2023年(令和5年) 2月28日(火)付紙面より
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酒田に古くから伝わるつるし飾りの一種「傘福(かさふく)」を集めた展示会「港町酒田の傘福」が26日、酒田市日吉町二丁目の「山王くらぶ」で開幕。大広間には鮮やかな布細工がつり下げられた傘福がずらりと並び、みやびな世界を演出。初日から大勢の観光客、市民が訪れ、豪華で愛らしい傘福の数々に見入っていた。
傘福は江戸時代に酒田に伝わったとされる。和服の端切れなどを用いて猿やエビなどの動物、花や桃、大根、カブなどの植物、巾着や宝袋などの縁起物を作製。それらを一本のひもに結び付けて周囲を赤や緑の幕で覆った傘の骨につり下げる。子どもの健やかな成長などを願い、ひな祭りの際に神社などに奉納したという。
展示は、酒田商工会議所女性会(岩間奏子会長)が2005年、女性会の設立25周年記念事業の一環とし、伝統工芸を復活させ後世に引き継ぐとともに、「庄内ひな街道」に彩りを加えようと企画。翌06年に第1回を行って以来、毎年開催し今年で18回目。
今回は大規模な6基を含め約50基を展示。市内在住の女性で組織するNPO法人「かさふく」(代表理事・岩間会長)のメンバーが制作した「鳥獣人物戯画」は、通常の布細工より大きめの瑞獣1体と霊獣2体とともに、干支(えと)のウサギを配置。新作の「紅染・華うさぎ」は、本県特産の紅花で染めた絹布を使って制作した八重咲きの桜とウサギが幾重にも連なり、春の華やかさを演出している。来館者は会場に入るや「きれい」と歓声を上げ、ひと足早く「酒田の春」を満喫した。
開幕に先立ち行われたセレモニーで岩間会長は「傘福は酒田の宝。地域の安寧を願い、コロナ禍でも続けてきた。より多くの人から足を運んでもらい、愛される場所になれば」とあいさつ、祝辞を述べた丸山至市長、加藤聡酒田商工会議所会頭、酒田舞娘(まいこ)と共にテープカットし、11月5日(日)までのロングランがスタートした。
2023年(令和5年) 2月28日(火)付紙面より
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鶴岡出身の小説家・藤沢周平さんの作品「春秋山伏記」を舞台化する庄内公演の鶴岡実行委員会が26日、鶴岡市東原町のグランドエル・サンで開かれた。メンバー20人が集まり5月の公演に向けて酒田市、庄内町の実行委と連携を取っていくことを確かめた。
庄内公演は庄内町出身の俳優・佐藤輝さん(77)=酒田北前観光大使=の呼び掛けで庄内出身の俳優7人が集まり「春秋山伏記」に登場する「狐の足あと」を舞台化する。5月27日の酒田市公益研修センターを皮切りに翌28日に鶴岡市中央公民館、30日に庄内町文化創造館「響ホール」で上演する。
公演の成功に向けて酒田市、鶴岡市、庄内町でそれぞれ実行委を組織。チケット販売やパンフレットの設置、ポスターを頒布し庄内公演を多くの人にアピールする。
鶴岡実行委では「酒田市と庄内町と連携を密に取っていこう」「鶴岡市の公共施設にパンフレットを置いて市民に知らせよう」「コンビニも対応してくれるところがあると聞く」といった意見が出された。
鶴岡実行委の一人で庄内公演に出演する俳優の菅原司さん(78)=鶴岡市出身=は「出演者の全員、東京都内で活動している。4月から稽古を重ね、5月下旬の本番に備えたい」、佐藤さんは「登場人物の感情表現が見どころ。藤沢周平の世界をステージ上で蘇らせたい」と話した。
「狐の足あと」は春秋山伏記に登場する5編の中の一つ。村人たちのうわさ話を山伏が解決する物語を描いている。
庄内公演の入場料は3000円。3月1日から販売する。問い合わせはオフィス天童=電03(3649)8754=へ。
2023年(令和5年) 2月28日(火)付紙面より
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鶴岡ローターアクトクラブ(RAC、佐藤祐樹会長)の創立50周年記念式典が25日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で行われた。参加者は現在までの活動を振り返り、講義やパネルディスカッションなどを通して今後の取り組みに対する決意を新たにした。
