2023年(令和5年) 7月13日(木)付紙面より
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酒田市上本町の酒田商業高校跡地(市有地)に民間資金で商業施設を整備する事業について、昨今の資材費高騰の影響で建物に関して当初計画していた2階建て1棟から平屋建て2棟に変更し、延べ床面積を縮小することが分かった。一方、施設に産直を移転する予定だったJA庄内みどり(同市曙町一丁目)は「テナント料の負担が厳しい」として出店を見送った。市によると、工事は今年12月にスタート、計画通り2025年3月の完成を目指すという。
跡地の利活用について市は、民間のアイデアを生かし、市民や観光客が立ち寄って経済活性化につながるような施設にしていくため「酒田商業高校跡地活用基本構想」を策定。民間事業者を公募し昨年5月、公開プレゼンテーションを行い、学識経験者や市幹部職員ら8人で組織する事業者選定委員会が審査。翌月に優先交渉権者として総合建設業・丸高(同市下安町、高橋剛社長)が代表を務める地元を中心とした7社の企業体「いろは蔵パーク」を選定した。市と企業体は土地の賃貸契約を締結し、建物を整備する。
約2万平方メートルの敷地内に、当初は蔵をイメージした2階建て延べ床面積約7900平方メートルの建物を新設、スーパーマーケットやフードコート、山居倉庫から移転する物産館・産直施設などが入る計画だった。今回の変更では、いずれも平屋建てで日用雑貨とフードコート、物産館が入るA棟(約4000平方メートル)、スーパーマーケットのB棟(約2800平方メートル)の2棟に分けて整備する。これに合わせて駐車場のレイアウトも変更している。
一方、同JAは当初、国指定史跡「山居倉庫」隣接箇所で運営する産直「みどりの里山居館」を移転させる計画だったが、テナント料で折り合いが付かず、出店を見送ったという。
市によると、土木工事は今年12月、建物の建築工事は来年5月の着工をそれぞれ予定。今月の定例会見で丸山至市長は「つち音が聞こえてこないので心配している市民も多いと思う。計画を見直し、それに沿った形で進捗(しんちょく)している。市としても理解した上で、完成に向けて準備を進めてほしいと話をしている」と話した。
2023年(令和5年) 7月13日(木)付紙面より
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庄内藩酒井家シンポジウムが11日、東京・大手町の日経ホールで行われ、320人が来場した。昨年は酒井家庄内入部400年。“次なる一歩” の首都圏向けアフターイベントとなった。
徳川宗家19代当主の徳川家広氏(58)が「徳川家康と酒井忠次」と題して、基調講演を行い、その後関係者4人が「徳川家と酒井家」としてパネルディスカッションに臨んだ。家広氏は酒井家の始祖・忠次公を徳川四天王の中で「別格の存在」と説明した。家康より15歳年上で義理の叔父である血縁関係。その上で戦略など信頼できる相談役だったことを示した。ディスカッションでも加来耕三氏が後押しするように「家臣団のくくりとは違う。家康にとって、忠次は別格中の別格」と発言した。
これらを聞いた酒井家19代世嗣で今年6月、致道博物館館長に就任した酒井忠順氏(48)は「自分が褒められているような錯覚になる」としながら、酒井家の今後を担う身として気持ちを新たにさせた。今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」では忠次公を大森南朋さんが演じ、座興として踊る「海老すくい」が話題になっているが、同氏は自らステージの前に出て、演じ始めた。海老のように体を曲げたりするサービス精神抜群のパフォーマンス。「前泊したホテルで2時間ぐらい練習した」という成果に場内は歓声と拍手で応えていた。
また同氏は酒井家の墓所を保存、一般公開させるための一般社団法人を立ち上げているが今年10月28日、墓所である鶴岡市内の大督寺など関係各所と協力しながら一部を公開するプランを明かしていた。
