2023年(令和5年) 4月2日(日)付紙面より
ツイート
31日に告示された県議選は、同日午後5時で立候補届け出が締め切られた。この結果17選挙区(総定数43)のうち東田川郡区(定数1)など9選挙区で定数と立候補者数が同じとなり、無投票で計13人の当選が決まった。
鶴岡市区(定数5)は届け出順で自民新人の石塚慶氏(45)、自民新人の佐藤正胤氏(60)、共産現職の関徹氏(62)、自民新人の菅原一浩氏(56)、無所属現職の今野美奈子氏(63)、無所属現職の高橋淳氏(56)の6人が立候補し1人超過。酒田市・飽海郡区(定数5)は届け出順に無所属新人の田中斉氏(66)、無所属新人の今井和彦氏(64)、自民現職の梶原宗明氏(65)、無所属新人の江口暢子氏(62)、自民現職の森田廣氏(73)、無所属前職の阿部ひとみ氏(62)、立憲民主現職の石黒覚氏(66)の7人が立候補し2人超過と、庄内地域は2選挙区で選挙戦が確定した。4月9日の投開票に向け9日間の舌戦が繰り広げられる。
自民現職の田澤伸一氏(73)が当選した東田川郡区以外で無投票となったのは上山市(定数1)、長井市・西置賜郡(同2)、天童市(同2)、尾花沢市・北村山郡(同1)、南陽市(同1)、東村山郡(同1)、最上郡(同2)、東置賜郡(同2)。前回(2019年)と比べ無投票の選挙区数は同じで、無投票当選者数は4人減少し総定数に占める割合は30・2%となった。
選挙戦が確定したのは鶴岡市、酒田市・飽海郡、山形市、米沢市、新庄市、寒河江市・西村山郡、村山市、東根市の8選挙区で、各定数に対し1?2人超となり、残る30議席を41候補が争う構図。
県全体の立候補者数は54人で前回と同数。立候補者の内訳は現職28人、前・元職2人、新人24人と、現職と新人の割合が僅差となり世代交代が進みそうだ。党派別では自民29人、立憲民主3人、共産と国民が各2人、維新と公明が各1人、無所属は16人。
期日前投票始まる
庄内の2選挙区
31日告示された県議選(4月9日投開票)で、選挙戦が確定した鶴岡市区(定数5)と酒田市・飽海郡区(定数5)の期日前投票が1日、それぞれの選挙区となる鶴岡市、酒田市と遊佐町で始まった。
県議選の期日前投票は告示翌日の1日から投票日前日の8日(土)までの8日間。鶴岡市では市役所1階ロビーと5地域庁舎で期間中の毎日午前8時半から、市役所では午後8時まで、各地域庁舎では同7時までの時間帯で実施する。また櫛引地域の2地区、温海地域の5地区の公民館や集会センターなどにも期日と時間限定で期日前投票所を設ける。
酒田市は市役所7階のほか、3日(月)―8日には八幡タウンセンター、松山農村環境改善センター、平田総合支所の3カ所にそれぞれ期間中毎日午前8時半―午後8時に期日前投票所を設ける。また5日(水)と6日(木)の午前10時―午後7時には東北公益文科大1階公益ギャラリーにも設置する。遊佐町は町役場の第1会議室に期間中毎日午前8時半―午後8時に設ける。
鶴岡市役所に設置された期日前投票所には1日午前、次々と有権者が足を運び、投票していた。子ども2人を連れて夫婦で投票に訪れた同市桜新町の30代男性は「コロナ禍の後、これからどのような社会になるのか。子育て世代を含めて住みやすい地域になることを願って、公約を見て投票した」と話した。
「びっくりしている」
4回連続の無投票当選
任期満了に伴う県議選東田川郡区は31日午後5時に立候補届け出受け付けが締め切られた結果、現職の田澤伸一氏(73)=自民=のほかに届け出はなく、田澤候補の4回連続の無投票当選が決まった。
庄内町と三川町を遊説し午後5時過ぎに選挙事務所に戻った田澤氏は、集まった支持者と握手を交わし、万歳三唱で当選を祝った。
田澤氏は「(当選に)まずはほっとしている。7期目となり県議会で一番当選回数が多くなる。新たな手法で県民の意見を取り入れられるよう取り組む。(無投票については)選挙があるものだと思って臨んでいるのでびっくりしているが、日頃の活動を評価していただいたと思っている。今後は多くの皆さんと議論をさせてもらい、この地域にプラスになる方向を考えていきたい」などと語った。
