2023年(令和5年) 4月5日(水)付紙面より
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酒田市は本年度、地域コミュニティ組織と行政、学校、事業者を含む各種団体の連携・協働を促し、地域づくりを円滑に進めるため、その調整・支援を行う「地域プロデューサー」を新たに配置。任命式が3日、市役所内で行われ、丸山至市長が前市民部長の大谷謙治さん(60)に辞令書を交付した。酒田四中学区(川南地区)をモデル地区として取り組みを推進する。
市は本年度から市総合計画後期計画がスタートするのに合わせ、まちづくりの在り方について市自治会連合会連絡協議会などと共に「市地域コミュニティまちづくり協働指針」を策定し、この中で持続的発展に向け地域全体で子どもたちの学びや成長を支えるとともに、学校・子どもを縁に多様な主体をつないで相乗効果を生み出す「酒田型スクール・コミュニティ」の構築を目指すことを明示しており、地域プロデューサーはその調整や支援を担う。
大谷さんは今年3月末まで市民部長を務め、協働指針の策定に尽力。まずは6小学校の再編、民俗芸能の後継者不足などが課題となっている川南地区をモデル地区とし、各コミュニティ振興会役員はじめ住民との対話などを通して連携・協働の在り方を探り、解決に導く。
任命式で、大谷さんに辞令書を交付した丸山市長は「これからの中長期的なまちづくりに向けた大きな仕掛けの一つ。部局横断的に取り組んでもらい、新しい地域コミュニティができることを期待する」と。これを受けて大谷さんは「少子高齢化や人口減少の影響で担い手不足が著しく、一部の人に負担がのしかかっている。その人たちを支援するのが役割と思う。多くの人の考えを拾い上げ、課題解決に役立ちたい」と述べた。
2023年(令和5年) 4月5日(水)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館の魚匠ダイニング沖海月(須田剛史料理長)は庄内で取れた春ボラを堪能できる「春ボラ御膳」を始めた。
扱いにくく未利用魚とされるボラのおいしさを多くの人に知ってもらおうと、庄内産ボラのブランド化を提案する須田料理長が考案した。
御膳の内容は▽親子造り(刺し身と冬ボラのカラスミ)▽握り寿司▽酢みそ和え▽なめろう▽あら汁▽ハモの卵豆腐▽茶碗蒸し―の7品にご飯とお新香が付く。
ボラは春と冬が旬で、春ボラは冬ボラと比べると淡白で上品な味わいが特長。カラスミは須田料理長が血抜きや塩分濃度など試行錯誤を重ねて仕上げた。試食した人からは「臭みが全くない」「脂が乗っていておいしい」「カラスミの塩加減がちょうどいい」と好評を得ているという。
須田料理長は「ボラは臭みがあると思われがちだが、きれいな環境で育つ庄内産ボラには全くない。足を運んでいただき、ボラ本来のおいしさを堪能してもらえれば」と話した。
春ボラ御膳は税込み1500円。要予約。提供は5月31日までの予定。カラスミ単品の購入も可能で、値段は大きさによって異なる(税込み5400円―1万800円)。
2023年(令和5年) 4月5日(水)付紙面より
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【荘内銀行】3日午前11時から鶴岡市の荘内銀行本店ホールで入行式が行われた。本年度の新入行員はいずれも大卒の9人(男性5人、女性4人)。
松田正彦頭取が一人一人に辞令を交付した後、大切にしてほしいこととして「明るく、元気に、楽しく」「七転び八起き」「動機を大事に」の3点を挙げるとともに、「地域のお客さまの夢や希望に共感し、悩みや課題に寄り添い、共に成長していくことが荘内銀行の最大のミッション。『ふるさとのために』を合言葉に、一緒に頑張ろう」と訓示した。
これを受け、新入行員を代表して寒河江支店に配属が決まった荒川健志郎さん(22)=宮城県塩釜市出身=が「荘内銀行の一員として新たな一歩を踏み出せることを光栄に感じ、身が引き締まる思い。新入行員一同、一日でも早く戦力となれるよう、個性や能力を存分に生かし活躍する」と決意を述べた。
