2023年(令和5年) 2月14日(火)付紙面より
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日本遺産の日(13日)に合わせた鶴岡市、にかほ市(秋田県)、由利本荘市(同)の3市連携交流企画「北前船展」が11日、鶴岡市の致道博物館旧鶴岡警察署庁舎で始まった。展示初日はギャラリートークが行われ、3市の学芸員などが各地の構成文化財や展示品などを解説した。
北前船展は致道博物館主催、鶴岡市北前船日本遺産推進協議会共催。3市が連携し、各市が所有する北前船関係の文化財を展示する。また、各市の特徴や日本遺産の構成文化財をパネルなどで紹介し、各地域に魅力を再発見、再認識する。
ギャラリートークは市民など30人余りが聴講。鶴岡市史編纂(へんさん)委員の升川繁敏さん、にかほ市教育委員会文化財保護課専門員の齋藤一樹さん、由利本荘市教委生涯学習課長補佐の三原裕姫子さんの3人が講師を務めた。
升川さんは日本遺産・北前船に係る鶴岡市の構成文化財について、同市加茂の加茂港周辺の町並みや石名坂家住宅主屋・蔵、浄禅寺の釣り鐘など5点を紹介し「加茂港は昔から交易の港で米や酒が移出される一方、塩や砂糖、紙などが移入された。関西から多くの文化が運ばれ、加茂に伝わる大黒舞はその一つ。約140年前の明治10年ごろには同地区だけで約250の蔵があった」と解説した。
続いて齋藤さんが「にかほ市の塩越港、金浦港などは江戸中期から明治中期にかけ大阪と蝦夷地(北海道)を往来していた北前船の寄港地。象潟郷土資料館にはアイヌの民族衣装のアットゥシなどが残されている」、三原さんが「由利本荘市は江戸期、亀田藩と本荘藩、矢島藩の3藩があり、子吉川河口には川を挟んで石脇港(亀田)、古雪港(本荘、矢島)の2つの港があった。3つの藩を川がつなぎ、古雪港から関西などへ北前船が出港していったのだろう」とそれぞれ地域の特徴を語った。
その後、講師3人が手提げ金庫の一種「懸硯(かけすずり)」と呼ばれる船箪笥(象潟郷土資料館所蔵)や、天狗とカラス天狗の鬼瓦(本荘郷土資料館所蔵)など、今回の展示物についてそれぞれ解説した。展示は4月9日まで。
2023年(令和5年) 2月14日(火)付紙面より
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文化庁の補助を受け、酒田市黒森地区に伝わる県指定無形民俗文化財「黒森歌舞伎」の一座「妻堂連中」(五十嵐良弥座長)は、明治期から使用してきた黒森日枝神社演舞場の幕2点を新調し15(水)、17(金)の両日に行われる正月公演でお披露目する。演舞場で通し稽古が行われた11日午後にマスメディア向け内覧会が行われ、五十嵐座長は「補助がなかったら、新調は考えられなかった。3年ぶりの正月公演。きれいになった舞台も含め、ぜひ大勢から鑑賞してもらいたい」と話した。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、その伝承が危ぶまれている民俗芸能はじめ各種文化財を支援する同庁の補助事業「地域文化財総合活用推進事業」を活用し新調したのは、舞台正面に掲げる「俵藤太幕(たわらとうたまく)」(縦3メートル、横12メートル)、「一文字幕」と称される「福助幕」(縦1メートル、横12メートル)の2点。
「俵藤太幕」は、1902年に寄贈を受けたもので、俵藤太(藤原秀郷)が大蛇に頼まれてムカデを退治したという伝説が描かれている。「福助幕」はより古く1898年の寄贈。ちょんまげを結い、かみしもを着けて座っている福助の周囲に、縁起物の鶴や亀、松を配置している。いずれも100年余が経過し、破損など傷みが目立っており今回、同事業を使って衣装、かつら、大道具・小道具とともに新調した。太鼓などの補修も含めて事業費は4597万円で、このうち4547万円が補助。
11日は間近に迫った正月公演に向けて稽古にも熱が入る中、五十嵐座長、黒森歌舞伎保存会の菅井儀一会長が演舞場に掲げられた幕2点を紹介。五十嵐座長は「3年ぶりの正月公演ということもあり、座を挙げてより良いものにしようと努力している。きれいになった舞台も含め、楽しんでもらえたら」と話した。
今年の本狂言は2003年以来となる「昔談柄三荘太夫(むかしがたりさんしょうだゆう)」。地元・黒森小児童による少年歌舞伎「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」の「稲瀬川勢揃の場(通称・白浪五人男)」とともに上演する。
2023年(令和5年) 2月14日(火)付紙面より
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バレーボール・2022ー23Vリーグ女子2部(V2女子)は11、12の両日、酒田市国体記念体育館など全国2会場で計8試合が行われた。今季最後となるホームでの連戦に挑んだ同市を拠点とするプレステージ・インターナショナルアランマーレは大野石油広島オイラーズ、ヴィアティン三重と対戦し連勝、通算15勝1敗とし群馬銀行グリーンウイングスと入れ替わり首位に立った。