2023年(令和5年) 4月2日(日)付紙面より
ツイート
国土交通省は31日、2023年度予算の公共事業費配分(箇所付け)を発表した。酒田河川国道事務所管内では、23年度開通予定の日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の酒田みなと―遊佐間(12キロ)に22億3600万円が配分された。施設関連では新規に、酒田海上保安部が入居する酒田港湾合同庁舎増築工事に2億9900万円が配分され、24年度の完成を目指す。
同事務所の予算概要によると、河川事業に10億9300万円(22年度当初比6%増)、道路事業に146億4700万円(同24%増)が措置された。
日沿道関係では、酒田みなと―遊佐間のうち、20年12月開通の酒田みなと―遊佐比子間に続き、遊佐比子―遊佐鳥海間(6・5キロ)を23年度に開通させる。26年度までに開通予定の遊佐鳥海―象潟(秋田県にかほ市)間の「遊佐象潟道路」(17・9キロ)には山形県側に82億5000万円、秋田県側に51億2000万円の計133億7000万円が配分された。朝日まほろば(新潟県村上市)―あつみ温泉間の「朝日温海道路」(40・8キロ)では、山形県側に34億5000万円、新潟県側に107億円の計141億5000万円が配分された。
国道47号の地域高規格道路「新庄酒田道路」(約50キロ)のうち、戸沢村古口―庄内町狩川間の戸沢立川道路(5・8キロ)には1億5000万円、新庄古口道路に15億6000万円、高屋防災に2億5000万円、高屋道路に35億6000万円がそれぞれ配分された。
河川関連では、酒田市の最上川下流部河道掘削事業に3億7300万円、24年度完成予定の同市の最上川下流鈴川排水機場設備更新に3億8000万円、三川町の赤川中流部河道掘削事業に2億9300万円、23年度完成予定の同町の赤川成田排水機場設備更新に3億8000万円、鶴岡市の赤川かわまちづくり事業に4700万円が配分された。
酒田港湾事務所関連では、港湾整備事業に11億1400万円が配分され、防波堤の延伸、消波ブロック据え付けなどを継続する。
2023年(令和5年) 4月2日(日)付紙面より
ツイート
東映創立70周年を記念し製作された超大作「レジェンド&バタフライ」が、3月25日に再スタートを切った鶴岡市の鶴岡まちなかキネマの記念すべき第1回作品として上映された。オープニングセレモニーには監督の大友啓史さんが登場し、テープカットを行ったほか舞台あいさつとトークショーでファンと触れ合った。トークショーの前には単独取材にも応じ、撮影秘話や再生した「まちキネ」へのエール、今後の自身の活動などについて語った。
冒頭飾る重要な婚礼のスケール感を庄内の地で撮影
―「レジェンド&バタフライ」は鶴岡ロケ、しかもクランクイン(2021年10月)の場所だったが、その理由は?
大友監督 鶴岡のスタジオセディック庄内で撮影したが、以前「るろうに剣心」などでも撮影しており、現代物が少なく、戦国武将の壮大な婚礼の行列のスケール感を再現するのに最適な場所だった。冒頭を飾る重要なシーンを、勝手知ったる場所で撮影ができ、私自身はもちろん、(主演の)木村(拓哉)君も高揚感を隠せないようだった。
那古野(なごや)城の大門ややぐらのセットを組んだ。やぐらは登れるようになっていて、あえて登ってくれとは言わなかったが、木村君はそこに駆け上がって、16歳だった信長の若さを表現してくれた。そういう感度のいい役者と仕事をするのは楽しかった。
しかも、鶴岡は食べ物やお酒がおいしい。撮影には「アメとムチ」が必要だが、鶴岡での食事は十分に“飴”の役目を果たしていた。特にいも煮は好きで、みそ味もしょうゆ味もどちらも注文する。鶴岡の味が恋しくて、前日は最終便で来る予定を1便早めておいしいものを食べて飲んだ。
―木村さん、綾瀬はるかさんをキャスティングした理由は?
