2023年(令和5年) 4月4日(火)付紙面より
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庄内観光コンベンション協会(会長・皆川治鶴岡市長)は庄内の美食旅を楽しんでもらおうというガイドブック「美味しい旅本」を作った。1万部発行し鶴岡市と酒田市の各観光案内所などに設置。観光客が自由に持ち帰られようにしている。
ガイドブックはA5判24ページ。庄内の食文化を広く伝えようと初めて製作した。冊子には▽アル・ケッチァーノのオーナーシェフ・奥田政行さん▽エルサンワイナリー松ケ岡のジェネラルマネージャー・川島旭さん▽寿司割烹「鈴政」の佐藤英俊さん▽羽黒山参籠所「斎館」料理長の伊藤新吉さん▽Restaurant「Nico(ニコ)」のオーナーシェフ・太田舟二さん―の料理人5人が登場。ANA庄内ブルーアンバサダーの西紅映さんや元資生堂執行役員常務で酒田ふるさと観光大使を務める関根近子さんらがナビゲーターとして各店を訪ね、料理人にインタビューする形で構成している。
このうち奥田さんのインタビューでは「庄内の食材のバリエーションは世界一。食材一つ一つにパワーがあるので塩とオイルで十分おいしい」、川島さんは「庄内には250年にわたって栽培されている『甲州』がある。ここ(松ケ岡)なら世界に通用するワインができると思った」と料理やワインに対する思いをつづっている。また、精進料理の伊藤さんは「人が手を加えることで山を循環させる。採る人、作る人、食べる人の三角形がうまく循環してきたのが出羽三山の精進料理」と伝えている。
庄内観光コンベンション協会事務局(県庄内総合支庁)では「ガイドブックを通して、庄内の食と食文化を堪能するガストロノミーツーリズム(美食旅)を進めていきたい」と話している。ガイドブックは観光案内所の他に、庄内観光物産館と酒田夢の倶楽でも置いている。
2023年(令和5年) 4月4日(火)付紙面より
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庄内地方の行政機関や企業・団体などで3日、2023年度のスタートに伴う辞令交付式や入社式が行われ、新規採用の職員や社員らが社会人として一歩を踏み出した。各組織のトップらは、「ポストコロナ」を見据えた地域経済の本格的な回復、国の「こども家庭庁」発足に伴う子ども・子育て支援の拡充への対応を強調しつつ、施策展開への意識改革と取り組み強化を呼び掛けた。
【鶴岡市役所】午前9時から市役所で新規採用職員64人に辞令を交付した。引き続き市総合保健福祉センターにこ・ふるで、定期人事異動に伴う主査級以上の役付き職員144人への辞令交付式を行った。辞令交付後、皆川治市長は「物価高騰が地域経済、市民生活へ影響を及ぼし、ポストコロナも踏まえて的確に対応していかねばならない。本年度は総合計画の見直しによる後期計画を策定する。若者・子育て世代に選ばれるまちづくりに向けた取り組みが重要であり、支援策に知恵を出してほしい。トータルなシステムで職員が一丸となり、市民の声によく耳を傾け、それぞれの持ち場で自分が何ができるかを考える。そうした姿勢で職務に精励してほしい」と訓示した。
【酒田市役所】丸山至市長は希望ホール小ホールで行われた辞令交付式に臨み、異動があった課長級以上・新規採用職員への辞令交付、新採職員による服務宣誓に続き午前9時半ごろから訓示した。
丸山市長は冒頭、新採職員に対して「長い役所の人生の中では苦労することがあると思うが、市民への奉仕者としてプライドを持ち、それぞれの職場で頑張ってほしい。何かあったら積極的に上司に相談し、課題を克服してほしい」と激励した。
市役所の在り方について「国、県ではなかなか機能し得ないところを担当している、現場の声を一番踏まえているのが市町村」と。そして「市役所の仕事はどうあるべきか考えた時に最終的に出てきた言葉が『調和』。市役所マンにとって常に心掛けなければいけないもの」と話し、「『調和』は組織のパワー・推進力を統合すること。目的を達成するために組織の力を集めることこそが『調和』。幹部職員からは組織の中で常に調和を取ってほしい」と続けた。
外航クルーズ船が今月6日(木)、2019年以来、4年ぶりに酒田港に寄港することに触れて「コロナ禍でここ3年ほどはかなり大変だった。寄港は明るい兆しの第1号。市民が明るく、にぎやかで生き生きと活動できる年度にしよう」と呼び掛けた。
2023年(令和5年) 4月4日(火)付紙面より
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地域文化情報誌「Cradle(クレードル)」などを手掛ける出羽庄内地域デザイン(鶴岡市、小林好雄社長)は、庄内の魅力を伝える新情報誌「別冊Cradle」を発行した。第1弾は遊佐町をテーマにした「山形県遊佐町観光ガイドブック 巡るゆざまち」。鳥海山や湧水をはじめとする豊かな自然と信仰、食、歴史など、同町の魅力を丸ごと一冊で発信している。
