2023年(令和5年) 2月9日(木)付紙面より
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鶴岡市は8日、新たな工業団地として開発を計画する新産業団地について、鶴岡西工業団地(同市大宝寺)の隣接農地約15ヘクタールを造成することを明らかにした。開発計画に関する県の同意を得た後、新年度に農業振興地域の除外などの手続きに入り、用地測量や地質調査などを実施する。
同日開いた市議会への主要事項説明会で報告した。具体的な区域は県との協議を踏まえ、今後公表する。
市は、市内にある11の工業団地への企業立地が進み、分譲可能用地が少なくなっているため、新産業団地開発を計画。2019年度から適地調査や企業を対象にしたニーズ調査などを継続していた。
候補地として10カ所程度を抽出し、土地利用計画や造成計画、排水計画などを検討するとともに、概算費用や分譲価格の試算、事業効果の検討を進め、最終候補地を選定。昨年12月上旬に地権者などを対象に説明会を行った。農村産業法(旧農村地域工業等導入促進法=農工法)に基づく産業導入実施計画の提出に関し、同意を得たことから今後、県との調整を進める。
実施計画に対する県の同意、その後の農振除外や農用地転用などの手続き、設計、用地取得、造成工事などが順調に進んでも、実際の分譲開始までは5年ほどを要する見込み。
鶴岡西工業団地(約15ヘクタール)は、慶應義塾大先端生命科学研究所などが立地する鶴岡サイエンスパークの北側にある。新産業団地の造成面積は、西工業団地と同規模を予定している。
市は新産業団地開発に当たって、24ヘクタール程度の新たな需要が見込まれるとしており、鶴岡西工業団地の隣接地とは別の場所の開発について、引き続き候補地の選定作業を行う。併せて新年度には、改めて企業誘致に向けたアンケート、ヒアリングなどを進める考え。
2023年(令和5年) 2月9日(木)付紙面より
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酒田市の鳥海やわたインタープリター協会(信夫効次会長)が主催した「日向街道氷瀑トレッキング」が5日、同市升田地区で開かれ、参加者が雪原トレッキングを楽しんだ。
同協会は2000年、旧八幡町が主体となり設立したボランティアガイド組織。行楽客に鳳来山、玉簾(たますだれ)の滝など八幡地域の自然環境を紹介している。雪原トレッキングツアーは例年冬のイベントとして2月上旬に開催。
この日は広く庄内全域から男女12人が参加。市八幡総合支所に集合した後、バスで産直「ららら」駐車場へ。除雪された遊歩道を10分ほど歩いて御嶽神社を抜けると、眼前に一部氷瀑した玉簾の滝が現れ、その神秘的な趣に参加者からは歓声が上がった。
旧日向小学校を活用した「日向里(にっこり)カフェ」でかんじきを装着した参加者は、緯度・経度の交点「ゼロポイント」のうち、北緯39度、東経140度が交わる大台集落へ。どこまでも広がる雪原の中、不動の滝(開運出世の滝)まで歩を進めた。
ツアーの所要時間は3時間ほど。参加者のうち最高齢の佐藤吾郎さん(78)=同市若宮町二丁目=は「雪原を歩くのが本当に気持ち良かった。ツアーは周囲と触れ合いながら楽しく山登りできるのが醍醐味(だいごみ)。元気な限り、また参加したい」と話した。
同支所によると、玉簾の滝の遊歩道は冬期間、土日祝日に限り除雪されていることもあるが、積雪が多い日は雪で埋もれる可能性もあるため、長靴やかんじき、スノーシューなどの準備が必要という。
この模様は後日、同行記で詳しく紹介する予定。
2023年(令和5年) 2月9日(木)付紙面より
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鶴岡市の大寶館前で7日、“春告げ梅”がほころび、一輪の赤い花を咲かせた。
鶴岡公園内には24本の梅が植えられており、大寶館前の紅梅は毎年2月中旬ごろから3月にかけて開花し、市内でも早く咲くことで知られている。
この日、同館職員が午後1時半ごろ、西側にある木のつぼみが一輪開いているのを見つけた。昨年よりも1カ月ほど早い開花という。
見つけた職員は「朝はつぼみの状態だったが、午後の春の陽気に誘われ花を咲かせたのではないか」と話していた。
2023年(令和5年) 2月9日(木)付紙面より
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庄内町の余目第三小学校(齋藤正典校長、児童195人)で7日、同町槇島地区に伝わる「槇島ほうき」作りが行われ、4年生が自分たちが育てたホウキキビを使ってオリジナルのほうき作りに取り組んだ。
槇島地区では冬場の農閑期の収入源として男衆がほうきを作り、女衆が檀家を回り売り歩いた歴史があり、地区の工芸品として約200年前から代々受け継がれている。
同校4年生は総合学習で庄内町について学習している。槇島ほうきについての学習もその一環。児童たちは春にホウキキビの苗を植え、水やりや草取りなどを行うなど大切に育て、秋に収穫し乾燥作業を行った。
この日は槇島地区の阿部正雄自治会長ら7人が同校を訪れ、児童27人を指導した。児童たちは地域の先生たちに教わりながらハンマーやドライバーを使ってほうきの形を整えたり、好きな色の糸でまとめるなどオリジナルのほうきを完成させた。
村上唯斗(ゆいと)君(10)は「槇島ほうきを作るのは初めて。ホウキキビの束を糸で縛る部分が難しかったけど、やってみると楽しい」と話していた。
2023年(令和5年) 2月9日(木)付紙面より
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食べた物が肺に入ってしまう嚥下(えんげ)機能に障害のある人やそしゃく力が低下した高齢者からも楽しく食事してもらおうと、飲み込みやすい料理「嚥下調整食」について学ぶ研修会が6日、酒田市の酒田調理師専門学校(土門陽吉校長)で行われ、歯科医師とフレンチシェフの指導で、学生らが実際に調理を体験した。
「食のバリアフリー」を掲げ活動を展開する「北庄内食援隊」(隊長・大沼寛酒田地区歯科医師会常務理事)が、一般的に「味気ない」とされている「嚥下調整食」をよりおいしいものにしてもらおうと初めて企画した。
講師は、いずれも神奈川県在住で歯科医師の飯田良平さん(ヒューマンデンタルクリニック院長、同県摂食嚥下リハビリテーション研究会副代表)、フレンチシェフの加藤英二さん(Maison「HANZOYA」)。学生と病院調理師など計10人が参加した。
飯田院長による嚥下に関する講話を聴講した後、加藤シェフが解説を交えながら「カブのロースト 蓮根スープ」「サーモンのオイルバス 春玉葱のブイヨン」といった調整食を調理。引き続き加藤シェフから「香ばしさを生かして」「粘度の変化に気を付けて」などの指導を受けながら学生が挑戦した。
参加学生の1人、小林千鶴さん(19)=酒田市浜中=は「家族から食べられないと思われていた人が加藤シェフのフレンチ嚥下食を食べる映像を見て衝撃を受けた。将来は日本料理かホテルのサービス業に進もうと考えているが、嚥下障害の人も楽しめる場所になればと思う」と。食援隊の佐藤裕邦事務局長は「食べたくない物よりも、食べたい物が待っている老後がある社会にしていきたい」と話した。