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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 2月4日(土)付紙面より

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全国の舞台へ初挑戦 鶴岡中央高演劇部 春季全国高校演劇研究大会に東北代表 社会的問題取り上げ熱演評価

 鶴岡中央高演劇部(豊田侑志部長、部員12人)が、3月21―26日に大分県で開催される第17回春季全国高校演劇研究大会に、東北ブロック代表で出場する。昨年10月の県大会で最優秀賞を受賞して今年1月の東北大会に出場し2位となり、初の全国の舞台への切符を手にした。上演するのは性的マイノリティーやいじめ、差別や戦争といった社会的問題を取り上げつつ、こうした時代の中で高校生がどのように生きるべきかを考える1時間ほどの作品。部員たちは「自分たちが演劇を楽しむ。それを観客の皆さんからも楽しんでもらいたい」と、初挑戦となる全国の舞台へ意欲を見せている。

 同校演劇部は1、2年生6人ずつの12人。「明日は救世主」と題した作品は、顧問の木村麻由子教諭のオリジナル脚本で、2年生の中村咲耶さんが演出。鶴岡中央高らしくシルクガールズプロジェクトを絡めた作品で、主人公の一人でLGBTQの男子生徒「アオイ」役を部長の豊田さんが演じる。

 東北各県の代表2校ずつと開催県推薦1校の計13校が出場し、1月20―22日に福島県いわき市で開かれた第55回東北地区高校演劇発表会では、アオイが勇気を振り絞ってシルクガールズプロジェクトのドレスを着て登場する場面で会場から大きな拍手が湧き、作品と演じる部員たちへの共感が広がった。審査員の講評でも「解決策はないのかもしれない。でも希望が持てる上演だった」と評価されたという。

 全国大会出場を決めた演劇部への鶴岡市文化基金協議会による激励金贈呈が31日、同校で行われた。同協議会の佐藤勤会長が豊田部長に激励金3万円を手渡し、「全国の仲間たちと交流できる貴重な機会。日頃の活動の成果を思いっきり発揮してきてほしい」と励ました。

 春季全国高校演劇研究大会には10校が出場する。豊田部長は「東北大会ではセリフの間や音響、照明のミスが少しあった。今回は順位を付ける大会ではないので、とにかくみんなで楽しくやりたい」と話した。

佐藤文化基金協議会長(後列左端)から激励を受けた鶴岡中央高演劇部のメンバー=31日、同校
佐藤文化基金協議会長(後列左端)から激励を受けた鶴岡中央高演劇部のメンバー=31日、同校


2023年(令和5年) 2月4日(土)付紙面より

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極限環境に耐える生物「クマムシ」 新たな遺伝子組み込み 細胞内のタンパク質光らせる 慶應先端研など研究グループ世界初成功

 鶴岡市の慶應義塾大先端生命科学研究所の荒川和晴教授や同研究所員で自然科学研究機構生命創成探究センターの田中冴特任助教らの研究グループは31日、極限環境に耐える生物として知られる「クマムシ」に緑色蛍光タンパク質(GFP)などの新たな遺伝子を組み込むことで、細胞内のタンパク質を光らせることに世界で初めて成功したと発表した。無水状態で生き延びる特殊な能力「乾眠(かんみん)」のメカニズムの解明とともに、生体や食品の完全な乾燥保存方法の開発につながることが期待される。

 クマムシは周辺環境が乾燥すると自ら脱水して代謝も止める乾眠状態になる。この状態では極度の低温や宇宙空間でも生き延びることができ、水分を得ると再び動き出す。これまでにクマムシのゲノム解析や固有のタンパク質の解析が行われてきたものの、具体的なメカニズムは明らかになっていなかった。

 研究グループはクマムシに由来する遺伝子情報に、GFPなどを作り出す遺伝子を新たに開発して組み込むことに成功した。「光るクマムシ」によって、体内のタンパク質の動きをリアルタイムで観察することを可能にした。さらに外来遺伝子を組み込むことに成功した研究成果に基づき、細胞内環境をモニタリングできるタンパク質を発現させることも可能という。

