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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 3月25日(土)付紙面より

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水道事業の広域連携向け強化 鶴岡市異動内示 国新設の子ども家庭庁と人事交流

 鶴岡市は23日、新年度の人事異動を内示した。組織体制の見直しでは、第2次総合計画後期基本計画の新年度策定に向け政策企画課を増員、酒田市、庄内町との水道事業の広域連携に向けた統合準備設置のため水道部総務課を増員する。職員の交流派遣では新たに、国に新設された子ども家庭庁、鶴岡商工会議所との間で人事交流を行う。異動職員数は510人、異動率は昨年度より3・3ポイント高い31・6%。発令は4月1日付。

 他の主な組織体制の見直しでは、公共施設の在り方など含めた中長期の財政運営を検討するため財政課を増員。住宅管理係を住宅支援係に改称し、幅広い住宅支援に対応するため増員した。荘内病院事務部は医療環境の高度化・専門化に対応するため、総務・医事の2課体制から管理課を加えた3課体制に再編するとともに、新荘内看護専門学校開設に向け職員を増員する。

 新規採用は行政職44人、技能職2人、消防職3人、医療職17人。全体の退職者は75人。昇任は部長級7人、次長・参事級3人、課長・主幹級26人。病院と消防を除く係長級以上の女性役付け職員の割合は41・2%となり、前年度より1・9ポイント上昇する。

 部長級への昇任では、総務部長に森屋健一総務部参事兼財政課長、企画部長に上野修政策企画課長、健康福祉部長に佐藤繁義総務部参事兼職員課長、建設部長に坂井正則建築課長、議会事務局長に佐藤玲子コミュニティ推進課長、教育委員会事務局教育部長に永壽祥司商工観光部付参事(DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー派遣)上下水道部長に山口幸久下水道課長が登用された。

 市民部危機管理監には秋葉敏郎羽黒庁舎支所長、会計管理者会計課長事務取扱には高坂信司上下水道部長、羽黒庁舎支所長には伊藤敦企画部長が回る。五十嵐裕一荘内病院副院長は新たに産科医長を兼ねる。


2023年(令和5年) 3月25日(土)付紙面より

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庄内空港5便定着に利用拡大を

 庄内空港発着の全日空羽田便が今月26日から1日5便(5往復)の運航になる。26日?5月31日と10月1日?28日の期間増便だが、5便になるのは12年ぶり。利用者が戻ってきたことの証しと言え、今後は利用者の拡大を図り、5便化を定着させることが課題。庄内空港利用振興協議会はさまざまなキャンペーンを展開している。
 1991年10月開港の庄内空港は、庄内での高速交通の幕開けだった。庄内―羽田便は2019年、開港以来最多の39万4020人の利用者を記録。その後コロナ禍で減少した客足も戻りつつある。観光庁も訪日客による消費拡大を掲げている。この好機を5便化定着につなげたい。

◇      ◇

 期間増便だが5便化を記念し庄内空港利用振興協議会は羽田便を利用する人に、旅行代金の一部を助成するキャンペーンを実施。利用者が1人の場合は旅行代金3万円以上が対象で「おいしい庄内空港ファンクラブ」会員は1万5000円、会員外は5000円を助成する。2人では計6万円以上で会員3万5000円、会員外1万円、3人は計9万円以上で会員6万円、会員外1万5000円の助成。キャンペーン受け付けはすでに終了している。

 現行の4便に加えて増便されるのは羽田発午後1時10分(庄内着同2時10分)、庄内発同2時55分(羽田着同4時)。庄内空港利用振興協議会長の丸山至酒田市長は「増便によって国内外の主要都市とより効率的な乗り継ぎが可能になって利便性が向上する」と期待。ビジネス利用だけでなく、国際線への接続改善で、訪日客を呼び込むことも見込め、観光促進につながる。

 鶴岡市で昨年、酒井家庄内入部400年記念事業があった。今年はNHK大河ドラマ「どうする家康」に、徳川家康を支えた徳川四天王の1人、初代庄内藩主・酒井忠勝公の祖父・忠次公が登場している。鶴岡市などは新年度に「次の100年への継承に向けた取り組み」の事業と、大河ドラマを連携させ、歴史家を招く歴史講座などを計画している。首都圏から空路での誘客につながる期待も持てる。

◇      ◇

 羽田便の5便化定着には、利用者が増えることが必須だ。そのためには庄内の魅力を積極的に発信しなければならない。全日空の客室乗務員が「庄内ブルーアンバサダー」として庄内の観光PRや地元企業と協力して商品を開発、観光列車に乗って庄内の良さをPRしたりと、誘客に弾みを付ける活動をしているのは心強い。

 コロナ禍が収束方向にあり、訪日客の水際対策の緩和で訪日客の増加も見込まれる。11年にも今回と同時期に5便運航されたことがあるが、その期間後は4便に戻った。一定期間とはいえ、再びの5便化にはそれなりの需要が見込まれるからであろう。通年5便化を定着させるためにも、官民挙げた利用促進の取り組みに期待したい。

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2023年(令和5年) 3月25日(土)付紙面より

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立谷沢地区の若者集い食事会 自炊体験!!門出祝う

 今春進学や就職で庄内町立谷沢地域から巣立つ若者を対象にした「新しい門出を祝う会in立谷沢」が22日、立谷沢まちづくりセンターで開かれ、若者らが自炊で活用できる簡単な料理などを学んだ。

