2023年(令和5年) 6月24日(土)付紙面より
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酒田市民有志で組織する「酒田のラーメンexpo(エキスポ)2023」実行委員会(小田かほる実行委員長)は21日、同エキスポを9月17日(土)から2日間、市役所イベント広場で開催すると発表した。市内ラーメン店と、▽麺屋ようすけ(栃木県佐野市)▽吉祥寺武蔵家(東京都武蔵野市)▽札幌みその(札幌市)▽せたが屋(東京都世田谷区)―がコラボレーションするオリジナルラーメンなど計5種を2日間計7000食提供する。
酒田市のラーメン店と市民有志で組織する実行委が、酒田のラーメンの魅力を広く発信することで、コロナ禍で疲弊した地域経済の活性化、にぎわい創出、交流人口拡大など図ろうと、酒田商工会議所、東北公益文科大学ラーメン同好会「麺恋の」などの協力で企画した。
5回目となる今年は店主相互のつながりを生かした、全国有名店とのコラボラーメンがメイン。酒田のラーメンを考える会(齋藤直会長)の加盟店とコラボする▽麺屋ようすけ=出汁に溺れる塩ラーメン▽吉祥寺武蔵家=吉祥寺に根付いた家系ラーメン▽札幌みその=炙(あぶ)り肉が豪快な札幌味噌ラーメン▽せたが屋=こだわり抜いた煮干し醤油(しょうゆ)ラーメン―の4種に加え、文化庁「100年フード」に「酒田のラーメン」が認定されたことを記念し酒田フレンチとのコラボによる「未来に向けた酒田のラーメン」。いずれも麺に庄内小麦、チャーシューには庄内豚を用いることにしている。
このうち酒田フレンチとのコラボラーメンに関して、担当者の一人、庄内地方の洋食シェフでつくる庄内DECクラブ会長の佐藤徹さん(ホテルリッチ&ガーデン酒田総料理長)は「ラーメンは食べるもので、まさかコラボするとは思ってもいなかった。カニのビスクをベースにしたスープを考えており、皆さんの知恵を借りながら進めたい」と。酒田市麺類食堂組合長を務める石垣洋平さん(麺工房さらしな)は「100年後に『100年前、こんなにおいしいラーメンを作っていたんだ』と思ってもらえような楽しいラーメンにしたい」と述べ、本番までに「珠玉の一杯」に仕上げる。
初日は午前10時―午後9時、2日目は午前10時―午後3時。チケットは前売り900円、当日950円。前売りチケットは酒田のラーメンを考える会加盟店やみずほ八文字屋、酒田商工会議所で扱っているほか、7月1日(土)からは全国のセブン―イレブンでも購入可。問い合わせなどは小田実行委員長=電080(1693)5788=へ。
2023年(令和5年) 6月24日(土)付紙面より
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公益財団法人・致道博物館(酒井忠久代表理事)の評議員会が22日、鶴岡市の致道博物館で開かれた。2022年度の事業と収支決算が報告されたほか、任期満了に伴う役員改選で代表理事・館長の酒井忠久氏(77)など理事3氏が退任し、副館長の酒井忠順(ただより)氏(48)など理事8人を再任した。近く開かれる理事会(書面決議)で忠順氏が代表理事・館長に就任する見通し。忠久氏は顧問・名誉館長に就く。
評議員11人と忠久、忠順の両氏が出席。22年度事業は酒井家庄内入部400年記念として5部構成による特別展実施や、旧庄内藩主御隠殿の常設展示リニューアルなどが報告された。
また、評議員の金井昌弥(前荘内銀行取締役・監査委員)、加藤捷男(前鶴岡信用金庫会長、前鶴岡商工会議所会頭)、生島信行(前山形県立博物館長)の3氏が退任し、皆川陽(荘内銀行取締役・監査委員)、佐藤祐司(鶴岡信用金庫理事長)、渡邉晃(山形県立博物館長)の3氏が後任に選出された。
忠順氏は2011年度から理事を務め、16年に副館長就任。地域特産品の企画販売を行う株式会社「荘内藩」社長、酒井家墓所を保存・管理する一般社団法人荘内酒井歴史文化振興会の代表理事を務めている。
インタビュー
致道博物館館長に就任する酒井忠順さん
歴史と伝統大切に新しいことにチャレンジ
22日の公益財団法人致道博物館評議員会で、旧庄内藩酒井家19代後嗣の酒井忠順(さかいただより)さん(48)が近く開かれる理事会(書面決議)で代表理事・館長に就任する見通しとなった。2016年の副館長就任以来、前館長の父・忠久(ただひさ)さん(77)を支えながら同館の運営に携わってきた。旧庄内藩酒井家の末裔(まつえい)として、これからさらに庄内の歴史と文化の継承に深く関わっていくことになる。館長としての抱負を聞いた。
