2023年(令和5年) 7月15日(土)付紙面より
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鶴岡市の湯野浜海水浴場で14日、海開きが行われた。近くの湯野浜小学校の全校児童91人が元気に水しぶきを上げ、本格的な夏の訪れを告げた。
温泉街にある「渚のステージ」で行われた式典では湯野浜温泉観光協会の佐藤航会長が「コロナが5類となり、今年は県内外から大勢の海水浴客が予想される。安心して楽しめる湯野浜をアピールしていこう」とあいさつ。善寳寺の僧侶が期間中の安全を祈願した。
この後、準備体操で体をほぐした湯野浜小の子どもたちが遠浅の海に入り初泳ぎ。「気持ちいい」と互いに海水を掛け合って楽しんだ。同海水浴場の開設期間は来月20日まで。観光協会によると、今シーズンはコロナ禍前と同じ約25万人の人出を予想している。
一方、遊佐町の西浜、釜磯両海水浴場も同日オープン。西浜海水浴場では午前に神事が行われ、関係者がシーズン中の無事故を祈願した。
この日は関係者約40人が参列。祝詞奏上に続いて池田与四也副町長らが神前に玉串をささげ、シーズン中の安全を祈った。池田副町長は「多くの人が遊佐の自然を安心・安全に満喫できるよう努めていきたい。暑い夏を乗り切りましょう」とあいさつ。地元の太鼓団体「鳥海太鼓保存会」メンバーによる太鼓演奏、ライフセーバーと水上バイクによる県内で唯一可能なパーソナル・ウオーター・レスキューのデモンストレーションが行われ、オープンに花を添えた。
15日に由良、ねずがせき
庄内の海水浴場は今夏、由良、マリンパークねずがせき(鶴岡市)と十里塚(遊佐町)が15日(土)にオープン。加茂レインボービーチ、三瀬、小波渡(鶴岡市)と宮海(酒田市)は22日(土)の開設を予定している。シーズンは各海水浴場とも8月中旬ごろまで。
2023年(令和5年) 7月15日(土)付紙面より
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日本の文化に触れようと鶴岡市の鶴岡第二中学校(和田恭司校長、生徒416人)で13日、着付け教室が開かれた。呉服の老舗「着物の小いけ」会長で、和装教育国民推進会議庄内支部長を務める小池泰弘さん(77)=鶴岡市本町一丁目=と女性支部員を講師に生徒が浴衣の着方を学んだ。
教室には小池さんとベテランの女性支部員15人を講師に迎えた。3年2組と3組の男女生徒合わせて63人が参加し「文庫結び」と呼ばれる帯の結び方や着た後の畳み方を教わった。
生徒たちは初めて挑戦する帯の結び方に四苦八苦。支部員の手ほどきを受けながら無事に着付けした女子生徒は「夏祭りや花火大会の日にまた着てみたい」と笑顔を見せた。
小池さんは「昔の人は古くなった着物をのれんや鏡台掛けに再利用したり、色あせたりすると雑巾にして最後まで大切に使った。その心は今でも同じ。着物に限らずモノは大事にしましょう」と生徒に呼び掛けた。
2023年(令和5年) 7月15日(土)付紙面より
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2018年8月7日付の本紙が、最上川増水の様子を伝えている。酒田市の最上川河口に近い両羽橋下流で、市街地側の堤防を今にも越水しようかというほど増水している。市内では道路が冠水して一部通行止めになった。今年も九州北部や北陸で、集中豪雨によって河川が氾濫し、市街地が濁流にのまれて家屋が浸水した災害の現状を見れば、他地域の災害として捉えることはできない。
1カ月の降水量に相当する雨が短期間で降る。どれほど猛烈であるかなかなか想像できない。しかし、こうした豪雨災害は近年日本全国で発生している。一カ所にとどまって雨を降らせ続ける線状降水帯が被害を拡大させているのは、人間が地球に負荷をかけ過ぎたことで、地球が悲鳴を上げているためであろうか。
◇ ◇
豪雨災害のさなか、WMO(世界気象機関)は、6月の世界の平均気温が1991年から2020年の平均を約0・5度上回り、観測史上最も高くなったと発表した。海面の平均水温も高くなり、今後、異常気象の可能性はより高まるという。南極海の氷の面積も人工衛星からの観測が始まって以降、6月としては最小になった。地球温暖化と環境悪化に歯止めがかからない。
