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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 3月12日(日)付紙面より

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鶴岡「風間家」 伝統ひな人形4年ぶり“里帰り” 古今雛など一式56点「丙申堂」で公開 4月3日まで展示

 「鶴岡一の豪商」として知られた鶴岡市の風間家に江戸時代から伝わるひな人形が酒田市の本間美術館から4年ぶりに“里帰り”し、鶴岡市馬場町の旧風間家住宅「丙申堂」(国指定重要文化財)で11日から公開が始まった。

 里帰りしたひな人形は江戸時代後期の古今雛(びな)や傘福などのひな壇飾り一式56点。内裏雛2組はそれぞれ江戸製と京都製のもので、訪れた人は表情の違いや衣装の華やかさに見入っていた。

 このひな人形は1950年、風間家から酒田の本間家へ渡った。風間家の財団管理などを行う公益財団法人「克念社」(御橋廣眞理事長)は2013年、「ひな人形は貸したもの」として本間美術館に返還を求めて訴訟。15年に和解し、4年に一度風間家に里帰りする形で15年から展示されている。

 里帰りひなのほか、9代目当主の故・風間眞一氏の姉の誕生を祝って大正時代に購入された古今雛の段飾りや昨年秋に亡くなったおひなさま研究家の故・安部秀子さんのひな人形コレクションなども紹介している。

 展示は4月3日までで、時間は午前9時半―午後4時半(最終入館)。料金は一般400円。

4年ぶりに里帰りした風間家先祖伝来のひな壇飾り
4年ぶりに里帰りした風間家先祖伝来のひな壇飾り


2023年(令和5年) 3月12日(日)付紙面より

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考 プーチン大統領の演説を読む

 ウクライナ戦争が始まって1年、突然侵略されたウクライナの人たちはさぞかし理不尽な思いの中にいるに違いない。しかし、ロシアのプーチン大統領は相変わらずである。侵攻1年後のプーチン氏の演説を読んでみた感想である。

 目新しい言説はなく、昨年来の侵略の正当性を繰り返す。ネオナチの脅威からウクライナの人々を守るため特別軍事作戦を行ったのだ、というあの理屈である。ロシアは誠実に平和的解決を目指していたのに、ミンスク合意を反故にし戦争を始めたのは彼ら(西側NATO)だというへ理屈を繰り返すだけである。

 経済制裁については、ロシア国民を苦しめることを目的としているだけで、経済全般に対する効果はないとする。それどころか昨年GDP2・1%の減少にもかかわらず、ロシアはもはや次の成長サイクルに入っている、と西側の経済制裁を嘲笑(あざわ)っている。

 そして国民への呼びかけが延々と続く。「ロシアは開かれた国」であり「独自の文明を持つ国」だと。そしてストルイピンの言をひき「ロシアを守るためにはロシアが強国である権利」が必要なのだ、とナショナリズム全開である。

 さらには「戦略兵器削減条約」への参加停止を表明し、引き続き核兵器の実験を行うという核の威嚇も忘れない。そして、最後に国民に向かって「真実は我々のものだ」と高らかに宣言して終わっている。全体として国民に団結を呼びかける演説基調である。開かれた国どころかナショナリズムの閉じた世界で国民に必死に呼びかける姿勢が目立つ。

 いったいロシアは世界の発展史のどこにいるのだろうか。同じロシア人でも、かつてレーニンは唯物史観というグローバル史に依拠して、自分たちが歴史のどこにいるのかを探す努力を忘れなかった。学術的には評価の低い著作ではあるが『ロシアにおける資本主義の発展』はそこから出てきた著作である。しかし、そういう姿勢はプーチン氏には皆無である。ひたすらロシアは特殊であり優れた文明を持った民族だというばかりである。

 実は、問題はプーチン氏だけではない。日本の著名人たちの中にもこのような言説に同情を示す人々が少なくないのだ。それもロシア通と言われる大物政治家や大物ロシア学者に多いという事実は、日本のこれまでのロシア研究のいびつさを示しているように思われてならない。

 一例だけ挙げれば、ある高名なロシア文学者によるロシア文化の擁護説である。ウクライナ国土の20%近くをロシアが不当に占領している段階で、「ただちに停戦して、国境はそのあとに長い時間をかけて話し合えばよい」と主張する。つまり、その文学者が言うには、ロシアは文化によって成り立っている国であってその文化の特性の3分の1はウクライナが占めている。それを西側に取られようとするロシアの心情を理解すべきだというのである。文学者らしい巧妙な説明であるが、よく吟味すればプーチンのように西側が戦争の原因をつくったのだと言わんばかりである。

 思い出すと数十年前、ラスコーリニコフが老婆を襲う場面でドストエフスキーの『罪と罰』を放り出した経験がある。私はいわばドストエフスキー中退者であり、ロシアの文化を語る資格も学識もないことは承知である。しかし、近代国民国家の形成にはそれぞれの物語があることも承知している。ロシアのひとりよがりの文化圏から抜け出し独自の国民国家を形成しようとするウクライナを邪魔する権利などあるわけがない。

 仮に中国が、日本の文化の何分の一かは中国発祥の文化でありその文化圏をアメリカに渡すのは忍びないから日本に進駐する、と説明したら日本人はどう思うだろうか(そんなことはありえないと思うが)。

 もう一度、国連憲章第2条を読むべきだ。そこにはこう書いてある。『すべての加盟国は、…武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも…慎まなければならない』とある。この憲章は日本の憲法に先立つ1945年につくられたものであり、つくった原加盟国には旧ソ連ばかりでなくウクライナも国として入っている。当時からウクライナはロシアとともに国連の原加盟国として存在していたのであり、「ウクライナは国ですらない」などという一部の言説は誤りである。この憲章の精神を踏みにじり侵略したのは間違いなくロシアそのものである。

