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荘内日報ニュース


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2023年(令和5年) 6月28日(水)付紙面より

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酒田を一緒に盛り上げたい サイダス 開所 酒田オフィス ITベンチャー地方に新たな拠点 「女性が働きやすいまち宣言」に共感 地元から採用 雇用創出にも期待

 企業などの人材情報一元化サービス「サイダスピープル」を手掛ける「サイダス」(東京都港区、松田晋社長)が、酒田市千石町二丁目の旧インテリア事業所跡地に整備した「酒田オフィス」のオープニングセレモニーが26日、現地で行われ、松田社長は「皆さんと協力して山形、酒田を盛り上げていきたい」とあいさつした。

 同社は2011年設立のITベンチャー企業。「明日が楽しみになる世界をつくる」をミッションに掲げ、 社名は「才(サイ)能を引き出す(ダス)」から命名。本社の他、沖縄、京都、広島にオフィスを構えているほか、ベトナムにもスタッフを配置しており、社員数は約300人。「サイダスピープル」はインターネットで利用できる定額制サービスで、社員や職員の労務データの一元化をベースに、そこで働く一人一人の「働きがい」を構築し、組織全体の成長につなげていくシステム。航空や食品製造、金融、製薬など大手企業、自治体を含む公的機関も導入している。

 事業規模のさらなる拡大に伴うシステム導入コンサルティングを担うメンバーの育成、チームの強化が課題となり、新たな拠点開設について模索。酒田市が取り組む先進的なデジタル変革(DX)、「日本一女性が働きやすいまち宣言」に共感し進出を決めた。

 この日は関係者約50人が出席。松田社長が「欧米のソフトウエア企業は一定規模以上になると地方に進出し、ムラを形成する。日本はいまだ東京集中。酒田で海に沈む夕日を見た時、このような環境で仕事ができたら最高と思った。オープニングを迎え、幸せな気持ち。ここ酒田で新しい仕組みを構築したい」とあいさつ。丸山至市長は「酒田進出という松田社長の大英断に感謝。パートナーシップを組み、互いに成長できるようにしたい」と述べた。

 この後、テープカットで開所を祝った。酒田オフィス開所に向け、地元から社員5人を採用。引き続き数十人規模の雇用を創出する予定という。

松田社長(左から3人目)、丸山市長(同4人目)らがテープカット
松田社長(左から3人目)、丸山市長(同4人目)らがテープカット


2023年(令和5年) 6月28日(水)付紙面より

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夏山シーズン 準備着々!! 鳥海山荷上げ作業

 遊佐町の鳥海山大物忌神社(高橋廣晃宮司)は26日、運営する鳥海山山頂直下の御室、7合目の御浜両小屋に、登山者用の食料や飲料、燃料などをヘリコプターで荷上げした。これにより両小屋は7月2日の営業開始に支障がなくなった。

 両小屋は、宿泊する希望者に食事を提供する山小屋としては国内最北という。例年、東邦航空(東京都)東北事業所(宮城県岩沼市)所属のヘリでこの時期に荷上げを行っている。

 この日は早朝、快晴に恵まれた。ヘリは仙台空港から午前9時に荷上げ基地の大平駐車場(遊佐町)に飛来。雲が湧いて中断を余儀なくされた時間帯があったものの、両小屋と同町が経営する滝の小屋の間で計三十数回、ピストン輸送し午後4時ころ予定通り荷上げを終えた。

 小屋の宿泊予約などの問い合わせは鳥海山大物忌神社吹浦口之宮社務所=電0234(77)2301=へ。

食料などをつり下げたヘリを小屋の管理人らが出迎えた=御浜小屋
食料などをつり下げたヘリを小屋の管理人らが出迎えた=御浜小屋


2023年(令和5年) 6月28日(水)付紙面より

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土砂災害が心配な時期になった

 鶴岡市西目で、昨年の大みそかに起きた土砂崩れ災害から半年になる。高齢夫婦が逃げる間もなく土砂にのみ込まれて犠牲になった現場では、災害防止対策の工事が行われているが、今も4世帯12人が市営住宅などで避難生活をしていて、早く元の生活に戻りたいと願い、避難指示の解除を待っている。

 西目の災害を受け、県は県内の土砂災害警戒区域のうち、災害が生じる恐れのある671地点の点検結果を公表した。直ちに住民避難が必要な場所はなかった、鶴岡市の大山公園では対策が必要とされ、立ち木伐採、土砂入れ替え措置が取られた。庄内には土砂災害警戒区域が多い。自分が住んでいる地域の地形などに関心を持ちたい。

