2023年(令和5年) 3月26日(日)付紙面より
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鶴岡の街に3年ぶりに映画館の灯がともった―。鶴岡市山王町の鶴岡まちなかキネマが映画上映機能付き交流スペースとして25日、再オープンした。オープニングを飾ったのは織田信長を木村拓哉さんが演じた「レジェンド&バタフライ」と、ドキュメンタリーの「オードリー・ヘプバーン」の2作品。再開を待ち望んだ多くの市民が訪れ、映画を楽しみ、まちキネの再開を喜び合った。
この日は午前9時から再生オープンのセレモニーがあり、皆川治市長、山木知也鶴岡市社会福祉協議会長、まちキネを運営する三浦新山王まちづくり社長があいさつ。三浦社長は「これまで支えていただいた多くの方々に感謝する。映画を楽しんでもらうだけでなく、地域の文化、情報、交流を提供する映画館として愛着を持ってもらえるように努力していく」と述べた。
大勢の市民が見守る中、特別ゲストとして招かれた「レジェンド&バタフライ」の大友啓史監督や地元の子どもたちを加えてテープカットし、再オープンを祝った。上映後は大友監督の舞台あいさつも行われた。
「レジェンド&バタフライ」の鑑賞に母親と訪れた同市美原町の五戸菜摘さん(22)は「木村さんのファンで、この作品を見るのは4回目。大友監督の舞台あいさつが楽しみ。見たかったけど庄内では上映されなかった映画が、まちキネで上映されるようなので、ぜひ見たい。近くに映画館があってうれしい」と話した。
旧まちキネは2020年5月に閉館。その後、市社協が事務局移転のため土地と建物を取得。交流スペースを「新まちキネ」として活用することになり、山王まちづくりが客席80と40の2つのスクリーンによるミニシアターとして運営する。上映作品に関する情報はまちキネのホームページや公式SNSで発信。問い合わせは、まちキネ=電0235(64)1441=へ。
2023年(令和5年) 3月26日(日)付紙面より
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1400年の歴史を持つ「蜂子皇子伝説」を発信しようと鶴岡市の由良自治会(榊原賢一会長、住民約900人)は、由良海岸の八乙女像モニュメントのそばに蜂子皇子と出羽三山のつながりを描いた「ストーリーパネル」を設置した。
飛鳥時代に丹後・由良(京都府宮津市)から庄内・由良(鶴岡市)にたどり着き、羽黒山、湯殿山、月山の出羽三山を開いた蜂子皇子伝説を広く伝えようと4枚の合板を合わせたパネルを備え付けた。
パネル1枚の大きさは縦90センチ、横1・8メートル。出羽の聖なる霊山を目指した蜂子皇子が八乙女浦で美しい女性に迎えられたという「八乙女浦伝説」や、三本足の八咫烏(やたがらす)に導かれて山頂に着き八咫烏の黒い羽根から「羽黒山」と名付けた伝説を分かりやすく伝えている。事業費は約28万円。県の「元気な農村づくりスタートアップ支援事業」の助成金を活用した。
榊原会長(66)は「春の行楽シーズンを前にストーリーパネルを通して多くの観光客に蜂子皇子と羽黒山のつながりを知ってもらえれば。これからも地域住民とともに魅力ある『由良づくり』を進めていきたい」と話していた。
2023年(令和5年) 3月26日(日)付紙面より
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荘内日報社(橋本政之社長)主催の俳句と短歌のコンクール「第36回荘日新春句歌歳時記」の表彰式が24日、鶴岡市の鶴岡商工会議所会館で行われた。各部門の「天」「地」「人」や選者賞に選ばれた各受賞者に賞状などが贈られた。
地域の文芸振興などを目的に毎年開催している。今回も「迎春準備」から「小正月」までのテーマで作品を募集し俳句85句、短歌76首が寄せられた。
選者は、俳句が阿部月山子(俳人協会評議員、県俳人協会顧問、「月山」主宰、「春耕」「万象」同人)、牧静(県俳人協会副会長、俳誌「芯」幹部同人、「人庄内」会長)、畠山カツ子(県現代俳句協会副会長、現代俳句協会会員、三餘会主宰)の3氏。短歌が佐藤幹夫(黄社運営委員長)、佐々木秀子(短歌結社「歩道」同人、稲京短歌会主宰)、富樫代志子(荘内短歌会会長)の3氏。各選者が最優秀、特選、秀作、佳作を選び、点数を加算。得点順に各賞を決めた。
表彰式で橋本社長が「庄内地域は人口が加速的に減少しており、俳句や短歌の世界にも影響が出ている。文化活動の場を大切にしながら庄内から明るい話題を発信できるよう、できる限りのことをしていきたい」とあいさつ。受賞者一人一人に賞状とトロフィーを手渡した。
受賞者たちは「年賀状に書かれていた一言に元気をもらい、句を詠んだ」「4年前に俳句を始めて面白さにはまっている。作品が品切れにならないよう頑張りたい」「嫌なニュースに心を痛める毎日。そんな中、家族と一緒に年を越せる喜びをかみしめている」など、作品への思いや受賞の喜びを語った。
選者たちは「俳句も短歌も若いうちに始めた方が良い。多くのことを学び、覚えることができる」「感情が素直に伝わってきて心温まる作品が多く見られた」などと講評。受賞者と「子どもたちに俳句や短歌と触れ合い、発表できる場や機会をもっと増やせないか」と意見を交わしていた。
俳 句
〈天賞〉
母は茶寿くらし平らと賀状来る
鶴岡 木村 慶子
〈地賞〉
福を呼ぶ餅つき諷経(ふぎん)善宝寺
鶴岡 上林 次雄
〈地賞〉
のびのびと手足の遊ぶ初湯かな
鶴岡 野村 茂樹
短 歌
〈天賞〉
激戦の国の人々想ひつつ
家族揃ひて除夜の鐘聞く
鶴岡 渡部 道子
〈地賞〉
餅搗きの音する朝に生まれたと