冊子はB5判のオールカラーで32ページ。「鳥海山と水」をメインテーマに、鳥海山の雄大な姿や四季折々の姿、山中の滝や池、登山・トレッキングコースなどを豊富な写真とマップで詳細に解説している。また、大物忌神社を中心に脈々と受け継がれてきた信仰文化、遊佐町に生きる人々や若者たちが取り組む「遊佐町少年議会」、天然岩ガキや遊佐カレー、フルーツサンドなど遊佐の食を余すところなく紹介している。
2万7000部発行し、遊佐町全世帯や町内施設、県内外の各団体、Cradleを応援する個人、法人のサポーターなどに無料配布したほか、庄内全域の大型量販店や文化施設、道の駅といった観光施設などに無料で設置している。
小林社長は「魅力あふれる遊佐について多くの人から知ってもらいたい。この春、この情報誌を手に遊佐町を巡ってもらえれば」と話した。別冊Cradleは今後、地域や分野などのテーマに絞って庄内各地の魅力と価値資源を発信する。
問い合わせは出羽庄内地域デザイン=電0235(64)0888=へ。
2023年(令和5年) 4月4日(火)付紙面より
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首都圏在住の庄内地域出身者による旧「屋形船を楽しむ会」の集いが3月24日、東京都千代田区内神田三丁目の山形料理「最上・楽農園」で開かれ、「庄内は一つ!」の合言葉で再会し大いに盛り上がった。
首都圏鶴岡会(坂田敬一会長)が日頃から交流のある庄内地区のふるさと会と高校の同窓会に呼び掛け、友好都市江戸川区内にある鶴岡市東京事務所(伊藤弘治所長)の人事異動に伴う送別会を兼ねて開き、13団体から55人が出席した。
実行委員長を務めた元首都圏鶴岡会会長の渡部洋さんが、集いの趣旨を説明。十数年前に鶴岡会と東京事務所が1年間の慰労会を兼ね、江戸川区内から屋形船に乗り、夜桜や夜景を楽しむ会を開いた。当時、余目会の熊谷直治会長から「俺たちも参加させてくれ、庄内は一つなんだから」と声が掛かり、それをきっかけに参加団体が増えてきたと経緯を説明。参加者のほとんどが初めて聞く話で「なるほど、そうだったのか」と納得の拍手が湧き起こった。
坂田会長の乾杯の発声で懇親会がスタート。コロナ禍もあって久しぶりの再会に談笑し、写真を撮り、杯を傾け、にぎやかな楽しい会となった。だだちゃ豆、しそ巻き、玉こんにゃくなど「いも煮鍋・稲庭うどんコース」と銘打った懐かしい郷土料理に舌鼓を打った。
2年間東京事務所長を務め4月に鶴岡市に戻る伊藤所長と、同事務所に6年間交流推進員として勤務し、3月末で退職する安藤勝教さん(元江戸川区役所職員)に記念品と花束が贈られ、出席者から「大変ご苦労さんでした、これからも頑張れ」のエールが飛んだ。最後は、再び「庄内は一つ」を合言葉に全員手をつないで「ふるさと」を合唱。出席者が強い絆で結ばれていることが示された会となった。出席団体は次の通り。(順不同)
鶴岡市東京事務所、如松同窓会東京支部、東京鶴翔同窓会、東京庄内会、東京尾浦会、東京藤島会、ふるさと温海会、東京羽黒会、東京松山会、ふれあい酒田、庄内やわた会、首都圏庄内あさひ会、首都圏鶴岡会
2023年(令和5年) 4月4日(火)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)でウミガメにピッタリと寄り添うコバンザメの姿が「かわいい」と人気を集めている。
加茂水族館では庄内沖で漁師の網に掛かったり、迷い込んだウミガメを保護している。
現在飼育しているのはアオウミガメ(2018年11月保護)とタイマイ(21年12月保護)の2匹。同じ水槽にコバンザメ1匹を入れているが、ウミガメと「大の仲良し」。日中は甲羅にくっついて泳ぎ、夜はウミガメのひれに抱かれるようにして過ごしている。
コバンザメの習性とはいえ、そんな姿が「親子みたい」「恋人同士のよう」「愛おしい」と来館者の目を和ませている。
飼育担当の広瀬南帆(みほ)さんは「コバンザメは餌の確保のほかに危険から身を守るため大きな魚にくっつく習性がある。愛らしい姿を通して保護しているウミガメと一緒に生態について関心を持ってもらえればうれしい」と話していた。
【コバンザメ】
世界の暖かい海域に広く分布する。サメの一種ではなく「スズキ目」に属する。頭の上に小判のような形をした吸盤があり、全体のシルエットがサメに似ていることから名付けられたという。クジラやジンベイザメ、マンタなど大きな魚にくっついておこぼれや寄生虫を食べる。サンゴ礁の海域では単独で泳いでエビなどを捕食する。水質をきれいにする魚としても知られる。