2023年(令和5年) 7月11日(火)付紙面より
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就職を希望する鶴岡・田川地区の高校3年生を対象にした「高校生就職祭り」が10日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開かれた。庄内の地元企業担当者と面接し、事業内容や企業側が求めている人材について認識を深めた。
地元就職を促進しようと、鶴岡地区雇用対策協議会(会長・佐藤祐司鶴岡商工会議所副会頭)が毎年開いている。今回は同協議会に加盟する製造業、建設業、サービス業、医療・福祉など34事業所がブースを設けた。
この日は鶴岡工業、鶴岡中央、鶴岡東、加茂水産、庄内農業の5校から合わせて約130人が参加。地元に就職した先輩社員から就業について体験談を聞いた後、人事担当者から仕事内容や社内の雰囲気、求める人物像などの説明を受けた。
生徒たちは「仕事で一番大切なことは」と質問。担当者は「お客さんからの感謝の声がやりがいにつながる。社会のために頑張りたいという気持ちで仕事に臨むこと」と答えていた。
鶴岡東高の齋藤璃音さん(17)は「地元就職を希望している。今は製造業に入りたいと思っているが、各企業の説明を聞いてほかの業種にも興味が湧いた。早く一人前になって地域を支える人間になりたい」と話した。
同協議会の担当者は「生徒がより多く地元企業の声を聞き、各企業担当者も多くの生徒の姿が見られるよう面接ローテーションを配慮して行った。参加した生徒たちには庄内に優れた企業がたくさんあることを理解し、地元就職を考えてほしい」と語った。
2023年(令和5年) 7月11日(火)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の月山8合目付近に広がる弥陀ケ原で、夏の訪れを告げるニッコウキスゲが見頃を迎え、多様な高山植物とともに登山客の心を和ませている。
弥陀ケ原はニッコウキスゲのほか、ミズバショウやハクサンフウロ、日本のエーデルワイスと呼ばれる希少なミヤマウスユキソウなど、130種類以上の可憐(かれん)な花が咲き誇る日本有数の湿原地帯。標高は約1400メートルで、月山が火山爆発を繰り返していた頃に頂上から吹き上げられた多量の岩くずが一帯に積もり、現在のような緩やかな平坦地になったとされる。
8合目付近のレストハウスから続く遊歩道を歩くと、白いチングルマや濃い桃色のガクウラジロヨウラクに交じって黄色の大ぶりなニッコウキスゲが目に飛び込んでくる。花は午前中に開き、夕方には閉じてしまう。月山中之宮の御田原神社によると、例年7月中旬に咲き始め、盛夏には斜面一面に咲く風景が見られるという。
7日はバスツアーなどで訪れた登山客らが三々五々訪れ、鮮やかに咲く色とりどりの草花に目を奪われながら散策を楽しんでいた。
2023年(令和5年) 7月11日(火)付紙面より
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女性活躍推進法に基づき、女性の活躍を進めている優良な企業に対して認定される「えるぼし認定」の取得を応援するセミナーが7日、酒田市の市産業振興まちづくりセンター「サンロク」で開かれ、企業担当者が認定申請の際のポイントなどについて理解を深めた。
女性活躍推進法は、女性が仕事で十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するために2015年に制定された。えるぼし認定は、管理職比率や労働時間など女性の活躍推進への取り組みが優良な企業に、国が3段階で認定するもの。
同市は17年に「日本一女性が働きやすいまち」を宣言。えるぼし認定は6社が受けており、県内(認定22社)では最も多くなっている。セミナーは多くの企業から認定取得を目指してもらおうと同市が企画した。
この日は市内の企業9社から担当者10人が参加。厚生労働省山形労働局雇用環境・均等室の柳生めぐみさんが講師となり認定の際に必要な一般事業主行動計画策定のポイントや計画立案の注意点などを解説した。柳生さんは「男女間の格差は以前と比べると縮まってきたが、家事や子育ての面で女性の負担はまだまだ多いなど課題がある。女性管理職も海外に比べれば少ない。今後労働人口の減少が予測されており、人材確保の面からも自社の女性の活躍の場を整えることは企業としてもメリットが大きい」などと話していた。
2023年(令和5年) 7月11日(火)付紙面より
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鶴岡市立朝暘第四小学校の統合新校創立10周年の記念講演会が8日、同校で開かれた。朝四小の卒業生であり、競泳男子で2016年リオデジャネイロ五輪代表を経験した小関也朱篤(やすひろ)さん(31)が「やり抜く大切さ」と題し講演した。
小関さんは2010年に羽黒高校から日本体育大学に進学し、卒業後はミキハウスに所属。100メートル平泳ぎの日本記録保持者で、リオ五輪の200メートル平泳ぎで5位入賞するなどの活躍を見せた。昨年11月に引退。現在は中学高校時代に指導を受けた恩師・木村憲さん(58)が運営するキムラスイミング(鶴岡市)のコーチに就任し、小中高生の指導に当たっている。
講演で小関さんは自身の転機や練習で心掛けたこと、実際の競技映像などを紹介。小関さんは「心が折れそうなときは自分を責めなくていい。憧れやなりたい自分を思い出し、克服するための方法を探してみよう。つらくても自分の決めたことをやり抜くことで必ず結果が出る。その経験が人生で必ず役に立つ日が来る」と語った。
講演には朝四小の5、6年生や第四学区の市民など合わせて約300人が参加。講演後、児童は「夢をかなえるためには」「水泳を続けるモチベーションは」「自信がなくなったときはどうすればいいか」など質問し、“大先輩”から多くのアドバイスをもらっていた。
最高で何分息を止めていられるかと質問した五十嵐新太君(12)は「大スターに質問できてうれしかった。四小の一番誇れる先輩の講演を聴けて良かった」と笑顔を見せた。
2023年(令和5年) 7月11日(火)付紙面より
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鶴岡市加茂地区などで8日、「山形の海洋ごみを考える日」と銘打った活動が繰り広げられた。ダイバーによる海底のごみ回収、競技形式のスポーツごみ拾い大会、回収した海ごみを使ったクラフト、スタンドアップパドルボード(SUP)体験など子どもから大人までが参加し、イベントを通して海に親しみながら環境問題を体験的に学んだ。
一般社団法人海と日本プロジェクトin山形が、関係団体の協力を得て、先月24日に加茂地区にオープンした「渚の交番カモンマーレ」の周辺施設と連携して開催した。加茂水産高ダイビング部の生徒たちは海に潜って海底に沈んでいたビニールの菓子袋やペットボトル、皿の陶磁器などを回収。海釣りの愛好者グループは波打ち際などで漂着したロープやガラス瓶などを拾い、それぞれ展示して来場者から身近な海の環境を知ってもらった。
海洋教育の場となっているカモンマーレ3階の「夕陽てらす」では海洋ごみに関する展示が行われ、由良海岸近くの香頭ケ浜を会場にしたスポーツごみ拾いには県内外の高校生や家族、企業グループなど約75人が参加した。イベントの参加・体験者を対象にカモンマーレ2階のレストラン「ピッコロ・パッソ」の3000円分食事券を抽選で10人にプレゼントするスタンプラリーもあり、参加者たちは「きれいにしよう」「体験しよう」「学ぼう」など分野別の体験コーナーを巡ってスタンプを集めていた。
加茂レインボービーチで釣り仲間6人とごみ拾いをした地元の松井順さん(32)は「外国製のプラスチック容器の漂着ごみも少なくないが、釣り人が残したまき餌やライン、アオリイカ用のエギも最近目につく。海の環境を守るためには釣り人の意識と行動も大事だ」と話していた。