亡母(はは)の言の葉今も聞こえる
鶴岡 土岐 純子
〈人賞〉
赤い糸に結ばれ来たる初詣
共に白髪の八十路を生きる
鶴岡 田中 實
2023年(令和5年) 3月26日(日)付紙面より
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鶴岡市末広町の「つるおか食文化市場フーデバー」内の和食店「つるおか旬暦彩鶴」(丸山典由喜代表)は、文字通り“庄内産ばっかり”の食材をふんだんに使った新作カレー「庄内ばっカリー」の提供を始めた。
昨年秋から試行錯誤を繰り返してきた新作カレーは、ジャガイモやサツマイモ、タマネギといった地元産の野菜に、庄内豚を加えて6時間かけてじっくり煮込み深いコクに仕上げた。隠し味には干し柿ペーストを使った。甘過ぎずスパイシーさが口の中に広がるよう干し柿の分量を調整した。
カレーにはお好みで▽焼肉▽ひとくちヒレカツ▽竹炭を使った鶏のから揚げ▽サラダとお吸い物―の4品をトッピングすることができる。
丸山代表は「お土産にできるようレトルトパック化も検討している。鶴岡の名物カレーになればうれしい」と話した。
「庄内ばっカリー」の価格は800円。トッピングは各200円(いずれも税込み)。時間はランチが午前11時から午後2時半まで(ラストオーダーは同2時)。ディナーは同5時から同8時(ラストオーダーは同7時半)。問い合わせはつるおか旬暦彩鶴=電0235(64)1731=へ。
2023年(令和5年) 3月26日(日)付紙面より
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酒田市幸町一丁目のJR酒田駅前で進む駅周辺整備事業に伴い、長年にわたって市民から愛され、一帯のシンボルとなっていた帆船のオブジェが撤去されることになった。来月下旬に予定されている“永遠の出航”を前に現在、新たなカラーでペイントされ、市民や観光客らの目を引いている。
同市の酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」から広く市内へアートを広げ、アートに関する興味・関心を育むことを目的に実施しているアートプロジェクト「SAKATART(サカタート)」の一環。
帆船オブジェは1996年、観光PRのため市が4基目の「歓迎塔」として設置。土台と合わせ高さが11・5メートル。アーチ形の土台部分が歩道上をまたぎ、中を歩行者がくぐれるようになっている。帆の周囲には無数のウミネコが舞い飛んでいる様子がステンレスで表現されているほか、船体の下に市の観光イベントをPRする掲示板を付け、夜間はライトアップ。今回の整備事業では駅前交差点を改良し駅とミライニを最短距離で結ぶため、動線上にあるオブジェは撤去されることになった。
新たなペイントは、ミライニを含む光の湊一帯のデザインを手掛けた東北芸術工科大グラフィックデザイン学科の原高史学科長・教授(現代美術)がディレクターとなり、時空を行き来するシルエットをイメージして黒を基調とした配色に塗り替えられた。生まれ変わった帆船に、行き交う市民らが足を止めて見入っていた。
SAKATARTは来月16日(日)まで。ミライニのテーマカラー「ブルー」「月白」「イエロー」を使った12種のポスターを市内各所に掲示したほか、「本の解体」をテーマに同学科1年生が制作した立体・映像などの作品14点をミライニ内の中央図書館で紹介している。ポスターの掲示施設は次の通り。
▽ミライニ▽JR酒田駅▽東北公益文科大学▽市民会館希望ホール▽酒田市美術館▽土門拳記念館▽酒田市役所▽市総合文化センター▽月のホテル
2023年(令和5年) 3月26日(日)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)の2022年度卒業式・大学院修了式が25日、同市の公益大公益ホールで行われ、学部卒業生230人、大学院公益学研究科公益学専攻修士課程修了生5人が学びやを巣立ち、それぞれ新たな第一歩を踏み出した。
この日の式典には卒業生・修了生、教職員と共に、3年ぶりに保護者が出席。一人一人の名前が読み上げられた後、神田学長が卒業生総代の高橋依里さん(22)=米沢市出身=に卒業証書、修了生総代の中村知広さん(32)=鶴岡市出身=に修了証書をそれぞれ手渡した。
各表彰に続き、神田学長が「この数年間はウィズコロナの対応を余儀なくされ、学生生活にもさまざまな影響があったと思う。困難な中でも学びにしっかりと向き合い、充実した大学生活を送られた皆さんのことを頼もしく思う。これからの望むべき社会の在り方を考えた時、キーワードは公益。本学で学んだことの意味をあらためて考え、公益の実現に向けて活躍することを期待する」と式辞。新田嘉一公益大理事長が▽針のようにどんな障害物も突き破り、挫折しても諦めない、固い決心を持つ▽競ったら必ず勝つ▽いくつになっても読書・勉強を続ける―の3つを「歓送の辞(ことば)」として贈った。
これを受けて卒業生代表の遠藤舜也さん(22)=秋田県湯沢市出身=が「入学して1年後に新型コロナの影響を受け、『当たり前の日常』がどれだけ大切なものか、あらためて考えさせられた。私たちは一人一人の目標に向かい、それぞれの道を歩み始める。困難に直面しても決してくじけることなく、社会で活躍できるよう精進する」、修了生代表の丸藤一貴さん(35)=酒田市出身=が「大学院で得た研究者としての視点は、これから私たちが実務家として活動するに当たって、大きな糧になると確信している。修了生一同、それぞれのフィールドで活躍できるよう、より一層の研さんを積んでいきたい」と決意を述べた。