【鶴岡信用金庫】3日午前9時から鶴岡市馬場町の本店営業部で入庫式が行われた。本年度の新入職員は男性2人、女性1人の計3人(大卒2人、高卒1人)。役員や各支店長など合わせて約20人が出席した。
佐藤祐司理事長は「『Challenge』『Change』『Competition(競争)』『Co‐Creation(共創)』の4つのCを胸に、努力を重ねてください。皆さんの活躍を期待します」と訓示し、一人一人に辞令と金庫章を交付した。
入庫2年目の佐藤華乃さん(21)=文園支店=の歓迎の言葉に続き、新入職員を代表して今井諒さん(23)=酒田市=は「地域に愛され、頼ってもらえる信金職員を目指し、日々励んでいきます」と決意を述べた。
【平田牧場グループ】3日午前11時から酒田市みずほ二丁目のガーデンパレスみずほで入社式が行われた。
男性4人、女性10人の計14人(大卒2人、高卒6人、中途6人)の新規採用社員はじめ出席者がマスクなしで臨んだ。式辞で新田嘉七社長は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類が2類から5類に移行することに触れ、「リスクそのものは変わらない。引き続き『うつらない』『うつさない』『広げない』行動を社会人として認識してほしい。社会の多くの人から信頼される企業になれるよう、愚直に地道に徹底的に仕事に当たってほしい」と述べた。
自社のSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを紹介した上で、「今夏には新たな本社京田ミートセンターが竣工(しゅんこう)する。脱炭素社会の実現に向け、使用する電気は屋根の太陽光パネルで自給する計画。未来への分岐点に立つ今、持続可能な取り組みで育てる『サスティナブルポーク』の平田牧場金華豚・三元豚は社会問題を解決する大きな可能性がある。より良い社会を目指し、明るく、楽しく、元気よく一緒に頑張ろう。皆さんの活躍を期待する」と述べた。
役員紹介に続き、新入社員を代表して池田洸祐さん(22)=酒田市、東海大文学部卒=が「平田牧場で働くことができるのは何より幸せ。この幸せをかみしめながら会社発展のため全力を尽くす。平田牧場の肉をはじめ庄内地域の食の魅力を広く伝えられるよう自身の能力を高めたい。一日も早く戦力になるよう日々精進する」と謝辞を述べた。
【庄交コーポレーション】3日午前10時から鶴岡市錦町の東京第一ホテル鶴岡で入社式を行い國井英夫社長が新入社員6人に辞令を交付した。内訳は大卒2人、専門学校卒1人、高卒3人(男性1人、女性5人)。國井社長が「新年度から弊社として初めて女性を役員に登用するダイバーシティ(多様性)を実践した。今後も男女の隔てなく能力のある人材を積極登用していきたい。昨年10月に運行を始めた鶴岡市内の循環バスは半年が経過し売り上げは前年の3倍以上になった。(新型コロナウイルスは)来月8日からインフルエンザと同じ5類となる。ようやく人の動きが活発になると思うが、皆さんには元気で明るく前向きに取り組んでほしい。頑張ってください」と訓示した。
新入社員を代表して航空事業部(庄内空港)に配属された江口遥香さん(22)=酒田市=が「常に向上心と感謝の気持ちを忘れず、庄内に貢献できる人材になるよう努力します」と決意を語った。
2023年(令和5年) 4月5日(水)付紙面より
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外国クルーズ船の受け入れが再開され、6日午前、3年半ぶりに酒田港に第1船が入港する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で寄港が途絶えていた。今年、大型外国クルーズ船の酒田港への寄港が6回予定され、2019年の5回を上回る。地元では外国人観光客に酒田・庄内に好印象を持ってもらうため、高校生ガイドたちが、おもてなしの準備を進めている。