◇      ◇

 西目の土砂崩れは未明の発生。行方不明になった夫婦は土砂の中から発見され、死亡が確認された。土砂崩れについて、調査した専門家は、山地の風化が進んで地質が崩れやすくなっていて、雨や雪解けが重なったことで発生したとみている。被災した住民らからは「まさかこの場所で」「今まで災害が起きたことがない」などの声が聞かれたことは、災害はいつどこで発生するか分からず、しかも突然襲ってくる可能性があることを物語った。

 県内には土砂災害警戒区域が5176カ所あり、うち庄内は約30%の1585カ所。ところが県が実施した調査地点671カ所のうち庄内は324カ所で48%を占める多さだ。調査で1カ所だけ「要対策」とされた大山公園では長さ30センチほどの亀裂が見つかり、浸水を防ぐブルーシートを張り、斜面の立ち木の伐採、緩んだ土砂を良質な土砂と入れ替える措置を講じた。

 西目の土砂災害での堆積土砂は約1万7000立方メートル、倒壊家屋17棟のがれきは約2・7トン、市道復旧などを含めると総額で約5億2000万円の復旧費用が見込まれる。ひとたび自然災害が発生すると、想像を超える費用がかかる現実も突き付けられた。自然の破壊力のすごさである。

◇      ◇

 先ごろ、復旧予定などについての住民説明会があった。県などは8月から崩落した土砂の撤去を始める見通しを示し、住民からは遠回りで不便をかこっている道路の通行止め解除、避難指示の解除などを含め「いつになったら元の生活に戻れるか」に関心が集まったという。

 庄内は比較的自然災害が少ない地域といわれてきた。しかし近年は地球温暖化による気候変動で、降雨場所も降雨量も予期せぬ事態が全国各地で起こっている。県内の土砂災害環境は県のホームページ「土砂災害警戒システム」や、そこから国土交通省の「重ねるハザードマップ」へも進むことで、身近な地域の状況を知ることができる。市町発行のハザードマップと併せ、自分が住む地域の状況を日頃から知っておき、身を守ることに気を配りたい。

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2023年(令和5年) 6月28日(水)付紙面より

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スピード感持ち進める 公益大「公立化・機能強化」で知事 県議会

 県議会6月定例会の代表質問が26日に行われ、財政負担を含めた県と庄内地域2市3町の連携による東北公益文科大学の公立化・機能強化について、吉村美栄子知事は「スピード感を持って関係者間の合意形成を進めていく」と述べたものの、実際の公立化の時期に関しては明らかにしなかった。

 石黒覚議員(酒田市・飽海郡区、県政クラブ)が質問した。合意形成について吉村知事は「2市3町の間で財政負担の割合や機能強化の具体的な内容についてさまざまな意見があることから、丁寧な合意形成が必要だと考えている。今定例会に提案している委託調査(事業費1700万円)で、公立化する場合の財政負担の選択肢やさまざまな機能強化策について詳細な分析を行い、関係者間で共有したい」と答えた。今後のスケジュールについては「調査や議論を深めながらスピード感を持って」との考えのみを示した。

 洋上風力発電事業の基盤となる酒田港の基地港湾指定に向けた県の取り組みについて、小林寛県土整備部長は「指定に向け必要な条件を整えていく。2つ以上の海域での事業で酒田港を利用するという条件は、遊佐町沖が促進地域に、酒田市沖が『有望な区域』に指定されることで整うと考えている。基地港湾に必要な機能の整備では、酒田港の港湾計画に洋上風力発電設備の基地機能と必要な施設の規模や構造を位置付ける変更を行う。本年度はしゅんせつ土砂を受け入れる埋め立て用護岸の調査設計に着手している」と答えた。


2023年(令和5年) 6月28日(水)付紙面より

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元気でね 大きくなって戻って 立谷沢川にサクラマス稚魚放流 立川小

 庄内町の立川小学校(村山能弘校長、児童140人)の2年生児童が26日、町内を流れる清流・立谷沢川にサクラマスの稚魚約4万1000匹を放流した。

 放流活動を通して、地域の自然や生物について理解を深めてもらおうと、最上川第八漁業協同組合(鈴木春男組合長)が同小と協力して毎年この時期に行っている。

 この日は2年生14人と同漁協関係者ら合わせて30人が参加。鈴木組合長から「今日の放流から2年後くらいに川に戻ってくる。成長すると腹がピンクの桜色になるのが名前の由来」など県の魚に選ばれているサクラマスの一生の話を聞いた後、放流に取り組んだ。子どもたちは同漁協メンバーから小さなバケツに約7センチに育った稚魚を移してもらい「元気でね」と声を掛けながら川に放流していた。参加した阿部叶実さん(7)は「優しく放流できたので良かった。大きくなって戻ってきてほしい」と話していた。

稚魚を放流する立川小2年生児童ら
稚魚を放流する立川小2年生児童ら



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