―致道博物館の館長としての心構えは。
自身の座右の銘は『温故創新』。歴史と伝統を大切にしながらも、新しいことにチャレンジし創造していくのは自分の役割と受け止めている。故きを守ること、新しきを創ること、そのどちらか一つをやることは比較的に容易だが、両方をバランス良くできる人はなかなかいない。致道博物館が1950年の開館以来、70年余にわたり守ってきた歴史と伝統、品格を大切にしながら、より良い博物館になるために変革していかなければならない。
―どんな博物館にしていきたいと考えているか。
致道博物館の主な業務は美術品や古文書などの資料収集や調査・研究に加え、社会教育の普及・啓蒙(けいもう)などが挙げられる。一方、近年は観光拠点としての役割も果たしている。鶴岡市街地の観光周遊の起点となり、観光客などの入館者を増やしていくことも重要。人が行きたくなる、参加したくなるような魅力的な催しも打ち出していきたい。
―そうした取り組みの中で館長としての役割は。
致道博物館は社会教育の普及と文化観光を担う施設であり、今後はさらにまちづくりや国際交流の役割も求められている。県や市など諸機関と連携し、地域との密接な関係を構築する中、館長として花を咲かせる土になりたい。当館の学芸員が庄内地域の代表として出前講座や講演、シンポジウム等で活躍していくのが理想的。施設でただ待っているだけではなく、こちらから出かけて庄内の魅力を発信・宣伝し人を連れてくるような、歴史や文化の専門家が育つように取り組みたい。
―致道博物館の現状の課題とこれから新たに取り組みたいことは。
父が館長を退いたことで世代交代の影響については危機感を持っている。老若男女、世代問わず来館いただきたいが、特に20?40代の世代から、博物館に関心を持ってもらうことが急務と考える。各種SNSによる情報発信など、世代に合わせた対応を図りたい。気楽に入館でき、集いの場所、憩いの場所となるようにより良いサービスをどんどん取り入れたい。
―株式会社「荘内藩」社長、一般社団法人「荘内酒井歴史文化振興会」代表理事と致道博物館長を兼任する。
三位一体を目指しいずれも継続していきたい。『荘内藩』は1984年に両親が立ち上げた『松岡物産』が前身で、地域の特産品や商品の企画開発をする、とてもやりがいのある仕事。生産者とのつながりも強く、地域貢献しながら顧客にも喜んでもらえている。博物館の売店でしか取り扱っていない商品も多く、企画開発は今後も続けていきたい。『荘内酒井歴史文化振興会』が取り組む酒井家墓所は一般公開に向けて整備を進めている。公開することで歴史と文化の継承、観光振興の一助になると考えている。
【プロフィール】
獨協大経済学部卒、同大大学院経済学研究科修士課程修了。立教大学学芸員課程修了。金融機関勤務を経て2009年に松岡物産(現荘内藩)代表取締役就任。16年から致道博物館理事副館長、荘内酒井歴史文化振興会代表理事。
2023年(令和5年) 6月24日(土)付紙面より
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幻想的に舞うホタルを見ながら歩く「松山ホタルウイーク」が現在、酒田市松山地域の粽田池(ちまきだいけ)周辺で開かれている。淡い光を放ちながら飛ぶホタルを楽しみ、池や沢の周辺を散策する参加者の姿が見られる。
同地域の松山の宝推進協議会(榎本和介会長)と山寺コミュニティ振興会(小林正利会長)が主催、毎年この時期に行っているイベント。同地域では以前、水辺にホタルが多く生息していたが、近年の経済成長に伴い激減、一時は全く見かけない状態に。そこでホタルや昆虫がすみやすい自然環境をつくり、子どもたちの昆虫観察や住民の憩いの場を提供しようと12年ほど前に山寺地区の有志が「山寺昆虫の森育成会」(山岸芳春会長)を組織。ホタルの養殖や成長のための環境整備など、ホタルの里づくり活動に取り組んでいる。
ウイークは19日にスタート。20日夜は親子連れを中心に36人が参加。会員らが先導・同伴して同池に到着すると、淡い光が周囲を飛び回り、参加者は懐中電灯を消して幻想的なひとときを堪能した。家族で参加した田村彩音さん(12)、寧音(ねね)さん(9)=同市新橋四丁目=の姉妹は「ホタルを見たのは初めて。光が柔らかくて癒やされた」と話した。