大友監督 これは既に決まっていて、東映サイドからは2人を主役に、時代劇でというオファーだった。「龍馬伝」で大河ドラマを変え、「るろうに剣心」でアクションを変えてきた。この作品で令和の新しい時代劇を作りたかった。そのために映画の生きのいい時代の時代劇も何本も見た。
信長といえば冷酷でカリスマ性があり、男から見て怖い存在としてキャラクター化されている。政略結婚で妻になった濃姫は優れた武将であった斎藤道山の娘。武術にも戦略にも優れていたと想像できる。姫が“うつけ”の信長をたきつけて天下統一の夢をかなえようとしたのではないか。これまでの信長像が男性目線だとしたら、この作品は女性目線で生身の血肉の通った信長像を描いた。30年という年月の流れを、衣装やメイクはもちろんだが、声や話し方、所作などで2人とも見事に演じ切った。
俳優・大森南朋はオンリーワンの存在いつかまたタッグを
―今年の大河ドラマで大森南朋さんが、旧庄内藩酒井家の初代・忠次公を演じている。大森さんといえば監督がNHKドラマ「ハゲタカ」で主役に抜擢するなど重要な役を演じてきたが、監督にとって大森さんはどんな役者か。
大友監督 代えのきかないオンリーワンの存在。ドラマ「ハゲタカ」では外資ファンドで企業買収をするエリート役。当時は外資系の会社はなじみが薄かったので、無名だった彼を起用した。「龍馬伝」の武市半平太もそうだったが、切腹シーンの鬼気迫る演技はすごみがあった。ただならぬ感情が出せる俳優だと思う。
最近は家政婦になったりしているが、彼なりに演技の幅を広げようとしているんだなと思う。時々、大河も「ふうん」という目で見ている(笑)。
実は彼とは親戚で、彼の奥さん(俳優の小野ゆり子)が、うちのかみさんのめいに当たる。彼はロックミュージシャンでもあるので反骨精神を持っている。いつかくせのある役で、また一緒に仕事がしたいねと話している。
一度なくしたから分かる大切さまちの映画館守って
―このまちキネは多くの方の支援があり、映画館として復活した。そのことについては。
大友監督 ここは映画仲間の間でも良い映画館だと評判だった。座席の間隔が大きくとってあり、木の香りがするぜいたくな造り。閉館したと聞いて残念に思っていたが、こうして再スタートの上映作品として呼んでもらえてとてもうれしい。一度なくしてみて大切さが分かる。ぜひ皆さんで盛り立ててほしいし、自分も、またここで上映してもらえるような作品を作りたい。
レジェバタ解説
「レジェンド&バタフライ」は、東映創立70周年を記念して、東映京都撮影所をはじめ京都の仁和寺や妙心寺、霊鑑寺などの名刹でも撮影を行った。南蛮船は、宮城県石巻市で解体される直前の「サン・ファン・バウティスタ」号で撮影した。国宝級のふすま絵や庭園はもちろん、CG技術を駆使した安土城などのセットも、何度も見返して堪能したい作品。終了日未定。
鑑賞券プレゼント
5月31日(水)まで有効の鶴岡まちなかキネマ「無料鑑賞券」を本紙読者10人にプレゼントします。特別興行や特別上映、料金均一上映など一部利用できない作品もありますのでご注意ください。鑑賞前に受付に提示してください。
希望者は「見たい作品」「これから上映してほしい作品」などを明記して〒997―0035、鶴岡市馬場町8―29、荘内日報編集局、まちキネプレゼント係へ。4月12日(水)の消印まで有効。
2023年(令和5年) 4月2日(日)付紙面より
ツイート
いざやまき酒造り新民館犬祭り…
大山文化財を愛する会40周年
座談会や講座内容まとめる
