのではけや綿棒でやさしく」「髪は洗濯のりを付けながらくしを通す」など精力的に指導。中には髪飾りを間違えて付けていたり、帽子のひもが人形の首に巻き付いていたりするものもあり、参加者は興味深げに正しい飾り方を学んだ。
40年ほど前に両親が購入してくれたという人形を持って参加した女性は「結婚後も実家で時々飾っていたが、手入れをしたのは初めて。顔が明るくなると人形も喜んでくれているように感じる」と。参加者たちはきれいになった人形をうれしそうに眺めていた。