大型の外国クルーズ船は、例えれば町や村の人口がそっくり移動してくる事に似る。大勢の観光客が下船することで経済効果の広がりが期待できる。県や酒田市など官民連携組織は歓迎セレモニーで出迎え、今後の受け入れに弾みを付けたい考えだ。
今年寄港が予定されているのは、6日の「シルバー・ミューズ」(約4万700トン・バハマ船籍)のほか、「ダイヤモンド・プリンセス」(約11万6000トン・英国船籍)、「ル・ソレアル」(約1万1000トン・フランス船籍)の3隻。ダイヤモンド・プリンセスは3回寄港する予定。2回寄港予定のシルバー・ミューズは全客室がスイートルーム仕様の豪華客船という。
待ちかねた外国クルーズ船の寄港に、地元は歓迎準備を進めている。3月末に官民挙げたおもてなし推進組織「酒田交流おもてなし市民会議」によって、ガイド役を務める酒田光陵、酒田西、酒田東、酒田南の生徒と東北公益文科大の学生ら約50人が、英会話と観光施設を案内するための現地研修をした。19年9月、同港への最大級の「MSCスプレンディダ」(約13万8000トン)が寄港した際は、高校生ボランティアが中町モールなどで居合抜きや甲冑(かっちゅう)着付けなどの案内をして観光客を楽しませた。
今年の寄港を前にした研修は「2023ドキドキおもてなしツアー」と銘打つ観光コースを歩き、英会話での案内時のポイントや注意点などを確認した。酒田市内には港町の歴史と伝統を残す相馬樓や山王くらぶ、山居倉庫などの観光コースが多い。随所で展示中のひな人形も、外国人観光客に喜ばれそうだ。
観光庁は25年の訪日客を、過去最多の19年の3188万人の更新を目指し、3大都市圏を除く地方で1人当たりの宿泊を19年の1・35泊から1・5泊に引き上げたい計画だ。消費額も過去最多の19年の4兆8000億円を超える5兆円を目指している。コロナ後の消費拡大への期待が膨らむ。
庄内の観光の追い風になると期待されるのが、観光庁が「自然と文化が両立できる観光」に重点を置いたこと。以前から日本の、特に地方の文化・自然・生活に触れる観光が注目されてきた。3年半ぶりの外国クルーズ再開を、そうした「風土」に触れることができるものにしたい。地元にとっても、「おもてなしツアー」によって、頑張りの再びの見せどころだ。
2023年(令和5年) 4月5日(水)付紙面より
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県議選(9日投開票)に関し、特に若い世代の投票率向上を図ろうと、酒田市内の交流施設3カ所でディスプレー展示「僕らの未来を考える展」が行われている。「推しを勝たせたい」など若者が興味を引くようなキャッチコピーが多くの人に投票行動を促している。
選挙候補者のポスターなどを受注している小松写真印刷(酒田市京田二丁目、村上慈社長)が初めて企画。昨年の参院選で県全体の投票率が61・87%だったのに対し、同市は58・43%と県内で最も低かったことを受け、社を挙げて投票率向上のためにできることはないかと考え、プロジェクトチームを発足した。
市民の選挙への関心を高めようと、若手社員が中心となって「本気を笑う大人にはなるな」「なんもしないで文句だけ言ってるやつが一番ダサい」「変わらないと思ってる僕らを裏切れよ」など、若者が興味を引くようなキャッチコピーを多数考案し、人通りのある交流施設に展示することにした。
展示箇所は▽酒田産業会館▽市交流ひろば▽市中町にぎわい健康プラザ―の3カ所。キャッチコピーをワイヤでつり下げたり、窓ガラスに大きく貼り付けたりし市民の注目を集めている。各展示箇所ではキャッチコピーのステッカーを無料配布、ステッカーやディスプレーにあるQRコードを読み取ると、投票案内のSNS(会員制交流サイト)にリンクする。
同社担当者は「若者自身の気付きを促すため『選挙』という単語は使わないキャッチコピーで統一した。ディスプレーを見て、若い世代から選挙に関心を持ってもらえたら」と話した。展示は9日(日)まで。