論説委員 大滝 太一


2023年(令和5年) 3月12日(日)付紙面より

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第29回日本リトルシニア全国選抜野球大会 酒田リトルシニア8年ぶり出場

今月25日から大阪市内開催
市役所表敬 活躍を誓う

 今月25日(土)から6日間、大阪市内で行われる日本リトルシニア中学硬式野球協会主催「JA共済杯第29回日本リトルシニア全国選抜野球大会」に、庄内地域一円の中学生でつくる硬式野球クラブチーム「酒田リトルシニア」(齋藤俊理事長・会長)が8年ぶりに出場する。昨秋の東北大会で3位入賞し出場権を得たもので、酒田市在住の選手らが10日、市役所を表敬訪問し、丸山至市長、高橋千代夫議長に全国大会での活躍を誓った。

 酒田リトルシニアは2008年2月に結成。現在のメンバーは庄内地域一円の中学1、2年生計19人。東北6県の計60チームが参加し昨秋、秋田県内12の球場で行われた秋季新人東北大会で4強に進出。準決勝で優勝した秋田北リトルシニアに惜敗したが、東北第3代表の座を勝ち取った。

 この日は齋藤理事長、井上芳副理事長・ヘッドコーチらの引率で、市内在住メンバー11人が市役所を表敬訪問。齋藤理事長が東北大会の勝ち上がりを紹介した後、丸山市長が「昨夏の甲子園で酒田リトルシニア出身選手が活躍した。伝統が花開いた感じがする。この伝統を受け継ぎ、酒田の名を全国に高めて」、高橋議長が「バレーボール・アランマーレの活躍などもあり、酒田に良い風が流れている。頑張ってきてほしい」とそれぞれ激励した。

 丸山市長から激励金を受けた浅井葵貴主将(14)=鳥海八幡2年=は「どの大会も苦しいのは初戦。全国大会の初戦も緊張すると思うが、これまで頑張ってきた成果を生かしたい。日頃から支えてくれている人たちへの感謝の思いを力に変えたい」と誓った。130キロ近い速球を投げ込む主戦・白旗桜芽投手(14)=酒田四2年=は「自分のピッチングで試合が決まる。エースとしてチームを引っ張りたい」と話した。

 酒田リトルシニアの全国大会初戦は26日(日)で、関東代表の横浜都筑リトルシニアと対戦する。

全国大会出場を決めたメンバーを丸山市長、高橋議長が激励
全国大会出場を決めたメンバーを丸山市長、高橋議長が激励


2023年(令和5年) 3月12日(日)付紙面より

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華道・池坊酒田支部80周年、青年部30周年 伝統と新しさ満載 作品ずらり

 広く庄内地域一円の華道愛好者で組織する華道家元池坊酒田支部(遠田和子支部長)の創立80周年、同支部青年部の創立30周年を記念した花展(荘内日報社など後援)が11日、酒田市の出羽遊心館で開幕。初日から大勢の市民らが訪れ、作品に見入っている。

 江戸期に北前船の往来で栄えた酒田には早くから華道文化が伝わり、図集のやりとりなどを通し直接、家元から指導を受けることもあったという。本部認可から80周年を迎えた酒田支部は今回、「つなごう、花のこころ」をテーマに掲げて記念花展を企画した。

 庄内地域在住の教授・会員計63人が1人1点ずつを出展。2間続き和室(研修室)の舞台中央に伝統的な花形「立花(りっか)」、周囲には枝の垂れ具合が絶妙な「生花(しょうか)」を配置。桃の花、紫色のアイリス、枝垂れ桜などを縫うように凛と伸びる松の鮮やかな緑が印象的。

 遠田支部長は「花材や住宅様式の変化で生け方も変わっている。今回は伝統的な生け方とともに、新しい形の作品も並ぶ。それぞれ堪能してもらえたら」と話した。展示は12日午後5時まで。同日にはいけばな体験コーナーもある。

教授・会員の作品が並んだ記念花展=11日午前
教授・会員の作品が並んだ記念花展=11日午前


2023年(令和5年) 3月12日(日)付紙面より

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「しのたまわく―」三瀬保育園児が論語素読 庄内藩校致道館

 君子学んで以(もっ)て其(そ)の道を致す―。鶴岡市の庄内藩校致道館で11日、同市の三瀬保育園(本間日出子園長)の年長児による「庄内論語」の素読が行われ、着物姿の園児たちが保護者を前に1年間練習を重ねてきた成果を元気に披露した。

 同保育園では7年前から年長児が毎月1回、致道館を訪れ、同館統括文化財保護指導員の富樫恒文さん(75)の指導を受け、論語の素読を体験している。本年度の年長児11人も4月の桜の時期から雪に囲まれた厳冬期まで毎月足を運び2編ずつ素読を繰り返し学んできた。

 この日は卒園式を前に、保護者へ1年間の頑張りを発表。藩主が入る「御入間(おいりのま)」で、富樫さんの後に続いて「しのたまわく―」とみんなで声をそろえて20編の素読を披露した。見守った保護者から拍手が湧き、本間園長も感激の様子で「1年間、とてもすてきな場所で良い時間を過ごすことができた。みんな立派です」とお褒めの言葉を贈った。

 富樫さんは「致道館で学んだことを大切にして小学校に入学してからも頑張って」と園児たちに語り掛け、修了証を手渡した。佐藤萌香ちゃん(6)は「致道館に来て素読するのが楽しかった」と話し、父親の伸浩さん(59)は「立派な素読で、わが子の成長を感じた」と目を細めていた。

保護者の前で1年間の素読の成果を発表する園児たち
保護者の前で1年間の素読の成果を発表する園児たち



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