 同地域では、長南快さん(18)=鶴岡工業高卒、小林大翔さん(18)=同、小林艶心(あこ)さん(18)=羽黒高卒=の男女3人が進学・就職で県外に出る。祝う会は若者の前途を祝うとともに、1人暮らしなどで自炊する機会が増えることから簡単な料理を学んでもらおうと地域運営組織「立谷沢地域づくり会議」(富樫豊一会長)が初めて開催した。この日は庄内余目病院で管理栄養士を務める菅原千鶴子さん(58)を講師に、若者3人が「ひじきご飯」「鶏のハーブ焼き」「もやしのナムル」「キャベツの塩昆布和え」など電子レンジやフライパンで手軽にできる9品に挑戦した。3人は菅原さんから食材の下ごしらえなどの指導を受けながら手際よく作業を進め、約1時間半で完成させた。信州大(長野県)に進学する長南さんは「少しは料理をするが、ここまでのものを作ったことはなかった。大学では1人暮らしをするので教わったことを活用していきたい」と話していた。

 調理終了後は中学校を卒業した生徒や地域づくり会議の役員ら約20人が参加した食事会が行われ、参加者が出来上がった料理を味わった。

手軽な料理に挑戦する立谷沢地域を巣立つ若者たち
手軽な料理に挑戦する立谷沢地域を巣立つ若者たち


2023年(令和5年) 3月25日(土)付紙面より

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鶴工生 メタバースの学校紹介制作

 プログラミングを学ぼうと鶴岡市の鶴岡工業高校(平山豊校長)の生徒が、NTT東日本山形支店(渡会俊輔支店長)の協力を得てメタバース(仮想空間)の学校紹介を制作した。機械科、電気電子科、情報通信科、建築科、環境化学科の生徒がそれぞれ5人前後のチームを組み学習内容や部活動、卒業生のインタビュー動画などを配した。鶴岡工業のホームページを検索し、スマートフォンやパソコンで誰でも自由に見ることができる。

 新しいコミュニケーションの場として注目されるメタバースを探求学習につなげようと同校とNTT東日本山形支店が県内では初めて取り組んだ。昨年12月、山形支店の担当社員が学校を訪問。生徒にメタバースの基本について説明した後、年明けから放課後を利用して企画・作成に取り掛かった。

 内容は同校で学ぶ学習内容を具体的に伝えたり運動部と美術部の部活を紹介。3択クイズも取り入れ楽しく見てもらえるよう工夫した。

 機械科の大八木如柊(じょしゅう)さん(1年)は「見た人が窮屈に感じないよう画像空間を開放的にした。今回初めて挑戦したがとても楽しかった。来年はさらにアップデートしたものを作りたい」と話した。情報通信科で生徒会長の安達翔(かける)さん(2年)は「メタバースのことは知っていたが、どんなふうに作っているのか最初は全く分からなかった。実際に制作してみてインターネットでは表現できないところが面白さの一つだと思う。自分たちが作った仮想空間を多くの人に見てもらいたい」と語った。

 生徒が制作したメタバースの学校紹介は23日に学校のホームページにアップした。今回は1、2年生徒が中心となって取り組んだが、新年度からは新1年生を迎え、どんなものを制作するかお互い話し合って決める。

 生徒が手掛けたメタバースを見たNTT東日本山形支店の担当者は「初挑戦にしては完成度が高い。さすがモノづくりに関して技術が高い工業高校だと思った。新年度からも引き続きサポートしていきたい」と生徒の力作に目を細めた。

【メタバース】
 英語の「META(超越)」と「UNIVERSE(宇宙)」を組み合わせた造語。インターネットを利用した仮想空間で交流を楽しむ場所のことを指す。総務省が公表している2022年度版の「情報通信白書」でメタバースの世界市場は21年の4兆2640億円から30年には78兆円まで拡大すると予想されている。ゲームやビジネス、イベントのほか、遠隔手術のシミュレーションなど医療の分野でメタバース技術の導入が進められている。

初めて挑戦したメタバースの学校紹介
初めて挑戦したメタバースの学校紹介

各科の仮想空間の出来栄えを見る鶴岡工業高の生徒
各科の仮想空間の出来栄えを見る鶴岡工業高の生徒


2023年(令和5年) 3月25日(土)付紙面より

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SDGs学び体験 「キッズホテル」有機肥料作り

 酒田市内の児童たちがSDGs(持続可能な開発目標)について理解を深める「キッズホテル」が22日、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田(熊谷芳則社長)で行われ、小学1―5年の男女12人が参加。館内見学やコーヒー殻を使用した有機肥料作りなどを通し、地球を守るため自らできることを考えた。

 国立青少年教育振興機構が展開している「子ども夢基金助成活動」の一環として、松若中央学院(同市若竹町一丁目、板垣聖子学院長)が児童たちから職業への関心を持ってもらうとともに、SDGsについて理解を深めてもらおうと、同ホテルの協力で企画した。

 初めに同ホテルの阿部雅之総務部部長らがスライドを使って、▽食べ残しを減らす▽節水装置の活用▽LED照明への移行―などSDGs達成に向け取り組んでいることを紹介、「プラスチックはやがて土に戻るので適当に捨ててもよい(答え・×)」など「○×クイズ」を出題した。

 引き続き参加児童たちは、ホテル内で1日当たり1キロほど排出されるというコーヒー殻と、米ぬかを使って有機肥料作りを体験。混ぜ合わせると発酵の影響でだんだん熱を持ち始め、温かくなっていくのを体感した。阿部部長によると、時期にもよるが1カ月ほどで完成し、敷地内の樹木に追肥しているという。

 参加児童の一人、三石いのりさん(10)=亀ケ崎小4年=は「SDGsは知っていた。地球が大変な状況になっていることをあらためて学んだ。節水を心掛けたい」と話した。

阿部部長(左)の指導で有機肥料作りに精を出す児童たち
阿部部長(左)の指導で有機肥料作りに精を出す児童たち



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