鶴岡市大山地区の文化財の保存・伝承に取り組む「大山文化財を愛する会」は発足40周年の記念誌を発行した。一部の古い写真を除いたフルカラー印刷で、タイトルは「大山の歴史資産を未来につなぐ」。同会は「座談会や公開講座で語られた大山の歴史や伝統文化への熱い思いをまとめた」と話している。
40周年記念誌の中心は、昨年9月に大山地区の新民館(大山小学校同窓会館)で行われた座談会「大山の歴史、伝統文化を未来につなぐ」と、同10月に大山コミュニティセンターで開かれた「?愛する会」主催の一般公開講座「大山昔語り1」。
座談会は「?愛する会」会員を中心に、地区の文化団体や酒造会社、自治会などの関係者が参加。同地区に伝わる民俗芸能「いざやまき」や酒造り、1902(明治35)年に建造された歴史ある新民館、330年余りの歴史を持つ大山犬祭りなどについて、昔と現在の違いや次世代への継承などについて思いを語った。
また、公開講座は大山小同窓会の佐藤憲二会長を語り部に、戦前から終戦までとその後の復興、1964(昭和39)年の東京五輪までの時代を取り上げ、戦時中の学童疎開や、大山公園や下池などの昔の姿など大山地区での出来事と合わせて解説している。
このほか2013年以降10年間の「?愛する会」の活動をまとめたほか、内陸や隣県などの文化財を巡る現地研修の様子をとらえた写真などが掲載された。
4月1日の総会で会長を退いた山口邦雄さん(75)=鶴岡市大山三丁目=は「30周年記念誌は大山地区の伝統文化、歴史のデータが多く掲載された。今回は違いを出そうと2年ほど前から準備を進めてきた。熱い思いを持った人が集まり、満足のゆくものができた」、記念誌の編集委員長を務め新会長に就任した大山出身の國井美保さん(72)=同市青柳町=は「編集委員の協力で一冊にまとめることができた。この記念誌が次の10年、50周年につながる第一歩となる。役員会を中心にこれからもしっかりと活動を続けていきたい」とそれぞれ話した。
記念誌はA4判、58ページ。1部500円(税込み)。大山地区の昭文堂書店で取り扱っている。問い合わせは同店=電090(5236)1883=へ。
大山文化財を愛する会は1983(昭和58)年3月に設立。毎年春の総会で識者を招いての記念講演のほか、年4?6回の定例講座、他地域の文化財を巡る現地研修、一般市民も聴講できる公開講座などを開催している。今年1月には県内の文化財保護に貢献したとして、県文化財保護協会主催の第36回文化財愛護川崎浩良賞を受賞した。
2023年(令和5年) 4月2日(日)付紙面より
ツイート
酒田市は31日午後、同市の桜(ソメイヨシノ)の開花を発表した。平年より6日、昨年より10日いずれも早い宣言。同日夜から基準木が立つ日和山公園内の六角灯台を桜色にライトアップ、今月8日(土)からは「酒田日和山桜まつり」もスタートする。
山形県地方気象台酒田測候所の無人化に伴って2015年から市が同公園内に「基準木」を定めて観測している。この日は青空が広がる中、加藤弘樹市整備課長補佐が午後1時半ごろ、基準木3本のうち「ナンバー1」と呼ばれる木で開花を確認した。市が観測を始めてから、3月中の開花は一昨年に続き2回目。加藤課長補佐は「今年はコロナ禍前のような『桜まつり』を開催する。多くの人に楽しんでもらえれば」と話した。
同公園には周辺部も含め計約400本のソメイヨシノが立ち、暖かい日が続けば4月6、7日ごろに満開が予想されるという。桜まつりは同17日(月)まで。日没から午後9時までぼんぼりをともし、六角灯台とともに千石船をライトアップする。