一般質問のコーナーでは酒井家と酒田・本間家との協力関係はどんなものがあったか?の問いに戊辰戦争時に庄内藩は連戦連勝だったことが挙げられ「本間家は新政府軍に負けない最新兵器購入の資金を援助した関係がある」(加来氏)など問答が繰り返されていた。この催しは鶴岡市商工観光部観光物産課が事務局を務める、鶴岡市城下町観光誘客促進実行委員会が主催した。
▽パネリスト=徳川家広、酒井忠順、加来耕三(歴史家・作家)、谷口雅一(NHK歴史番組プロデューサー)▽コーディネーター=小林好雄(出羽庄内地域文化情報誌クレードル編集長)=敬称略=
2023年(令和5年) 7月13日(木)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡北高校(難波理校長、生徒354人)で11日、最後の校内合唱コンクールが行われ、1年生から3年生が日頃の練習成果を披露した。
鶴岡北は鶴岡南高校と統合し、来春に「致道館高校」として開校する。このため鶴北として行われる恒例の校内合唱コンクールは今年が最後。全9クラスの生徒がステージに立ち「鶴北伝統の歌声」を発表した。
この日は1年生の3クラスからスタート。2年生、3年生の順に美しい歌声を体育館に響かせた。教諭が音楽性や全体の発表内容について審査した。
会場には保護者ら約90人が訪れ、生徒が歌い上げる姿を動画に収めていた。1年生の女子生徒は「致道館高校になっても私たちの先輩が築いた北高の高い合唱能力を受け継いでいきたい」と話した。
2023年(令和5年) 7月13日(木)付紙面より
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全日本少年少女空手道選手権大会(6月24、25両日・大阪府立体育会館)に東北代表として出場した極真会館田畑道場鶴岡南支部の佐藤暁虎(あきと)選手=櫛引中2年=が、中学2年男子軽量の部(54・9キロ以下)で銅メダルを獲得した。佐藤選手は「来年は全国大会で優勝できるよう頑張りたい」と決意を語った。
佐藤選手は兄の龍政選手(鶴岡南高校2年)と姉の祐菜選手(櫛引中3年)の空手3きょうだい。小学4年生から始め、めきめきと上達、兄譲りの蹴りを得意とする。東北大会で優勝し全国大会の切符を得た。
中学2年男子軽量の部には全国各地区大会を勝ち抜いた強豪27選手が出場。トーナメント戦で「頂点」を目指した。
準決勝に進出した佐藤選手は延長にもつれこむ熱戦を展開。3回戦っても決着が付かず、惜しくも体重差(軽い選手が勝利)で決勝進出を逃した。鶴岡南支部の滝川義朗副支部長(65)=滝川蒲鉾社長=は「試合内容としては終始、暁虎が押していた。今大会を一つの糧に来年は全国優勝に向けて努力を続けてほしい」と話した。
3位のトロフィーと表彰状を持った佐藤選手ら関係者が11日、鶴岡市を表敬訪問し、皆川治市長に大会結果を報告した。佐藤選手は「やはり全体のレベルは高かった。今後の目標は全国制覇。技に磨きをかけたい」と抱負を語った。
2023年(令和5年) 7月13日(木)付紙面より
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NPO法人・ひらた里山の会(酒田市、佐藤忠智代表理事)による「南麓おばこ梅」の収穫と販売が8日、酒田市山楯の鳥海南麓山楯畑団地で行われ、梅の良い香りが辺り一面に広がった。
南麓おばこ梅は、清酒「上喜元」の酒田酒造(同市、佐藤正一社長)が梅酒の原料にするため仙台市・石名坂の「おばこ梅」を約20年前に同地に定植し育ててきた。年を追うごとに必要な量を大きく超え、余ってしまう梅を有効活用しようと、昨年から同法人に全70本中7本の梅の収穫などを依頼。2回目となった今年は同法人で摘果と収穫をした梅の産直販売を行った。佐藤代表理事によると、売り上げは活動資金に充てるという。
この日は時折雨の降る中、会員とボランティア計約40人が参加。木の下にブルーシートを広げ、枝をたたいて実を落とし、拾い集めて丁寧に袋に詰めた。和気あいあいと作業に精を出し、計約400キロもの梅を採取したという。
香り豊かな南麓おばこ梅を求めて、市民らが次々と訪れ、10キロ、20キロと買い求めて車に積んでいた。予約分10キロを購入した女性は「昨年梅ジュースにしておいしかったので今年は梅干しにも初挑戦しようと思う。とても楽しみ」と話した。