ホタルウイークは25日まで。参加は無料。予約不要で、各日午後8時に山寺コミュニティセンターに集合。ホタルが発生しない場合や荒天時は中止となる。ホタルは7月初旬ごろまで光る姿が見られるという。
2023年(令和5年) 6月24日(土)付紙面より
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第105回全国高校野球選手権記念山形大会の組み合わせ抽選会が22日、山形市の山形テルサで行われ、対戦カードが決まった。今大会は46校42チーム(4校連合、2校連合が各1チーム)が出場。来月7日に開幕し、県内5会場で繰り広げられる。開会式は7日午前10時半から、決勝は23日午後1時から、いずれも中山町のヤマリョースタジアム山形(県野球場)で行われる。
抽選会には各出場校の主将と責任教師が出席。今春の県大会を制した鶴岡東を第1シードに、同大会4強入りの日大山形、東海大山形、羽黒に加え、秋季大会などの成績に基づき山形中央、山形城北、九里学園、山形商業の計8校をシードとした。その後、残りの各校がくじを引き、対戦相手が決まった。選手宣誓は南陽の田中春伍主将(3年)が行う。
庄内勢は10校が出場。第1シードの鶴岡東は2回戦で米沢興譲館と4校連合(新庄南、北村山、谷地、天童)の勝者と対戦。羽黒は2回戦で上山明新館と寒河江工業の勝者と対戦する。鶴岡中央と鶴岡南が1回戦で鶴岡勢同士の対戦、鶴岡工業と酒田西が1回戦で庄内勢同士の対戦となる。酒田南は2回戦で山形東と、酒田光陵は長井と、酒田東は新庄東と、鶴岡高専は米沢東とそれぞれ1回戦で対戦する。
第1シードに入った鶴岡東の高橋快主将(3年)は「先を意識し過ぎず、自分たちの野球で一つ一つ勝ち上がって優勝を目指したい」と話した。第4シードの羽黒の江崎仁主将(3年)は「開幕が楽しみ。自分たちの野球ができれば十分に優勝を狙える」と語った。
2023年(令和5年) 6月24日(土)付紙面より
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酒田市の酒田港東ふ頭交流施設「SAKATANTO(サカタント)」を運営する「GOOD LIFE ISLAND合同会社」(同市飛島、本間当代表)、清酒製造、販売の松山酒造(同市、佐藤正一社長)、水産品加工の山形飛鳥(同市船場町二丁目、五十嵐七朗社長)は22日、サカタントオリジナル日本酒「凪(なぎ)のまずめ」と「イカ恋食堂の塩辛」の販売を開始した。同日サカタントで行われた合同新商品発表会で本間代表は「サカタントに来た人がより満足してもらえるよう、オリジナル商品を販売していきたい」と期待を込めた。
この日は本間代表のほか、松山酒造の内藤大輔企画室長、山形飛鳥の伊藤岳課長代理(イカ恋食堂マネジャー)らが出席。「暑くなるこれからの時期にピッタリな品」など新商品の魅力などを紹介した。
グッドライフアイランドと松山酒造による凪のまずめは、サカタントに来るきっかけとなるようなオリジナルの日本酒を造ろうと昨秋から企画。波が穏やかな状態の「凪」と、魚がよく釣れる日の出と日没を表す「まずめ」を合わせて命名した。純米吟醸のにごり生酒で、華やかな香りと甘みに加え、爽やかな発泡感が特徴。保存は要冷蔵で、夏の時期に冷酒で飲むのがおすすめという。県産酒造好適米「出羽の里」を100%使用。500本限定販売。精米歩合60%でアルコール度数16度。300ミリリットル入り800円(税込み)。サカタントのみで販売している。
イカ恋食堂の塩辛は、定食などに付くもの。サカタント内の食堂利用者からの「おみやげに持って帰れないか」という多くの声に応えようと今回、食堂を運営する山形飛鳥が新たに商品化。酒田港に水揚げされた新鮮な船凍イカの切り身を100%使用し、漬け込まずに肝とあえるため塩分が控えめ。隠し味に肝じょうゆが入っているという。150グラム入りで990円(税込み)。イカ恋食堂ホームページや飛島フーズのオンラインショップでも取り扱う。
内藤企画室長は「お酒単体で感じる苦みや渋みが、塩辛と合わせることで丸くなる。一体感が出て酒好きにはもちろん、女性にもおすすめしやすい」、伊藤課長代理は「塩辛と日本酒は、古典落語の話に出てくるほど昔から親しまれている組み合わせ。お互いに相性が良いので、ぜひ一緒に楽しんでみてもらいたい」とそれぞれ話した。