鶴岡RACは1972年に発足した奉仕活動団体で海岸清掃や老人ホーム訪問、チャリティーバザーやフリーマーケットの実施、地震災害ボランティアなど多様な活動を通し、個々の能力を高め合いながら活動している。50周年を節目としてより良いクラブに成長していくため、鶴岡ロータリークラブなど関係団体と団結力を高めようと記念式典を企画した。鶴岡RACメンバーとOB・OG、県内のロータリークラブ・RAC会員ら約80人が参加。
パネルディスカッションに先立ち、県内のロータリークラブで地区代表経験者の鈴木一作さんが「ローターアクトクラブへの期待」と題し基調講演を行った。
講演で鈴木さんは、価値のあるクラブを目指す方策について触れ「まずみんなで正しい戦略を持つことが大事。目指す方向を確認し、柔軟に指標を考えることが斬新で魅力的な奉仕事業の考案につながる」と語った。
続いて現状の課題解決に向けてパネルディスカッションが行われ、参加者同士は目標に向かって団結力を高めていた。
2023年(令和5年) 2月28日(火)付紙面より
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農林水産省と公益財団法人・日本農業振興会が制定する「豊かなむらづくり全国表彰事業」の「農林水産祭むらづくり部門」で、農林水産大臣賞を受けた酒田市の日向コミュニティ振興会(小松幸雄会長)の祝賀会・記念講演会が25日、同市八幡タウンセンターで開かれ、小松会長は「今後も『むらづくり』のため精進していく」と語った。
「むらづくり」たたえる
支え合う地区これからも
同表彰事業は、農山漁村における「むらづくり」の優良事例を表彰し、その業績の発表を通じて、地域の連帯感醸成・コミュニティー機能強化を図ることを目的に1979年から行われている。
少子化に伴い2009年3月末で地元・日向小学校が閉校したことを受け、翌月に設立された日向コミ振は「このままでは地域が廃れてしまう」という危機感を抱き、まずは人が集う場所を確保するため旧小学校をコミュニティセンターに。ここを拠点に大運動会や秋祭りなどを実施し「顔の見える関係づくり」に取り組んだ。
その上で国や県、市、市社会福祉協議会、東北公益文科大学、無印良品を展開する「良品計画」などと連携して現在、「日向ささえあい除雪ボランティア」に代表される「いろいろな世代がみんなで支え合える地区」に向けた取り組みを積極的に実施しており、これらの活動が評価され、天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞に次ぐ農林水産大臣賞を受けた。
祝賀会は地元有志で組織する実行委員会(阿曽千一代表)の主催。小松会長は「『日向を何とかしなければ』という思いで、あるものを生かし、できることを繰り返してきた。これまで協力してくれた人たちに感謝。引き続き指導をお願いしたい」とあいさつした後、丸山至市長が「産学官民が一丸となり、さまざまな活動に取り組んできた成果で、日向地区のまとまりの良さの表れ。これらモデル事業が全市に影響を及ぼすことを期待したい」と祝辞。日向コミ振の工藤志保事務局長がスライドを用い、日向小閉校からコミ振立ち上げ、行政・企業との連携による活動などこれまでの歩みを紹介した。
引き続き県庄内総合支庁が主催した記念講演会が行われ、弘前大大学院地域社会研究科の平井太郎教授が登壇した。
2023年(令和5年) 2月28日(火)付紙面より
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酒田市の酒田駅前複合施設「光の湊」内レストラン「ALLDAYDINING『月のみち』」で23日、食のイベント「THEカレーバイキング」が開かれ、多くの来場者が豊富な種類のカレーに舌鼓を打った。
飲食店にとって2月は閑散期のため、集客を図ろうと同レストランを運営する「月見」(同市、白旗夏生社長)が人気のあるカレーを目玉に企画した。
同施設内の酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」でもイベントがあったこともあり、約140人が来場。レストラン前には開店30分前からカレーを待つ行列が並び、正午には家族連れを中心に多くにぎわい、定番のポーク、ビーフ、バターチキンのほか、グリーンカレーやカシミールカレーなどを楽しんだ。
家族4人で訪れた佐藤美香さん(38)=庄内町廿六木=は「何年ぶりかで家族でバイキングに来た。子どもたちは1カ月ほど前から楽しみにしていて、おいしそうに食べているので良かった」と話した。