テレビのニュースには、被災地の人がスマートフォンなどで災害発生の様子を撮影した場面が流れる。「濁流の中から岩がぶつかり合う音が聞こえてきた」との報告もある。建設重機でなければ動かせない巨岩を、増水した川はいとも簡単に押し流してしまう。住宅地では30センチほどの浸水で歩くのが困難になる。となれば、自治体の避難呼び掛けがあれば、早めの行動が命を守ることになる。
今度の九州北部豪雨で気象庁は、たびたび記者会見を開いて注意を呼び掛けたが、雨量や降雨のピークが事前の予報からずれることもあるようだ。被災者が「雨がやんでやれやれと思った直後に、大量の流木が流れてきた」などと語っている。線状降水帯をつくる積乱雲が次々と発生し、気象予測を一段と困難にさせるのだろうか。
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庄内地方の天気予報を見れば雨模様の日が続き、日本海側には大雨などに関する注意報も出されている。九州北部では線状降水帯がほぼ同じ場所に停滞し続けて雨量を増大させた。そうならない事を願いつつ、万一に備えて避難する態勢だけは整えておかなければならない。
酒田市の最上川洪水ハザードマップは、最上川流域で2日間に252ミリの総雨量を想定している。もし氾濫すれば浸水深が3メートル未満、地域によってはそれ以上も想定される。市は「避難指示が出たら、速やかに避難を」と呼び掛けている。皆さんの家でハザードマップが“眠って”はいないだろうか。時には目を通し、避難場所、避難経路を確認しておきたい。
2023年(令和5年) 7月15日(土)付紙面より
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酒田市の八幡小学校(金子尚校長、児童112人)で11日、食品ロスについて考える出前授業が行われ、6年生が東北公益文科大学Liga食品ロス削減チーム(鈴木冴香代表、メンバー27人)から日本の食品ロスの現状などについて聞いた。
食品ロス削減への意識向上や食べ物を大切にする心を養ってもらおうと同チームと同市が協働事業として実施した。
この日は鈴木代表ら3年生3人が同校を訪問。鈴木代表らは6年生20人に、日本では日本人1人当たり毎日おにぎり1個分の食料が捨てられており、1年間で約522万トンが廃棄されていること、売れ残りなどの事業系食品ロスと食べ残しなどの家庭系食品ロスの両面があることなどを説明。児童たちが食品ロスをなくすために何ができるかを考えるグループワークでは、「冷蔵庫いっぱいになるまで買わない」「好き嫌いをしない」「賞味期限が過ぎても食べる」といったものから「大食いチャレンジをしない」「食べ残しを少なくするためアリを飼う」などのユニークな意見も出された。鈴木代表は「何に使うのか考えて買い物をすることでロス削減につながる。みんなができることもたくさんある」と呼び掛けた。堀幸統君(12)は「一人一人の心掛けが大切なことが分かった。自分も食品ロスにつながる行動を実践したい」と話していた。
出前授業は18日、同市の若草幼稚園でも行われる。
2023年(令和5年) 7月15日(土)付紙面より
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鶴岡市のバイオベンチャー・スパイバーは12日、同社が開発した人工構造タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」の繊維を使用したニットやデニムウエアなど8種類の製品が、来年1月に東京発デザイナーブランド「YOKE(ヨーク)」で発売されると発表した。
発売されるのはセーターやカーディガン、スエットシャツ、Tシャツ、デニムのジャケットとトラウザーズなど。製品ごとにウールやオーガニックコットンと組み合わせ、ブリュード・プロテインを4―30%の割合で使用した。価格帯はTシャツの2万2000円からジップアップカーディガンの10万円まで。
YOKEは2018年にブランドをスタートした。今回、2024年春夏コレクションとしてブリュード・プロテインを初めて採用した。デザイナーの寺田典夫さんは「3月上旬に話をいただき、改めて素材に面白さを感じてすぐに採用を決めた。素材を知ってもらい広がりをつくることがブランドとしてできることだと考え、凝ったデザインにした。今後は色のバリエーションを増やし、異素材とのミックスなどにもトライし、多様な製品に使いたい」とコメントした。