 研究グループは「これまで世界で誰も見たことのない、クマムシの脱水・給水のダイナミックな変化を追いかけることも可能になった。細胞内や体全体で起きている乾眠の過程を観察することで、脱水に伴って生命活動を一時停止させるメカニズムを明らかにしていきたい」としている。研究成果は米国科学アカデミー紀要の国際科学雑誌に掲載された。

新たに開発した遺伝子発現システムで作出に成功した「光るクマムシ」の顕微鏡画像(田中冴特任助教提供)
新たに開発した遺伝子発現システムで作出に成功した「光るクマムシ」の顕微鏡画像(田中冴特任助教提供)


2023年(令和5年) 2月4日(土)付紙面より

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山居倉庫で市の活性化後押しへ

 昨年秋で米保管庫としての役目を終えた酒田市の国指定史跡・山居倉庫の保存活用について、「市民活動に供する貸出スペースを設ける」「保存状態を調査し、修復や耐震性を高める必要がある」など、多方面の計画案が示された。

 市の委託を受けた学識経験者、観光関係者、樹木の専門家による「保存活用計画策定委員会」が示したもので、3月中に最終的な保存活用計画を取りまとめ、5月中に文化庁に認定申請する方針だ。山居倉庫は米倉庫としての現役時代から庄内を代表する観光施設でもあり、市は来年度中の公有化を予定。有効活用しながら次世代に残していくための方策を考える。

     ◇       ◇

 これまで4回の会合を開いた保存活用計画策定委員会は、市民を交えて現地を視察しながら活用計画を検討してきた。1893(明治26)年の建設から130年。傷んでいるところがあれば修復が必要であり、そのためには詳細な調査をしなければならないようだ。市民が参加した現地の見学会では、倉庫のシンボルであるケヤキ並木の樹勢を維持していく重要性を指摘する意見もあったという。

 山居倉庫は12棟が現存している。2棟は市観光物産館「酒田夢の倶楽」、1棟は倉庫を所有しているJA全農山形などが「庄内米歴史資料館」として活用している。市は既に2棟を取得しており、ほかの全棟も取得する方針で、保存活用方法の検討は大掛かりで多岐に及ぶようだ。倉庫自体の保存活用だけでなく、新井田川一帯の景観も、倉庫と一体化させて整備することが課題になっている。

 新型コロナ禍の影響もあるが、鶴岡市には小中学校の修学旅行(教育旅行)で訪れる学校が増えている。致道博物館、加茂水族館、出羽三山神社などを回って風土や歴史を学ぶコースが設定されている。酒田市にも日本海交易に関連する歴史的施設が数多い。「港町文化・米・北前船」を学ぶことができる施設として▽舞娘(まいこ)茶屋相馬樓▽本間美術館▽豪商・本間家旧本邸▽同・旧鐙屋などが、市中心街にある。それも歩いて回る事ができる範囲に。

     ◇       ◇

 山居倉庫は近現代の米穀流通の歴史を知る貴重な文化財。学校教育、地域学習、生涯学習の場として活用すると同時に、観光資源として地域社会・地域経済の活性化に生かさなければならない。にぎわい創出のため、貸出スペース、起業支援のための体験型チャレンジショップなど、地元の人が利用できる事業も、策定委は考えているようだ。

 酒田は「北前船寄港地・船主集落」として日本遺産に、鳥海山と飛島は日本ジオパークに認定され、庄内北部の歴史と自然を併せ持つ魅力がある。山居倉庫での一地点完結型ではなく、山居倉庫を起点とした市内回遊性による活性化につながる保存活用策が練られることを期待したい。

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2023年(令和5年) 2月4日(土)付紙面より

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昔ながらの俵編み 世代間交流楽しむ 新堀小 相撲大会の土俵に