V2女子は今季、11チームがエントリー。リーグ戦は2回戦総当たり(計20試合)で来月上旬まで行われる。昨季同様、上位3チームによるファイナルステージを勝ち抜いた2チームが翌4月に行われるV1下位との入れ替え戦に挑む。
初日、2日目とも終始アランマーレペースで試合が進み、ホームの大きな拍手が加わり、終わってみれば圧勝。「『超々攻撃型』が今季のモットー。昨季のファイナルステージを経て昇格は夢物語ではなくなった。勝ち進みたい」と北原勉監督が話すよう、小柄ながら力強いスパイクをたたきつける加入2年目の前田美紅選手(24)=背番号2、アウトサイドヒッター=が攻守の中心としてチームをけん引。今季から主将となった木村友里選手(27)=同3、アウトサイドヒッター、有村涼美選手(23)=同17、同=と共に強打で得点を重ねた。
初日は730人、2日目も700人が詰め掛け、声を出しての応援はできないものの、入場時に渡されたハリセンをたたいて選手たちを鼓舞。広島との一戦を前に、同市の酒田光陵高校音楽部吹奏楽班による「酒田甚句」「最上川舟唄」の演奏に合わせ、同校書道部員が書道パフォーマンスを披露したほか、会場の一角では同校ビジネス流通科の生徒たちが販売実習。ハーフタイムには地元チアダンスチームが華麗な舞を披露した。
アランマーレの次戦は今月18日(土)で、浜松市のサーラグリーンアリーナでブレス浜松と対戦する。
▽第12週初日
25―12
アラン3 19―25 1広 島
マーレ 25―12
25―18
▽同2日目
アラン 25―19
マーレ3 27―25 0三 重
26―24
2023年(令和5年) 2月14日(火)付紙面より
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遊佐町内の全5小学校が統合し新「遊佐小」が4月に誕生するのに伴って閉校する吹浦小(梶原勝校長)に感謝する会が12日、同校で開かれた。全校児童73人と教職員18人、歴代校長はじめ旧職員、保護者、卒業生ら合わせて約250人が参加。148年に及ぶ長い間、地域の核になってきた同校に「ありがとう」の思いを言葉にした。
同校は1874(明治7)年、吹浦学校として開校。所在地、名称の変更を重ねながら昨年度までに6400人余りの卒業生を送り出している。
感謝する会は地元住民や教職員らによる実行委員会が開催。委員長の高橋敏夫吹浦地区区長会長はあいさつで、「地区のシンボルである吹浦小が無くなるのは寂しい限りだが、新しい小学校に期待する。子どもたちは牛渡川に帰ってくるサケのように、二回りも三回りも大きくなってほしい」と述べた。
各学年ごとに楽しかったことや頑張ったことなどを声を合わせて発表。「吹浦小がもっともっと好きになった」「この場所にこんなすてきな学校があったことを私たちは忘れません」などと思いの丈を伝えた。卒業生で「仮面ライダー剣斬」役を演じた富樫慧士(えいじ)さん(21)がビデオメッセージ。「大自然の中で過ごせたことが今の私に生きている」と語り掛けた。
6年生が20年余り前から毎年取り組み、新たな伝統になった鳥海太鼓を勇壮に演奏。最後に参加者全員で校歌を合唱し、明治、大正、昭和、平成、令和と続いてきた歴史に感謝した。
2023年(令和5年) 2月14日(火)付紙面より
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鶴岡中央高校総合学科被服系の生徒で組織する「シルクガールズ」とOGカメラマンの千田技さん(鶴岡市)によるファッションショー「シルクガールズコレクション2023」が12日、鶴岡市のベルナール鶴岡で行われた。2、3年生27人が出演し、自作のドレスを披露した。
シルクガールズは鶴岡市の伝統産業「鶴岡シルク」を題材に課題研究に取り組んでいる。ファッションショーはシルクの魅力を多くの人に伝えようと毎年開いている。
今回は「サムライゆかりのシルク」が日本遺産に認定されていることから2月13日の「日本遺産の日」に合わせた。
この日は「ジェンダー」「人とのつながり」「色々な個性」「目的のためのポジティブさ」をテーマに制作したドレス約50着をそれぞれ生徒が身に着けて披露した。田麦俣在住の車椅子ユーチューバー・渋谷真子さんらもドレスを着て出演した。
庄内を中心に活動する盲目のピアニスト・Yusukeさんとのコラボショーもあり、訪れた約100人の観客から大きな拍手が上がった。
シルクガールズのリーダーを務めた井上香朋(かほ)さん(18)は「緊張したが、堂々とランウェイを歩くことができたと思う。会場の人たちと一緒に記憶に残る楽しいひとときを過ごせて良かった」と話していた。