 酒田市の新堀小学校(齋藤雄一校長、児童60人)で2日、世代間交流事業が行われ、5、6年生が地区のお年寄りの指導で「俵編み」に挑戦した。

 同校では毎年、5、6年生が新堀コミュニティ振興会(高橋壽一会長)の協力で、近くの学校田で田植え、稲刈り、脱穀などを体験。俵編みはその活動の一環として、伝統技術の継承や世代間交流を図ろうと行われている。俵編み体験は、昨年コロナ禍のため中止となり、開催は2年ぶり。

 この日の作業は同校体育館で行われ、5、6年生計20人と、地区高齢者健康教室「はつらつ学級」の男性22人が参加。子どもたちはお年寄りから「稲わらを均等な量で」「あまり締め付け過ぎず、同じ感覚で交互に稲わらを重ねて編んで」などと指導を受けながら、木製の俵編み機を使い、4カ所で「編みふ」と呼ばれる縦糸の麻ひもで三つ編みにするなど作業。約1時間半で幅約80センチ、長さ約30センチの俵を約40枚制作した。

 5年生の池田蒼翔(あおと)君(11)は「分かりやすく教えてくれたので楽しかった。最初はうまくできなかったけど、慣れてきたらスムーズに編めるようになった」、小條喜瑯さん(79)は「子どもたちと一緒に作業するのは楽しい。なかなか手際もいい」とそれぞれ笑顔を見せていた。制作した俵は来年度開催予定の同校伝統の相撲大会の土俵として使われる。

地域のお年寄りと俵編みに挑戦する新堀小児童
地域のお年寄りと俵編みに挑戦する新堀小児童


2023年(令和5年) 2月4日(土)付紙面より

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鬼は外 福は内!! 節分行事

火遊び鬼を退治 元気に防火豆まき 八幡保育園

 節分の日に合わせ、酒田地区広域行政組合消防署八幡分署(山崎尚史分署長)は3日、酒田市の八幡保育園(後藤郁子園長、園児99人)で「防火豆まき」を行った。

 幼少期から“火遊び鬼”を退治して防火の心を学んでもらおうと毎年行っている。近年はコロナ禍のため中止されており、開催は3年ぶり。今回で30回目。

 この日は全園児が参加。初めに同園職員が「火遊び鬼」や「怒りんぼ鬼」、「泣き虫鬼」など心の中にすむ鬼を豆まきで退治する寸劇を披露した。

 その後、園児たちが豆をまく練習をしていると、八幡分署の若手職員2人が扮(ふん)した鬼の面にわらみの姿で金棒やまさかりを手にした赤鬼や青鬼が登場。雄たけびを上げながら迫る鬼たちに、児童たちは「鬼は外、福は内」と元気いっぱいに豆まき。

 鬼たちが降参し、園児たちが鬼たちと仲直りした後、山崎分署長が「悪い心の鬼は皆さんが気を許せばいつでも戻ってくる。火遊びをしないなど悪い心が起きないよういつも元気で仲良くしてください」などと講話した。年長の伊藤光乃助君(6)は「悪い心が出てきても今日のようにやっつけたい」と話していた。


無病息災願う 三寶荒神社で節分祭

 厄払いの神様が祭られていることで知られる鶴岡市みどり町の三寶荒神社(古木一壽宮司)で3日、「節分祭」が行われた。

 この日は午前11時から本殿で古木宮司が祈祷した後、集まった参列者に「鬼は外、福は内」と豪快に豆をまき、無病息災や家内安全、商売繁盛、交通安全を願った。参列者は「今年も気持ちを新たにして立春を迎えたい」と頭上から降り注ぐ豆を拾い集めていた。

 参列者一人一人の厄を払った古木宮司は「豆まきが一般的に行われるようになったのは江戸時代に入ってから。慶雲3年に疫病が流行した際、大切な豆を用いて始められたと伝えられる。コロナ禍の収束と多くの人たちの幸せを願いたい」と話していた。

 同神社では今年11月9日に本殿の「60周年祭」を予定する。

豆をまいて悪い心の鬼を退治する園児たち
豆をまいて悪い心の鬼を退治する園児たち

集まった参列者に豪快に豆をまき、無病息災や商売繁盛などを願った
集まった参列者に豪快に豆をまき、無病息災や商売繁盛などを願った



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